〔28〕スパンダム受け【2022年8月23日〜9月17日】2022年8月23日〜9月17日
二周目スパンダム的なお話
おとなしく生きようと思うスパンダム
スパンダムの年齢はまだ若い
クザスパのつもりはないけれどそういう風に見える時もあるかもしれない
ネロスパのつもりはないけれど、スパンダムがネロを特別扱いしている
ルチスパには見えにくいけれど、ロブ・ルッチが嫉妬している風な時が稀にあるのでルチスパ風
※【RED・映画の内容】も入っています
人生二周目的な話なので『前回』とは一周目の本編の事だと思って下さい
中途半端に終わりますが、完成しないのでもう載せます⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
2周目スパンダム
媚は売る、よいしょする、人脈は作るけれど狡猾な事は控えたスパンダム
親の七光りと言われないよう試験も出世も順当に進めて来た。
父親はCP9の長官で現場にも出ている実力者、自分がCP9の長官だった時は戦闘能力・道力が10に満たない象剣頼りの司令長官だった。
CP9の長官の座はずっと父親に任せてスパンダム自身はCPの一主管の座に収まっておこうと思った。
責任は自分の管轄内のみ
グアンハオへの訪問も別の者に任せ関わらなかった。
CP9長官に用件がある時は電伝虫越しで、CP9諜報部員とは接触しないようにしていた。
いずれCP9諜報部員になるロブ・ルッチが13で起こした事件の時にも関わりを持たなかった。
以前はCP9長官の父親に、処分するのは勿体無いきっとCPの役に立つと口利きをしたが、今回の人生では関わるつもりはなかった。
グアンハオで育てた優秀な人材、CPの役に立つ人材だと政府はロブ・ルッチを処分しなかった。
スパンダムが居なくても元々ロブ・ルッチは処分を免れる事が出来たのだ、出来るのだと知れた。
ロブ・ルッチはCP9の諜報部員になったと父親から聞いた。
スパンダムは興味を示さないふりをした。
CP9長官のスパンダインは次期長官の地位を息子に譲りたいと考えているので、CP9の諜報部員と息子に接点を持たせようと長官室までスパンダムを呼び出すがスパンダムはいつも電伝虫か代理人で事を済ませていた。
スパンダインがスパンダムの元にロブ・ルッチを使いに出した時にも代理に対応させた。
CP9との接触を極力ゼロにしたかった。
「何故そうまでして避けるのですか?」
突然の声にスパンダムはうわあぁぁぁ!!?と驚いた。
ロブ・ルッチがそこに居た。
何で接触してくるんだよとスパンダムは内心悪態をついた。
ロブ・ルッチと顔を合わさないように「関わる必要がないからですかね」と返答だけした。
接点も会話も不必要だ
「いずれCP9長官になるのですよね?」
「なりません」
「スパンダイン長官がいずれ貴方を長官にするから会って欲しいと言っていましたが」
「父のただの願望ですね。私にそのような実力はありませんので。CP9の方々との縁は必要ありません」
「彼方此方で人脈を作っていると聞き及んでおりますがCP9諜報部員との人脈は必要ないのですか?」
「えぇ、事足りております」
まだ髪もそんなに伸びていない頃のロブ・ルッチ
背もそこまで伸びていない、まだ成長段階のロブ・ルッチ
髭も生えていない
スパンダムは関わりたくないと強く思った。
CP9と関わらなければ別の未来に繋がるのだ
あの未来はもう要らない
避けたかった。
久し振りの実家への帰省
道中で部下(諜報部員)から連絡が入り父スパンダインも同時期に帰省する予定を立てているようだと情報を得た。
父親が同時期に帰宅するのは構わないが、もし護衛にCP9諜報部員を連れて来ていたりしたら堪らないと思った。
使用人に連絡を入れて様子を尋ねると付き添いで護衛の者が来ていると知れた。
助かった。
都合がつかなくなったので帰宅は延期すると使用人に告げて帰省を取り止めた。
さてどうしたものか
帰省期間の予定の休暇日数分を何処で過ごそうかと考えた。
帰宅経路の道中を海軍の船に乗せて貰っていた。
ちょっとしたコネでついでに乗せて貰っている
ちょっとした手伝いをすれば他の船員も嫌な顔せずスパンダムが乗っている事を承諾してくれた。
道中で海を凍らせ氷の上を自転車に乗って進む青キジことクザンと遭遇し、乗せてちょうだいよと言って来たクザンも船に乗る事になったらしい。
