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    oniku_daisuki_m

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    フォ学のネカ。(ファ目線)
    ネカっつーより、ネがうじうじしてるだけの話。

    ネロ・ターナーは数少ない僕の友人のひとりだ。
    元不良校だということで最初は警戒していたが、勉強を頑張りたいという気持ちは本当のようで、先生代わりのようなことを頼まれてから仲良くなった。少し軽薄な部分もあるが、程よい距離感を保ちながら接してくれる気配りのできる男だ。
    が、最近発覚した問題がある。
    恋人に関することに対しては、かなり面倒臭いタイプだ。

    「俺、振られるかも…」
    「なんだ、唐突に」

    目の前で大きな溜息を吐きながら、頭を抱えて机に突っ伏した。明らかな構ってくれオーラを出されて、こちらもリアクションを取らざるをえない。

    「カインとの関係は良好じゃないのか。この前だって、聞いてもいないのに勝手に惚気けてきたじゃないか」
    「いつ?俺、惚気けてた?」

    カインとお揃いで買ったというストラップをみせびらかしてきたじゃないか。まさか惚気ている自覚が本人に無かったことに驚いた。真に浮かれている人間は、そんなことにも気づけなくなるものなのかもしれない。

    「何かあったのか?」
    「俺、見ちゃってさぁ……」

    もぞ、と青灰色の頭が動く。芋虫みたいだ。カインはネロのこんな姿を見てどう思うのだろうか。まぁ、こんな姿はカインの方が散々みている可能性は高いか。

    「昨日、カインがブラッドリーとデートしてんの見ちゃってぇ…」

    はぁ、とまた大きな溜息が吐き出された。溜息をつきたいのはこちらの方だ。
    ブラッドリーはネロの友人だ。不良校時代からの付き合いらしい。らしい、というのは、僕自身はブラッドリーとの接点が無く噂話でしか聞いたことがないからだ。ネロの友人を悪く言うのは心苦しいが、素行もあまり良くなく少し警戒している。

    「君の勘違いじゃないか?」
    「いや、あれは絶対デート!わざわざ日曜日に二人きりで買い物行って、でっけぇ袋抱えて、そんでにっこにこでカフェで飯くってんだよ!?」

    なんでそんなに詳細な内容を知ってるんだ。まさか、ストーキングしたわけじゃあるまいな。
    出かけた言葉を飲み込んだ。そこに関しての説教をしたいのは山々だが、話が絶対に長くなる。芋虫ネロに長時間付き合う気は無い。

    「友人同士で遊ぶくらい、よくある話じゃないか」
    「いや、俺にはわかる、そういうんじゃない雰囲気だった。相手はあのブラッドリーだし…」

    なんか俺といるより楽しそうだった、あの距離感は友人を超えている、うんぬんかんぬん。
    ネロは何かとブラッドリーのことを気にする。僕にはよくわからないが、昔から親しいからこその憧れや嫉妬があるみたいだ。ブラッドリーが絡むとネロはとてつもなく面倒臭くなる。それが恋人関係となると、尚更だ。
    そろそろ芋虫状態のネロに付き合うのも疲れてきた。勉強を再開したい。ふぅ、と息を吸い込んでネロへと声をかける。

    「ネロ。君、カインのことをどう思ってるんだ」
    「どうって」
    「好きなんじゃないのか」
    「っす、も、もちろん」
    「だったら少しは信用したらどうなんだ」
    「……」

    伏せられていたネロの顔が上がって、こちらを見つめて黙り込んだ。
    よし終わりだ、僕がするのはここまで。あとはネロ自身がなんとかするだろう。そうでなくては困る。器用なタイプなのに、なぜ恋人に対しては上手く立ち回れないのだろうか。恋愛とはそういうものなのだろうか。

    「ネロ、こんなところに居たのか!」
    「え、カイン!?」

    ガラッと勢いよく図書室の扉が開いて、ついさっきまで話題に上がっていた相手が突然現れた。相変わらず、存在が眩しい男だなと思う。ネロを見つけた瞬間に、さらにパッと顔が輝いた。

    「教室に居ないから探し…あっ、ファウストも居たのか。すまない、邪魔したか?」
    「いや、むしろ助かったよ。この芋虫をひきとってくれないか?」
    「いもむし?」
    「ちょ、せんせ」

    ネロが急に焦りだして、席を立ち背筋を伸ばしてカインに向き合った。今更取り繕っても、かっこ悪いのはバレているだろうに。

    「俺になんか用だった?」
    「ああ、渡したいものがあって。はい、プレゼント!おめでとう!」

    ブランドのロゴがデザインされた袋を、カインがネロへと手渡した。プレゼント。目の前で巻き起こる光景に、今日の日付を思い出した。なるほど。

    「え?」
    「ん?ネロ、誕生日だよな?違ったか?」
    「え、あ、いや!そう、誕生日!」

    本気で自分の誕生日を忘れていたらしい。手渡された袋を眺めて、呆然としている。

    「直接祝いたかったから、わざとメッセージ送らなかったんだけど」
    「そ、そうなんだ…あのさ、これって」
    「ネロ、ここのブランドの靴が好きなんだろ?」
    「…もしかして、ブラッドリーに聞いた?」
    「うわ、バレてたのか。ネロをびっくりさせたかったのに」
    「いや、めちゃくちゃ驚いてはいるんだけど」

    にこにこと微笑むカインの姿に、ネロの顔がみるみるうちに安堵で柔らかくなっていく。ほら、君の勘違いじゃないか。

    「君たち、ここは図書室だぞ。静かにしてくれないか」
    「「はいッ!」」

    僕の言葉に、カインもネロも同時に背筋を伸ばして返事をした。へらへらと浮かれた様子のネロは、プレゼントを抱えてそそくさとカインと一緒に図書室を後にした。
    明日はもらったばかりの靴の自慢話を聞くことになりそうだ。芋虫の相手をするよりかはマシかもしれない。落ち着いて勉強できる今のうちに、と途中だった課題へと手をつけた。
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    はんどる

    DONEぽいぴくお試しかつ短めのネロカイ小説
    子ども扱いしてるんだったら付き合えないよね。みたいな発想からできたお話
    ネロカイが付き合うだけ
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    「ああ、騎士さん。ってまたその様子だと、誰かにからかわれでもしたか?」
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    はんどる

    DOODLE現パロ ラーメン屋の店員のネロと会社勤めのカインのカプ要素薄めのネロカイ ネタだけあったので気晴らしに書いた
    現パロネロカイ小話カインは人が大好きで、基本的に誰とでもうまくやれる。たくさんの人とかかわっているうちに、カインは相手が自分のことをどう思っているのか、なんとなく感じることができるようになった。そして、ありがたいことにカインは自分のことが好きだと思ってくれている人に囲まれていた。
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