butterfly effect4(書きかけ)butterfly effect 4
チャタールームの煌びやかな照明が落ちる。既にパーティー参加者は全員帰途に付き、ルームにはそれを見送った藍曦臣だけが残っていた。薄暗い部屋の中、シャンパングラスを片手に窓際に立って、ビクトリアハーバーの夜景を眺めている。こんな時でもなければ、「絵になるな」とでも言って揶揄っただだろう。二人で過ごした日々が、もう遠い過去のように思えてならなかった。
藍忘機がボーイに確認したところ、夜八時になるまで、このチャタールームには誰も入らないようにと言われているらしい。あと三十分、それが偶然にも江澄に残された時間だった。
「行くのか?」
魏無羨の問いに、江澄は静かに頷いた。ネクタイを締め、スリーピースのスーツを正す。
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