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    すずもち

    ディスガイア4、6の話を書いて置くところ

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    すずもち

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    フーカと主従
    戦闘中にフーカの帽子が燃えて無くなったことに閣下が真っ先に気がつく話
    ちょっと設定ねつ造気味

    #ディスガイア4
    disgaea4

    人間から見たら悪魔は大体ツンデレ目の前でキラリと光が瞬いたと思った瞬間、爆音と共に業火が襲いかかってくる。肌に触れる火は熱く、周りの酸素が奪われて息が詰まる。どこまでもリアルな情景と感覚。けれどアタシはこれが夢だと知っているから何も怖くはない。
    「もうあっつーい!服を焦がす気!?」
    強く握ったバットを大きく振って、炎と煙を追い払う。そして地面を蹴って一直線上にいる魔法使いを目がけてフルスイング。炎の中から敵が現れるとは思わなかったのかドクロ付きフードの魔法使いは慌てた様子のままフーカのバットが頭に当たってその場に倒れた。
    「乙女に向かって燃やそうとするとか、悪魔って本当信じらんないんだから」
    バットを肩に担いで、さて他に残っているかと周りを一瞥すると遠くで戦っていたヴァルバトーゼの姿が目に入る。どうやらあそこにいるのが最後らしい。ならチョコレートでも食べてのんびり待つかと思っているとすぐにフェンリッヒが加勢してあっという間に片付いてしまった。
    仕方なくポケットから出しかけたチョコレートを仕舞い直す。これは帰ってから食べればいいやと考え直して、フーカはヴァルバトーゼ達のいる方に合流しようと足を向けた。
    だがその時、何故かヴァルバトーゼが急ぎ足でフーカの方に向かってきているのが見えた。帰るゲートは反対方向なのに何でだろうと首を傾げるとヴァルバトーゼの表情が焦りを帯びているものだという事に気がつく。
    「小娘!」
    「なっ何よ!大声出して!びっくりするでしょ」
    「大声も出るわ!帽子はどうしたのだ!」
    「えっ!帽子?」
    指摘されて頭に手をやるといつも被っているプリニー帽が無い。ぽんぽんと数回頭を叩くが髪に触れるばかりで帽子はどこにもない。
    「あれ、本当だ無いじゃん」
    「どこにやったのだ!?」
    きょろきょろと辺りを見渡すが、それらしき物は落ちていなかった。するとヴァルバトーゼは無遠慮にフーカの腕を掴むと戻るぞと言って焦った様子で歩き出した。
    「え、え、ちょっとまって自分で歩くから!ってか何?そんな帽子無くしたぐらいで」
    「馬鹿者!帽子を無くしたぐらい、ではない!今のお前は申し訳程度のプリニーの皮で魂を保っている状態なのだぞ。急いで拠点に戻って代わりの帽子を被らねば最悪、魂が霧散するのだ!」
    「……それってやばくない?」
    「だからそう言ってるだろう!」
    冗談の類いには全く見えないヴァルバトーゼの様子にフーカは気圧され、急き立てられるまま拠点に通じるゲートに飛び込んだ。

    戻るや否やヴァルバトーゼから呼びつけられたニーノから代わりの帽子を貰い、被り直す。何となくだが自分の存在がちゃんと固まった感覚がした。
    「プリニーって爆発するし結構丈夫に作ってるつもりだったんだけどね。予備にいくつか渡しておこうか」
    「そうねーまたこんなことがあってヴァルっちを心配させちゃなんだし、貰っておくわ」
    お馴染みとなったプリニーの頭を模した帽子を更に余分受け取る。貰った帽子はポケットに入れるわけもいかず手で持つことにしてその場を後にした。ずっと被っていた物でも無くなるときは案外一瞬だなと思いながら手元の帽子に目をやると、ふと先ほどのヴァルバトーゼの様子が思い出された。
    離れた場所にいたのにフーカの帽子が無いことにすぐに気がついて焦った様子でいたのはフーカには珍しく映った。これは夢だけどそれだけ危ないと思ったのだろうし、それ以上に普段さっぱりしてる割には結構気に掛けてくれていたことが少し嬉しいような気がする。
    「ヴァルっちもツンデレなのねー、素直じゃないんだから」
    全く悪魔ってどうしてああも回りくどいんだか。地獄の廊下を歩きながらそう呟く。それから拠点である広場に戻るとそこにはヴァルバトーゼとフェンリッヒが連れ立って話しているのが見えた。声を掛ける前に足音で気がついたのかヴァルバトーゼが顔を上げてフーカの方を向く。そしてフーカの頭にプリニーの皮製帽子が載ってるのを見て軽く頷いた。
    「ちゃんと被っているな、もうそう簡単に無くすなよ小娘」
    「はいはい気を付けるね。でも本当にどこにやったのかしらあの帽子」
    「それならこれだ、と言っても最早跡形も残っていないが」
    そう言って持ち上げて見せたフェンリッヒの手には真っ黒い炭らしきものがあった。近づいてよくよく見るとどことなく目の形をしたものが2つ付いているようにも見える。だが到底帽子には思えない。
    「何それ?石炭かなんか?」
    「お前の被ってたプリニー帽だったものだ、恐らくあのオメガファイアを食らった時に燃えたんだろう」
    「ふむ、意外と耐火面は弱いのだな」
    「そうですね、まぁ所詮はプリニーの皮ですからそこまで性能を追求する必要がないんでしょう。小娘、プリニーの皮だってタダじゃないんだから大事に使えよ」
    「分かったって!ていうかそれアタシのせいじゃないじゃん、あの魔法使いが悪いんじゃん!もうー心配掛けて悪かったって」
    心配という言葉に反応して案の定フェンリッヒがまなじりを吊り上げる。
    「はぁ!?誰がお前のことなんか心配するんだ」
    「本当に素直じゃないんだから。大丈夫これはアタシの夢だしアタシが消えちゃうことなんて無いんだから安心してねヴァルっち、フェンリっち!」
    安心させようと自信満々にそう言うとフェンリッヒは呆気に取られた表情を浮かべる。その横でヴァルバトーゼは小さく首を傾げていた。
    「そのような心配はしておらぬが、ただ俺はプリニー教育係だからな。お前が更生するまでお前の魂が消えぬように気を配るのは当然というものだ」
    相変わらずといった調子の言葉だがそれもある一種の照れ隠しだとフーカにはすでに分かっている。主従揃ってツンデレなのねなんてフェンリッヒが聞いたら全力で否定してくるだろう感想が浮かんだ。
    「ふーん、ま、そういうことにしといてあげるわ。じゃあアタシ行くから」
    そう言ってまだ何か言いたそうなフェンリッヒを横目にフーカは自室に戻った。仕方なく被ってた帽子だけど今度からはちゃんと手入れもしようかなとフーカはプリニー帽をそっと撫でた。
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    last_of_QED

