どえす(って書いてあった)「やっとかよ」
繋がった部屋のドアを、タイジュがゆっくりと押し開ける。
「……ハナビくん、あの……ほ、本当に……するんですか……?」
「しかねぇだろ」
吐き捨てるように言うと、はめ殺しになっている一面ガラス張りの窓へと顔を向けた。キングサイズのベッドに腰掛け、ハナビは並べられた真っ赤なクッションをひとつポンと放る。真っ白な絨毯が敷かれた床に転がるそれを目で追い、タイジュはドアを後ろ手で閉めた。
「でも……」
「どうしたって見られてんだからヤるしかないんじゃねえの?」
ハナビはバスローブの腰紐に右手の親指を差し込み、ぐいっと引いてみる。緩く結ばれていた腰紐はハナビの正面でくるりと解け、ベッドへと落ちる。
「つーか、タイジュも耐えられなくなったから来たんだろ?」
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