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    Rui_rui624

    @Rui_rui624

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    Rui_rui624

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    🎈🌟 キングパロ👑

    ⚠️4描写グロ表現あり。 🎈の過去捏造

    ケツ叩き進捗

    UNTITLED___死神

    そう言われることも慣れてしまった。

    病で伏す者。事故で逝く者。その手で絶つ者。
    人が死ぬ原因は限られている。その中で、罪を犯した者は生き延びる権利も死に方を選ぶ権利もなく、見届け人という名の死神の手によってこの世から絶たれる。それが後に罪の無いものだと分かっても遅い。
    いつ誰が決めたのかも分からないルールに従って、裁きを与える。人は無慈悲だ。
    罰することが正義なのだろうか。上に立つ者に従うばかりの世の中が普通なのだろうか。
    恐怖から小刻みに震える者を断頭台の上へ手招く。そして、その者の膝を折らせ、"猫の出入口に"頭を突っ込ませた。
    遠くから合図が鳴る。錘を外し、先と繋がった縄から手を離した。命の重さは軽かった。
    真っ逆さまに落ちる刃が陽の光を反射して眩しい。目を開けていられない。この世の現実から目を背けたい。否、そんなことを言える立場ではない。
    グチャ、バキッと、一瞬の事だった。臭い。赤い。グロテスクな光景から生々しい感触が伝わってくる。最後に何か言いかけたようだったが、あいにくそんなことを言う暇もなかった。だが、開かれた瞳には憎悪が見える。この世の理不尽へか、または慈悲もなく手をかけた僕に対してか。
    何度やろうと、見ようとも慣れない。
    これは咎めだ。そう、僕は悪くない。
    __本当に?
    滴る赤。染み広がる赤黒い液体が足元を侵食する。
    見上げた空に色はなかった。








    【Grim Reaper's Vomiting】

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    【Dark night melancholy】

    その日はカラカラと音を立てる安い馬車に乗って、父母とともにお呼ばれした隣国へ向かっていた。父と僕は黒のフードマントに身を包み、母は一般市民に紛れるような軽い服装だ。
    馬車の小さな窓から目だけ覗かせば、変わらない黒の景色が続いている。まるで冥府へ誘われているかのようだ。
    「父上、明日には着きますか?」
    「そうだね。何もなければ朝方には着くだろうよ。」
    何気ない息子の問いに、父は"何もなければ"を強調して答えた。いろいろと察した僕は、それ以上何も言うことなく静かに窓から離れて座り直した。
    父は、王様直々にご指名された医者である。街の小さな病院を営んでいた一般市民だったが、人から人へ評判を呼び、僕が物心つく少し前に王宮入りしたそうだ。母と僕との暮らしも大事にしたいと父がお願いをすると王様は快くその願いを受け入れ、王宮近くに薬の調合部屋を完備した一軒家を建ててくれた。僕らはそこに住まう3人家族だ。
    医者の息子とあって、僕はそれなりに勉学を嗜んでいた。知識が増えていくことは楽しい。同い歳の子からは奇異な目で見られるが。別に特別おかしいことはしていない。ただ、僕とその子たちの中で楽しいと思うことが違うだけで、人それぞれだろう。だから僕は何を言われようと平気だ。…遊ぶ友達がいないのは少しだけ寂しいけれど。
    そんな僕には、勉強よりも楽しくて、やりがいを感じるものがある。それは、父のお手伝いだ。と言っても直接お手伝いをするわけではなく、そこで働く薬剤師さんから話を聞いたり簡単な薬の調合を教えてもらったり、はたまたやってくる患者さんから世間話を聞いて診療までの時間を退屈させないようにしたりと幼い僕ができることを自分なりに考えて行動している。最初は良いように思わなかった父も間接的に、邪魔にならないようにするのであればと許してくれた。そんな僕の働きは、患者さんたちやそこで働く看護師さんたちから良い評価を貰えてると思う。帰り際にお菓子やおもちゃをくれる人も少なくないし、「君が一生懸命働いている姿を見て、私もまだまだだなぁと思うよ。元気を分け与えてくれてありがとう。」と僕の頭を撫でながら前向きな言葉をたくさんかけてくれる。
    学校では孤立気味な僕でも父の仕事場では輝く。僕よりはるかに年上の人達が多い中、普通なら気が引けるだろうけど僕にとっては最大限自分を出せる唯一の場所だ。図鑑をもって生態説明しても誰も嫌悪しない。「物知りだね。いつかはお父さんに並ぶお医者さんになれるだろうね。」と褒めてくれるのだ。ただ、僕はお医者さんよりも工学の方に興味があるのだけれど。それでも未知数なことをつきとめたい探究心は何であろうと抑えられないものだ。
     ある日、とても綺麗な黄金色にピンクのグラデーションかかった髪を2つ結びにした小さな女の子が母親と思われる人と一緒に僕らの診療所にやってきた。彼女は苦しそうに背中を丸めながら母親の手を強く握って立っている。呼吸が整っていないことは誰が見てもわかるくらいだ。
     僕は近くのソファに座わらせてあげようと声をかけた。けれど、彼女は掠れた声で「ママ…ママ…」と呟いて母親から離れない。歳が近いように感じたからなのか、身体が弱い時、無性に母親にすがりついてしまう気持ちが痛いほど伝わった。他人が手を貸しても不安になるだけだろうと僕はその場から2歩ほど離れて見守ることにした。
     受付を終えた母親が彼女に向き直った。ほんの少しの時間だったが、やっとこちらを向いてくれたと彼女は頬を弛めてだっこをせがんだ。母親は申し訳ないように眉を下げながら彼女の脇に手を伸ばす。途端、目の前で黄金色の髪が舞った。スローモーションのように小さな身体が後ろへ倒れていく。
     「危ない!」
     僕は、倒れゆく彼女を受け止めようと咄嗟に手を伸ばした。立つのもやっとな彼女からなぜ離れてしまったのか。数分前の自分に後悔しながら彼女の身体が重力に身を任せて床に打ち付けないように1歩、2歩大きく踏み出して小さなその身体を抱き留める。彼女は子供体温にしては熱いと感じた。本来シルクのように滑らかだろう髪は汗のせいで湿っていた。
    急な出来事に母親だけでなく周りにいた他の患者さんたちも悲鳴を上げる。その場は一瞬にしてパニックになり、電線のようにそれは伝わっていく。心臓を抑える人、過呼吸を起こす人、そしてこの状況を何とかしようと多くの看護師が慌てて動き出す。僕のお父さんもすぐにやって来た。
    「類。」
    「父上!あの、この子が急に…!」
    「落ち着け、類。お前の混乱が彼女に伝わってしまう。冷静になれ。」
    父のその言葉に僕は深く呼吸する。肺いっぱいに溜めた酸素をゆっくりと吐き出せば、頭だけでなく視界もはっきりとした。僕の落ち着く様子をみて父は「よし。」と頭を撫でる。こんな状況でも普段通りな父を僕は尊敬する。
    先程よりも苦しそうな彼女を父に預ける。数人の看護師と医師を連れて父は救急救命室に向かった。どうか彼女が無事でありますようにと僕は祈ることしかできなかった。
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    だから、僕らもショーを披露しようと休み前から計画を立てていた。

    「なんていったって客がたくさん来るんだ! 未来のスターたるこのオレが、みんなを笑顔にしないで誰がするー!?」
    「お~! いいぞー、司くーん!! みんながキラキラの笑顔に…わんだほいだね!!」
    「フフ、楽しそうだねぇ。そしたら後ろの方のお客さんにも見えるように、いつもよりも派手に爆発させて…」
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