「あれれ、スパンダムじゃない」
「こんにちは、クザンさん。ご無沙汰しております」
「その荷物の量、帰省中って感じ?」
「その予定だったのですが、帰省は取り止めまして、何処に行こうかと考えていたところです」
「ふーん。なら俺と来るか?」
「お仕事の邪魔になるでしょうから⋯⋯」
「あ〜有給休暇溜まってるの使うからさ、何処か旅行に行こうか?」
ふたりで旅行に行くほど親密な関係ではなかったが、政府関係者が護衛もつれずに彼方此方へ行くよりもクザンが一緒に居てくれる方が身の安全は少しは保証される
父親がクザンと一緒に仕事をした事がある縁でスパンダムは昔からクザンの事は知っていた。
スパンダムはクザンと一緒に旅行する事にした。
この旅行でクザンとのコネが少しアップするかもしれない
もうバスターコールの権限なんて欲しがらないけれど、クザンとの縁はあった方が良い
例えそれが海軍元帥の座を賭けて戦い敗れるとしても、その時まではこの縁を大切に利用していきたいと思った。
クザンは海軍の船にある電伝虫を借りて海軍本部に連絡をして有給休暇をとった。
相手側の承諾を得ずにクザンは電伝虫の受話器を置いた。
スパンダムは少し汗をかいていた。
後から自分に皺寄せが来たらどうしようと⋯⋯
「大丈夫大丈夫」
それが分かったのかクザンはスパンダムにそう言った。
ふたりは船を降りた。
クザンは海軍の船に自転車を預けてスパンダムと旅行に出掛けた。
スパンダムの重たい荷物も自転車と一緒に預けて軽装の気のみ気のままの旅行が始まった。
クザンとの旅の途中
スパンダムはある物を見付けた。
悪魔の実だ
それもネコネコの実モデル豹(レオパルド)だ
見間違う筈がない
前回の人生でスパンダムがロブ・ルッチに与えた悪魔の実だ
入手経路は違うが今手に入れないともう入手出来なくなるとスパンダムは思った。
今直ぐに手に入れないとロブ・ルッチはレオパルドになる能力を得られない
これは政府にとって大きな損失だ
「これが気になるのか?」
スパンダムが先程からじっと見ている悪魔の実にクザンも注目した。
「クザンさん、予定が入りました。少し別行動しましょう」
「買うの?1億ベリーだよ。当てはあるの?」
スパンダムはクザンと別行動を取ろうとしたが「いいよ、一緒に居てやるから好きな事しな」と言ったので思い浮かべた計画を進めた。
スパンダムは実家に連絡を入れた。
「親父、ロブ・ルッチを◯◯に寄越してくれ。来る来ないは本人の自由だ」
スパンダインはやっと倅がロブ・ルッチと接点を持とうとしているので護衛に連れて来たロブ・ルッチを急遽◯◯に向かわせた。
スパンダムはロブ・ルッチと合流すると手配書を数枚手渡した。
「今この島に潜伏中の犯罪者だ。生死は問わない。捕まえろ。これは任務じゃない。懸賞金は自分の物になる。やるかやらないかはお前の自由だ」
スパンダムが情報収集して罪人の拠点は把握している
ロブ・ルッチはただその罪人を捕らえるか殺すかだった。
ロブ・ルッチは罪人を捕らえた。
罪人は懸賞金に換金された。
スパンダムは金を全てロブ・ルッチに持たせ「あの悪魔の実を買って食え。食うか食わないかはお前の自由だ」ロブ・ルッチに自分で手に入れた金で悪魔の実を買わせて自分の意思で食べさせた。
ロブ・ルッチが悪魔の実を食べたのを見届けると「お前は自分で手に入れて自分で食べた。おれは関係無い」スパンダムはロブ・ルッチとの繋がりは今も無いと言いたかった。
ロブ・ルッチは悪魔の実を食べてレオパルドの能力を手に入れた。
スパンダインの元には悪魔の実を食べて更に強くなった殺戮兵器が戻って来た。
スパンダムには必要のないロブ・ルッチが
「要件は終わりだ。戻っていいぞ」
「帰省されるはずではなかったのですか?」
「おれたち今旅行中なの」
スパンダムがロブ・ルッチと合流する辺りで姿を消していたクザンが戻って来た。
クザンがスパンダムの肩に手を置くとロブ・ルッチの眉が少し上がった。
クザンはそれを面白がっている
「仕事の目処がつかなかったと聞いていますが」
「おれとお前は何の縁もない。休暇をどう過ごそうがおれの勝手だ。必要以上に関わるな」
スパンダムは自分からロブ・ルッチにネコネコの実モデル豹を食べるように働かせはしたが、これ以上はロブ・ルッチと関わりを持つつもりはなかった。