    DOODLEディスガイア4に今更ハマりました。フェンリッヒとヴァルバトーゼ閣下(フェンヴァル?執事閣下?界隈ではどう呼称しているのでしょうか)に気持ちが爆発したため、書き散らしました。【悪魔に愛はあるのか】


    口の中、歯の一本一本を舌でなぞる。舌と舌とを絡ませ、音を立てて吸ってやる。主人を、犯している?まさか。丁寧に、陶器に触れるようぬるり舌を這わせてゆく。舌先が鋭い犬歯にあたり、吸血鬼たる証に触れたようにも思えたが、この牙が人間の血を吸うことはもうないのだろう。その悲しいまでに頑なな意思が自分には変えようのないものだと思うと、歯痒く、虚しかった。

    律儀に瞼を閉じ口付けを受け入れているのは、我が主人、ヴァルバトーゼ様。暴君の名を魔界中に轟かせたそのお方だ。400年前の出来事をきっかけに魔力を失い姿形は少々退行してしまわれたが、誇り高い魂はあの頃のまま、その胸の杭のうちに秘められている。
    そんな主人と、執事として忠誠を誓った俺はいつからか、就寝前に「戯れ」るようになっていた。
    最初は眠る前の挨拶と称して手の甲に口付けを落とす程度のものであったはずだが、なし崩し的に唇と唇が触れ合うところまで漕ぎ着けた。そこまでは、我ながら惚れ惚れするほどのスピード感だったのだが。
    ……その「戯れ」がかれこれ幾月進展しないことには苦笑する他ない。月光の牙とまで呼ばれたこの俺が一体何を 3613

    last_of_QED

    MOURNING世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

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    DONEしがない愛マニアである私が原作の奥に想い描いた、ディスガイア4、風祭フーカと父親の話です。銀の弾は怪物を殺せるか?【銀の弾など必要ない】



    白衣が揺れる。頭をかいてデスクに向かうそのくたびれた男に私は恐る恐る声を掛ける。

    「パパ、お家なのにお仕事?」

    男はこちらを振り返りもしない。研究で忙しいのだろうか。それとも、私の声が届いていないのだろうか。
    父親の丸まった背中をじっと見つめる。十数秒後、その背がこわごわと伸び、首だけがわずかにこちらを向く。

    「すまん、何か言ったか?」

    この人はいつもそうだ。母が亡くなってから研究、研究、研究……。母が生きていた頃の記憶はあまりないから、最初からこんな感じだったのかもしれないけれど。それでも幼い娘の呼び掛けにきちんと応じないなんて、やはり父親としてどうかしている。

    「別に……」

    明らかに不満げな私の声に、ようやく彼は腰を上げた。

    「いつもすまんな。仕事が大詰めなんだ」

    パパのお仕事はいつも大詰めじゃない、そう言いたいのをぐっと堪え、代わりに別の問いを投げかける。

    「いつになったらフーカと遊んでくれる?」

    ハハハ、と眉を下げて笑う父は少し疲れているように見えた。すまんなあ、と小さく呟き床に胡座をかく。すまん、それがこの人の口癖だった。よう 3321