カマトトぶりっこソと処女厨典「あれ?兄弟なんか落ちたぜ?」
「……!見たか、?」
その、お前と、機会があったら使おうと思って。
最近きたばかりの自本丸の大典太光世であり恋仲の刀は、しどろもどろになりながらソハヤから受け取った小さなパッケージを受け取ってパンツの後ろポケットに入れる。
その正体を分かってるくせに、ソハヤの口からはこう出たのだ。
「なんだそれ?菓子かなんか?」
刀もよく使う政府公認の避妊具であった。
「とんだカマトトぶりだ、にゃ」
「……だよなぁ」
南泉一文字がバリバリと差し入れの煎餅を食べる。有名どころの煎餅屋のソレは、ちょっと聞いてくれとソハヤが持ち込んだものだ。
一文字のまだ来ない一人部屋の南泉の根城のこたつでソハヤが情けなくベソをかいて突っ伏した。
ソハヤは兄弟が来ないことをいいことに散々他本丸の大典太光世に手を出した刀なのだ。全て円満に別れているので刃傷沙汰にはなっていないので問題になってないが、ころころと個体を変えては手を出していた刀であったし、朝帰りも多かったのでそれなりのことをしているのは想像に容易い。
「はー、どーしよ。そう言う雰囲気になった時になったら隠し通せる自信ねぇ」
「お前が百戦錬磨の手練れビッチだってか?」
「あ?喧嘩売ってるのか?」
「事実だろ、にゃ」
ふん、と南泉が鼻を鳴らす。言い返せずにソハヤは手元の煎餅を手に取るだけにした。
「兄弟なぁ……絶対処女厨なんだよ」
「それは大典太光世がか?それともあの個体が?」
「あの個体」
最近きたばかりの大典太を思い出す。たしかに顕現が新しいので初心なところがあるイメージだ。そんな彼がコンドームを持っていたことすら驚きである。
「あー、わかるかも……?処女に夢見てそう、にゃ」
「ふっざけんなよ、南泉に兄弟の何がわかる!」
「いやお前がいったんじゃねーか!情緒不安定すぎんだろ!にゃ!」
炬燵の中で足による蹴り合いが始まる。止める刀はいないまま子供じみた攻防が続き、茶がこぼれて初めて互いに我に帰った。
「あああ……もう、どうすりゃいんだ。なんであんな反応しちまったんだろう…」
「どーせすぐ化けの皮剥がれるぜ、」
にゃ、と抑えきれなかった南泉の語尾が虚しさを余計助長させた。