CP主管が呼ばれグアンハオ出身者が各部署に割り振られる事になった。
カクとカリファが居た。
カリファはスパンダインと同僚のラスキーの娘だったが、スパンダムはこの人生ではラスキーとの接触も控えていたので娘のカリファとは接点のない人生を送っていた。
グアンハオに訪問しなかったのでカクとの接触もゼロだった。
スパンダムはその中に居たネロを選んだ
前の人生でロブ・ルッチに始末されてしまったCP9四式使いのネロだ
四式使えるネロが入って戦力が強化された。
「CP9に入りたかったか?あそこは六式使えるようになってからにしておけ」
スパンダムはネロをそばにおいた。
ネロは剃も使えるのでとても仕事の役に立った。
スパンダインが古代兵器の話を五老星に持ちかけてスパンダムが前にした事と同じ事をしていた。
麦わらの一味がエニエス・ロビーに攻め込んで来た。
「てめぇスパンダ」
カティ・フラムに絡まれたスパンダム
スパンダ違いだ
マスク無しの生活をしていたスパンダムの顔を殴られ、またマスク生活にされてしまうと思った。
ニコ・ロビンを連れて英雄への道を目指すスパンダイン
エニエス・ロビーでカティ・フラムに人質にされたスパンダム
「親父、おれの事はいいから自分の仕事を全うしろ!!」
「てめぇスパンダJr.!!」
スパンダムはカティ・フラムに拳を振り上げられて顔を庇うように腕を前に出してヒィッと悲鳴をあげた。
「シャウ!!」と現れたネロが助けに来る
前回と違いカティ・フラムとの接点はこれが初めてだった。
ネロは負傷しながらもカティ・フラムの手からスパンダムを救い出した。
事を順調に運んでいたが麦わらの一味に押され始めて、ロブ・ルッチが敗れてしまうと、スパンダインは此処で麦わらの一味を仕留めておく為にエニエス・ロビーに居る職員に退避命令を出し、バスターコールを発令した。
軍艦から砲撃の雨が降り注ぎスパンダムは負傷したネロに助けられながらエニエス・ロビーから脱出した。
スパンダムは既視感に目眩がしそうだった。
スパンダインは麦わらの一味の攻撃やバスターコールの砲撃で負傷し入院した。
CP9の諜報部員たちも手当てされるだけで済む者もいれば入院する者もいた。
スパンダムはカティ・フラムに暴行を受けたがネロのお陰で軽傷で済み、手当てして包帯を巻く程度で、マスク生活は免れた。
ネロはカティ・フラムとの戦いで負傷して入院した。
スパンダムはエニエス・ロビーで後処理に追われながらも父親とネロの見舞いには足繁く通った。
スパンダインがロブ・ルッチの様子も見て来て欲しいと言うが、捕まえた医師に容態を聞くだけでスパンダムはロブ・ルッチの病室には行きはしなかった。
ネロが退院する日が決まるとスパンダムは迎えに行った。
主管としてまた一緒に仕事を再開しようと思っていたがスパンダムに昇進の話が出て来て急遽異動が決まった。
スパンダインが降格され、何故かスパンダムが押し上げられてCP9長官の席に就く事になった。
スパンダムは断ったけれど拒否権が無かった。
スパンダインもスパンダムが後を継いだので降格を受け入れた。
スパンダムは補佐としてネロを一緒に連れて行った。
「CP9には六式使えてこそ超人という考えがあるようだが、このネロは四式使いだ。だが、おれの有能な右腕だ。おれが最も信頼を置いている部下だ」
今度は勝手に始末されないように釘を刺した。
「椅子かたっ⋯⋯」
以前はよくこんな椅子に座っていたものだと思いながらスパンダムはあの石造りの椅子にクッションを敷き詰めて座った。
隣に椅子を置いてネロも座らせる
以前ならロブ・ルッチをそばで立たせっぱなしだった。
スパンダムは否応ながらCP9司令長官の席に着いたが、CP9諜報部員に適材適所の仕事を割り振る事が出来ていると諜報部員内では密かに囁かれていた。
スパンダインから個人情報を引き継いだのだろうとも囁かれていた。
CP9諜報部員の個人情報など既に頭に入っているスパンダムにはスパンダインから情報を得る事などはしていなかった。
スパンダムが気になるのはロブ・ルッチがよくネロを敵視している事だった。
スパンダインが長官をしていた時のようにCP9司令長官の右腕になりたかったのだろうかとスパンダムは考えながら、ネロは守ると思っていた。
