彼等次第 掠れた星空の下で、ライトアップされた桜が白く華やかに舞い散る。四人と別れた景元は通りかかった小さな橋で、そんな桜を見るともなしに眺めた。
「綺麗だな……今度、丹恒も連れてこようか」
自然とそんな独り言を口にする。きっと自分の隣に寄り添う丹恒も、口元にほんのり笑みを浮かべて桜を楽しんでくれるだろう。
先程の飲み会であんなに彼との距離に戸惑いをあらわにしていたくせに、景元はすぐにスマホを取り出し丹恒の名前を呼び出した。恋人の期待に応えられていない男が、調子のいいことだ。丹楓たちに知られたらまた非難されるだろう。自分が一番そう思っている。
メッセージアプリに何件かの新着の知らせが赤く表示されている。アプリを開く。すると、新着の名前の中に丹恒がいた。
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