Recent Search

    reika_julius

    @reika_julius

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 19

    reika_julius

    PROGRESS海ハミの序章
    これからめっちゃ続く
    海ハミルツ序章燦々と輝く太陽の光を吸い込む大海原。それを横切る帆船の上でその会話は行われた。

    「これまで何度も奴隷船を沈めてきたけれど……君のような子は初めて見たねぇ。」

    甲板に横たわる肢体は轡をされながら肩で息をしてこちらを睨みつけていた。毛先にかけて濃くなる金の髪に美しいトパーズのような瞳は見る者の目を惹き付けるような麗しさであったが何よりもその背中に生えた翼に視線は集まる。あいにく今はその翼に鎖が巻き付けられているので全貌は拝めないのだが。

    「絶滅寸前のハミングバード。売り飛ばせばこの先働かずとも一生暮らせる大金が手に入るとも言われている代物を手に入れたのは幸か不幸か……」

    そして肢体を見下ろす長身の男、彼は海賊─それもこの船の長という立場にあった。『海上のペテン師』と呼ばれる彼はこの近海では負けなしの海賊として商船からは特に恐れられていた。本日もとある大国の奴隷船を襲い金目のものを奪っては沈めたばかりだ。その船の中多くの奴隷がひとつの区画に隙間なく詰め込まれているのに対して1人だけ船長室で鎖に繋がれていた青年が目の前の翼を生やしたそれだった。
    2454