Gimme Gimme Gimme! なんだかんだで、ここの人間たちはそれなりにアクティブな方だと思う。フェイスは自室の扉の前で、ぼんやりと誰もいないリビングを見渡した。
オフといえば専らクラブへ通っている自分だって、客観的に見ればアクティブな人間に含まれるかもしれないが、今日は違った。贔屓のクラブはここ十日の間に内装工事と設備の点検があるとのことで、フェイスのDJとしての活動はやむなく休止中だった。それは何故か。クラブなら他にもあるが、他の施設は夜毎フェイスのファンが群れをなしてやってくることに慣れていない。つまりのやむなくである。特に予定もない休日、フェイスはゆっくりたっぷりと睡眠をとり、リビングに差し込むのは正午過ぎの光だった。ブランチを済ませたあとはレコードを整理しようかと考えつつ、フェイスが一歩を踏み出すか踏み出さないかという瞬間、玄関代わりに外へと続く扉が開く音がした。
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