「ネロも悪魔の実が欲しかったらおれに言うんだぞ。見つけて来てやるからな」
数年前は金が無かったが、今なら金を出す事が出来るし、前の人生の時のようにコネで悪魔の実を譲って貰う事も出来る
「食べるならどれが良い?ゾオン、ロギア、パラミシア、悪魔の実図鑑ってのを見たらどれがどの実か分かるらしい」
この人生、スパンダムはロブ・ルッチにネコネコの実モデル豹(レオパルド)を食べるように促しはしたが、カクとカリファに悪魔の実を与えたのはスパンダインだった。
スパンダムの元にカクとロブ・ルッチにCP-0への異動の話が来た。
スパンダムは喜んでカクとロブ・ルッチにその話を持って行った。
ロブ・ルッチのそばに居るのは気が疲れるのだ
またやらかして命を狙われる事になるかもしれない
その前に離れたかった。
「我々が抜けるとCP9の戦力が下がるのではないですか?」
そう問うロブ・ルッチに「上からの指令だぞ?断れると思うのか?おれだって力不足は自他共に認めているのに長官なんて役職を与えられたんだぞ?」戻れるものなら元の主管の席に戻りたい
「尚更我々が、いえ、私がそばに居た方が宜しいのではないですか?」
「此処の諜報部員は皆優秀だからな。ジャブラさん、クマドリさん、フクロウさんの三人しか居なかった時でもちゃんと回っていたみたいだから大丈夫でしょう。指令に従ってCP-0への異動の準備をしておいて下さい」
スパンダムは崩しそうになる言葉を直しながら他人行儀に話すように努めていた。
決して距離を縮めたり馴れ馴れしい扱いをしたりしないように
「ネロ、先輩方に扱かれてないか?無事か?何かあったら直ぐに言うんだぞ?おれの権限で前の部署に戻してやるからな」
スパンダムは他の諜報部員とはいつまでも他人行儀だったが、一緒に連れて来たネロには親しげに声を掛け、保護者のように世話を焼いていた。
「しゃー、大丈夫っすよ、スパンダムさん」
ネロは指銃を習得出来なかったと以前言っていたので講師として偶にジャブラに訓練をして貰っていた。
「ジャブラさん、頼みがあるのですが」と腰を低くしてスパンダムがネロを連れて頼みに来たのでジャブラはスパンダムの小物臭に呆れながらもネロの指導を引き受けてくれた。
訓練中のネロの様子もちらちらと観に来ていたのでジャブラがスパンダムの姿を見かける事が多くなった。
「うちのネロの訓練を引き受けてくれて、ジャブラさんは良い人ですよね」と給仕からコーヒーを受け取りながらジャブラを売り込んでいく
スパンダムなりにジャブラへの恩返しのつもりだった。
フクロウからジャブラがこの給仕に気がある事は聞くつもりもないが聞いていたので
CP9諜報部員としての最後の任務でロブ・ルッチはネロを始末して来た。
「奴は弱すぎて使えませんでした」
「CP9の仕事は奴には荷が重かったようで」
「六式揃ってこその超人(CP9)ですから」
ロブ・ルッチが任務の成功の報告とネロが任務中に死んだ報告をするとスパンダムは泣き始めた。
「お前と一緒なら大丈夫だと思ったおれの采配ミスでネロを死なせてしまった」
「⋯⋯CP9にはまだ主力が残っていますので御安心を」
一部下が死んで泣くほどの人間だとは思っていなかった上官が涙を流すのでロブ・ルッチは内心驚き上官の中でのネロの存在の大きさに苦々しい気持ちになった。
ネロがそばに居なくなったスパンダムはいつも背後が気になった。
ネロがいつも守ってくれていた。
ロブ・ルッチとカクをCP-0に送り出し、カリファとブルーノにも声がかかったので送り出した。
スパンダインがウォーターセブンに潜入させていた時代の面子に戻ったCP9
スパンダムの後ろにはジャブラが立っていたが到底身を預ける気にはなれなかった。
そんな気持ちにはなれなかった。
信頼度が足りない
それはロブ・ルッチであっても同じだった。
彼等だからこそ逆に命の危機さえ感じた。
自分たちが妥当だと思う長官が来るまで殺して回りそうな連中の気すらした。
スパンダムはネロを失い心にぽっかりと穴が空いた。
この先を見通せた人生
知ったところまで追い付いた。
もう先など知らない
心の支えのネロまで失いスパンダムは不安で堪らなかった。
スパンダムは世界政府全軍総帥の元に行った。
ひとりの部下を亡くした。それだけで心が不安定になるような自分にCP9長官の役目は務まらない。後任を構えて欲しいと
