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    夏月@kzntki0629

    @kzntki0629

    JBのししさめに嵌った。沼が深くて幸せ。

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    夏月@kzntki0629

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    あなたを好きだという事はただの事実、くらいの村雨さんが好きです。

    #ししさめ
    lionTurtledove

    理由はいらない「獅子神」
    名前を呼ばれて、次の瞬間、俺の唇が奪われた。突然のことで思考が一瞬止まり、キスをされたと理解したのは一瞬遅れてからだった。
    「な、んだよ、いきなり」
    「なんだ、とはどういう意味だ?」
    「どういう意味って……急にオレにキスした理由に決まってんだろ」
    そう尋ねると、村雨はこちらをからかうようにニヤリと笑った。
    「あなたは見た目に似合わず純情だな。キスくらいで動揺するのか」
    「純情じゃねぇわ! 普通にビビっただけだっつの!」
    今まで、村雨からキスをされたことなんてなかった。初めてキスをした時だって、村雨は小さくこんなものか、と呟いて二回目を要求したほどだ。
    それから何回かキスをして、その度に村雨は二度目、三度目を要求するからキス自体が嫌ではないとは知っているが、だからと言って村雨からキスをしてくるなんて想像もしていなかった。だから、少し……結構、かなり、ビックリしただけだ。
    そう告げると呆れたように、自慢げに口にすることではないと思うがな、と言うから何も反論できずに口を閉ざす。自分でもそれは十分分かっている。
    村雨はそんなオレに一歩分距離を詰めて、頭半分下からオレを見上げた。一見すれば冷たく温度のない瞳の奥に、ほんの僅かな熱を秘めて。それに気付いたオレに気付いた村雨が、いっそ艶やかなほどに微笑んだ。
    「あなたを愛している私が、同じく私を愛して私の恋人という立場のあなたにキスをするのに、いちいち理由が必要なのか?」
    きゅっと弧を描く薄い唇から目を外せないまま、心臓がトクトクと鼓動を早める。ああ、こんなんじゃ、純情なんて揶揄われても仕方がねえ。
    「別に、いらねえ、ケド」
    少し声が浮ついているのが自分でもわかる。この分かりにくい恋人がオレとキスをしたいと思って、だからキスをしたという単純な事実がこんなにも胸を締め付ける。
    とは言え、いつまでもこんな浮かれていては恰好が付かない。歳下とは言え、オレだってこいつの前では格好を付けたいのだ。だらしなく緩んだ頬を隠すように手で覆うと、それを遮るように手を取られ、あなたはしないのか、と尋ねられる。
    「ハ?」
    そう声が出たのは尋ねられた言葉もそうだが、そんなことより何よりも。
    そう尋ねた村雨の顔が、どこか拗ねたようなものになっていたからに他ならなかった。
    「……あなたも、私にキスをしたければしてもいいと言っている」
    「いいのか?」
    目の前の珍しい今日はよく頭が止まるな、なんて現実逃避をしていれば、補足するように付け加えられたから食い気味に確認して、その返事を待たずに唇を重ねた。
    しまった、と思ったが、理由なんて必要ないと言ったのは他でもない村雨だから気にしないことにした。オレだって村雨とキスをしたい。理由なんて、したい、とそれだけだ。
    数秒、もしかしたら十数秒ほど唇を重ねて、角度を変えて吸い付いて。そうして離れようとするとオレの首に村雨の腕が巻き付いた。
    「もう終わりか?」
    そう言って目を細める村雨はいつになく楽しそうで、艶やかで。
    こんな顔はきっとオレしか知らないのだろうと思うと堪らなくて、返事の代わりに恋人へと再び覆い被さった。
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    DONEししさめ 無自覚に獅子神さんのことが大好きな村雨さんが告白する話。
    誓いは突然に 一日の業務の終わり、カルテの記載をまとめているときに端末が震えた。グループチャットで獅子神が「真経津に頼まれてローストビーフ作ったから食いたい奴は来い」と送ってきていた。「私の分は取り分けておいてくれ」と返信した。
     大学病院の業務量は定時に終わるようにはできていない。そもそも定時まで手術が入っており、その後から病棟業務が始まる。今日も2時間ほどの残業を行う予定だったが、そこから獅子神宅に向かったのではローストビーフは跡形も残っていないだろう。取り分けを頼んではいるが、あの面子の手練手管に獅子神が対抗しきれるかというと恐らく不可能だろう。少なくとも今のところは、だが。幸い病棟患者に大きなトラブルはなくカルテ記載さえ終わればよい。少し急げば予定を繰り上げることができそうだ。一段階情報処理のギアを上げて30分ほど巻いて業務を終えた。後日職場では村雨先生が何らかの連絡を受けた途端、鬼気迫る様子になりタイピング速度も倍になった、もしや彼女ではとやや尾鰭のついた噂が流れたが、誰も真相を確かめようとはしなかった。
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