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    kana_hoshinoya

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    曦澄オンリー開催おめでとうございます!
    思うように準備できなくてできたとこだけですが…
    続き描いたらじわじわ足していきます。

    0518 5p追加

    #曦澄

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    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

    takami180

    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

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    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
    1437

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    DONEアニ祖師13話の心の目で読み取った行間埋め曦澄。
    人間らしい感情への羨望。
     夷陵の町ですれ違った時に、藍曦臣はその青年が知己であることに最初気が付くことができなかった。
     それほどまでに自分の記憶の中の彼と、頭から深くかぶった外套の隙間から見えた彼とは違った。だがそれも無理もないことだろう。
     蓮花塢が温氏によって焼き討ちにあい、江宗主と虞夫人、蓮花塢にいた江氏の師弟は皆殺しにあった、という話は身を隠しながら姑蘇へと向かっている藍曦臣の耳にも入っていた。江公子と、その師兄である魏無羨はいまだ行方知れずだとも。故に、魏無羨が共におらず江澄が一人で歩いていることに、藍曦臣は少しばかり驚きながらも、人気のなくなったところで声をかけた。驚き振り向いた彼の瞳に光があることに安心する。
     自分の姿を見て驚く江澄と会話し、藍曦臣は当然のように彼を姑蘇に連れて行くことにした。
     当初、江澄は魏無羨が自分を待っているはずだ、探さなければと、藍曦臣との同行を拒否した。
     一人では危険だ。
     これから自分たちは姑蘇へと戻り他の世家と共に温氏討伐のために決起するつもりだ。そうすれば江澄がどこにいるか魏無羨にも聞こえ、あちらから連絡が来ることだろう。闇雲に探すよりも確実ではないか。
    2629

    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その4
    兄上、川に浸けられる
     蓮花塢の夏は暑い。
     じりじりと照りつける日の下を馬で行きながら、藍曦臣は額に浮かんだ汗を拭った。抹額がしっとりと湿っている。
     前を行く江澄はしっかりと背筋を伸ばし、こちらを振り返る顔に暑さの影はない。
    「大丈夫か、藍曦臣」
    「ええ、大丈夫です」
    「こまめに水を飲めよ」
    「はい」
     一行は太陽がまだ西の空にあるうちに件の町に到着した。まずは江家の宿へと入る。
     江澄が師弟たちを労っている間、藍曦臣は冷茶で涼んだ。
     さすが江家の師弟は暑さに慣れており、誰一人として藍曦臣のようにぐったりとしている者はいない。
     その後、師弟を五人供にして、徒歩で川へと向かう。
     藍曦臣は古琴を背負って歩く。
     また、暑い。
     町を外れて西に少し行ったあたりで一行は足を止めた。
    「この辺りだ」
     藍曦臣は川を見た。たしかに川面を覆うように邪祟の気配が残る。しかし、流れは穏やかで異変は見られない。
    「藍宗主、頼みます」
    「分かりました」
     藍曦臣は川縁に座り、古琴を膝の上に置く。
     川に沿って、風が吹き抜けていく。
     一艘目の船頭は陳雨滴と言った。これは呼びかけても反応がなかった。二艘目の船頭も返答はな 2784

    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その6
    兄上が目覚める話
     粥をひとさじすくう。
     それを口に運ぶ。
     米の甘味が舌を包む。
     藍曦臣は粥の器をまじまじと見つめた。おいしかった。久しぶりに粥をおいしいと感じた。
     添えられた胡瓜も食べられた。しゃりしゃりとしている。
     包子も口にできた。蓮の実の包子は初めてだった。さすがに量が多くて大変だったが、どうにか食べ切りたいと頑張った。
     食事を終えて、藍曦臣は卓子の上、空の器をながめた。
     たった三日で人はこれほど変わるものなのだろうか。
     首を傾げて、ふと気が付いた。
     そういえば、阿瑶は。
     あれほど、いつも共にあった金光瑶の影がない。目をつむっても、耳を澄ませても、彼の気配は戻ってこない。
     騒々しい町の音だけが藍曦臣を取り巻いている。
    「阿瑶」
     返事はない。当然である。
     藍曦臣は静かに涙を落とした。
     失ったのだ。
     ようやく、彼を。
    「阿瑶……」
     幻影はなく、声も浮かばず、思い出せるのはかつての日々だけである。
     二人で茶を楽しんだ。花を見た。幼かった金宗主をあやしたこともあった。
     そこに江宗主がいることも多かった。
     今やありありと目に浮かぶのは彼の顔だ。
     喜怒哀楽、感情を素直 2851

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    PROGRESS続長編曦澄10
    あなたに言えなかったことがある
     魏無羨は結局、藍曦臣からの伝言とやらを口に出さなかった。尋ねても、「同じようなことは伝えた」の一点張りである。
     江澄は聞き出すことを早々に諦めた。片付けを終えて私室に戻る、その途中で行き先を変えた。
     泊まる者のいない客坊は、当然なら静かである。闇に沈む室内を見回しても、誰かの名残は見当たらない。
     藍曦臣の滞在中、彼はいつも江澄の私室にいた。茶を楽しみ、楽を合わせ、碁を打った。
     それでも、ここは彼が使っていた部屋である。
     江澄は暗闇の中を進み、牀榻に腰掛けた。
     藍曦臣はここで何を思っていたのだろうか。
     彼が幸福を味わっていたとは思えない。魏無羨を遣いに出すくらいである。江澄の気持ちはすでに気取られているのではないだろうか。
     ふいに窓からぼんやりとした光が入った。細い月が山の端から顔を出している。
     江澄はごろりと寝転がった。
     聞きたいことがある。あの夜、藍曦臣が残した言葉の意味がいまだに理解できていない。
     いったい何に対しての礼を言われたのか。
     藍曦臣は微笑んでいたのに、悲しげだった。
     苦しめたいわけでも、悲しませたいわけでもない。
     魏無羨の言った「別れたいの 1909