総帥はスパンダムの疲れ切った様子を見て承諾した。
スパンダムはCP9司令長官から解任された。そしてスパンダムの身はスパンダムの知らぬところで行われた定例会議でCP-0総監が諜報員として引き取ると申し出たので、スパンダムはCP-0諜報員の職務に就く事になった。
スパンダムはその知らせを受けて、前と同じようにCP-0諜報員に軌道修正されてしまった自分の選択ミスを呪った。
またロブ・ルッチの部下にならなくてはいけなくなった。それならばCP9司令長官でいた方が幾分かマシだった。
「まだ奴の死を引き摺ってるのか。おれの部下になったからにはシャキッとしろ」
CP-0で総監になっていたロブ・ルッチそう叱咤され背筋を伸ばしたスパンダム
だがネロの話を持ち出されてまた涙が溢れ出て来た。
今回の人生ではロブ・ルッチやカクやカリファやブルーノには恨まれないように接して来たつもりだが、力不足で足手纏いだという事には変わりはなかった。
総監から対能力者用の海楼石を使った武器を手渡された。
能力者と違い持ち手も全て海楼石で出来ていて能力者から迂闊に取り上げられる事も無いだろうと告げられた。
ロブ・ルッチはCP-0の待機部屋で象剣をファンクフリードの象の姿にしておく事を許可した。スパンダムの心がそれで少しでも癒せればと⋯⋯
前の人生では総監のロブ・ルッチはそれを許さなかった。
※【RED・映画の内容含みます】
縋るものの無くなったスパンダムの耳に音楽が入り込んで来た。誰かの歌声だった。その歌はスパンダムの疲れた心を少し癒そうとしていた。
CP-0総監は五老星の元に呼ばれ、カリファとブルーノも新たな任務に着いた。
他の者は待機で、スパンダムは力不足なのでその任務には関わっていなかった。
しかしスパンダムは事の全容を知らないので偶に癒されていた歌声の主の何処からでも観られるという配信を観てしまっていた。そして心が吸い込まれて、身体は眠り精神が歌声の主の作った世界に連れて行かれてしまった。その歌声の主は悪魔の実の能力者だった。
音声を消して配信映像だけを観ていたカクたちは客席の中にスパンダムの姿を見付け、本人の元に駆け付け眠り続けるスパンダムの姿を確認し総監に電伝虫で報告した。
スパンダムは能力者によって作り出された空間に来てしまい最初は戸惑ったが夢でも観ているのかと判断した。なんでも欲しいものが出て来ると言われてスパンダムが望んだのは亡くしてしまったネロの存在だった。
能力者の作り出した空間ではその望みも叶いスパンダムの元にネロの姿が現れた。スパンダムはもう歌声よりもネロの存在に夢中になっていた。
能力者がスパンダムをパンダのぬいぐるみにしてしまうまではスパンダムは幸せな時を過ごせていた。それと同時にネロの姿が消えてしまうとスパンダムは正気に戻った。観客は次々と姿を変えられていた。
現実世界と能力者に閉じ込められた世界の海軍、政府、海賊が力を合わせて能力者が呼び出した魔王を倒し、スパンダムは元の身体で目を覚ました。
カクはスパンダムが目覚めた事を総監に報告し、事が解決した事が確認された。
「⋯⋯ネロは」
ネロの居ない現実にスパンダムはまた戻って来た。
ロブ・ルッチはネロを始末した事でスパンダムを此処まで追い詰める事になるとは予想していなかった。ネロへの執着が自分に向けば良いとすら考えていた。しかし事はそう簡単ではなかった。例えるならば、スパンダムは一途な未亡人で再婚などする気が無いといった様子か⋯⋯
「おれがいる」
そうスパンダムの手を取った時に「お前が殺したんだろう」と言われた事があった。スパンダムは前の人生でネロがロブ・ルッチに殺された事を知っている。また任務に乗じて殺されてしまったのだと憶測だが、そう思っている
その時点でスパンダムがロブ・ルッチに心を開く筈が無かった。
「⋯⋯ネロの記憶が邪魔だ。奴だけの記憶を抜ける能力者とかいないのか?」
「記憶操作の能力者か?」
備考
此処で詰みました⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
ネロを連れ歩くスパンダムに嫉妬しているのでちょっとルチスパ?( ◜𖥦◝ )
ネロはCP9初期面ではないのでスパンダムが直々に選んで来た諜報部員だろうから特別思い入れがあっても⋯⋯
*******************