昼下がりのご馳走様【弓茨】「お忙しそうですね」
「ひぇっ」
空中庭園の木陰でメールチェックをしていたら、響きは穏やかだけど迫力のある声の主、
「これはこれは教官殿、わざわざ気配を隠して声をかけるとは意地の悪、いえ失礼、お茶目な方ですね」
ただでさえ、昼食を食べそびれてゼリーをくわえながら必死に頭を動かしていたというのに。
「うっ」
なんだか胃の辺りがムカムカする、このままでは先ほどねじ込んでいたものが戻って来てしまう。
「ほらほら無理をなさらないでくださいまし」
背中をさすりながらさりげなくタブレットを取り上げられた。
「俺、まだやることが、あっっるのですが」
どうにか吐き出すのを抑え込みながら睨みつけるが、相手はどこ吹く風。
「こちらにおいでなさい」
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