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    momomarimo2

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    やることやってそうな💥🌱 ほんのりR15

    ブルーマンデーみたいな 休み明けのウィルは、まだどこか夢見心地な気分でパトロールの支度をしている。
     昨日と一昨日。連休はずっとシャムスの部屋で過ごした。恋人同士になって四ヶ月目。ふたりの休みが重なって、二日間まるごと一緒にいられたのは初めてのことだった。ソファとベッドを行ったり来たりして、夢のようにふわふわした時間が過ぎていった。
     その余韻を、いまも引きずっている。
     
     気持ちを切り替えるため、ウィルは深呼吸する。
     こんな状態でパトロールに出動するなんて、応援してくれている市民の皆さんに申し訳ない。
     しっかりしろ、と自分に言い聞かせる。
     
     椅子に座ったまま、いつものようにレッグホルスターを巻き付けた。太ももがベルトに圧迫される。
     その圧迫感に、ウィルの身体がざわついた。
     
     急に、夜のことを思い出してしまった。
     
     (ちょうど、このベルト巻いてるところをシャムスくんの手が押し開いて、それから)
     
     そこまでの記憶をたどって、ウィルは椅子の上で盛大に項垂れた。
     
     まだ、手の感触も、互いの熱も鮮明に覚えている。
     ふとした瞬間に思い出して、落ち着かない気分になる。
     
     駄目だ駄目だ。
     落ち着こう、冷静にならないと。
     ウィルは火照った顔を両手で覆う。
     
     あからさまにいつもと違う様子に、同室のアキラが声をかけてくる。

    「どうしたんだよ、ウィル。風邪か?」
    「風邪じゃない…大丈夫」
     顔を両手で隠したままウィルは答える。
    「つっても、耳まで赤くなってるけど」
    「今日は、蒸し暑いから」 
     アキラは納得してない様子で、そうかぁ?と呟く。
    「暑いんだったら、襟のところ緩めろよ。いつもに増してネクタイきっちり締めてねーか?」
    「これは、いいんだ。念のためだから」
    「何がだよ」
     
     アキラの追及を笑って流して、アキラを促してウィルは部屋を出る。
     
     パトロールは好きだし、ヒーローとして行動する日々もとても大切に思っている。
     けれども、それと同時に、次のオフを心待ちにしているのもまた事実だった。
     
     ウィルはタワーを出て空を見上げる。
     空には想い人の名の由来である太陽が輝いていた。
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    かわな

    DONEシャムウィル。10章あと
    夢の種は芽吹かないこぢんまりしてるけど、信じられないぐらいきれいで、あったかい家に住んでいる。ドアは温かみのある木でできていて、玄関にはガーベラって花がでっけえ植木鉢に植えられて飾られている。どういった経緯かは分かんねーけど、教えてもらったんだと思う。知りたいなんて思わねーし、調べようなんて絶対に考えないから、たぶんそう。そして、そういうことを平気でするのはオレの中には一人しかいないから困る。それを嫌だと思わないことも。
    「おかえり。手、洗ったか?」
    「まだ。洗面台に行くのめんどうだからそこ使わせろ」
    「えー。またか? 仕方ないなぁ。今日だけだぞ」
    玄関からまっすぐに歩けばリビングがある。広くはないから、ドアを開けばキッチンもみえる。そこには黄色っぽい電気がくっついていて、部屋をまるで作り物みたいに温かくみせる。そして、いつも同じヤツが立っている。幼いころの記憶にある顔つきよりも、すこし精悍さがあるかもしれない。振り返ったソイツは、今日だけだぞって言いはするけど、怒っているわけじゃねえから明日同じことを言ったとしてもたぶん同じような表情で「仕方ないなぁ」って言うんだと思う。
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