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    bell39399

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    のんびり進みます

    ふしぎなのかかん7「バン、あなたこれがなんだか知っているのね。テレビ? っていうの?」
     魔法の箱の名前を知ったエレインは、興味津々とがっかりが混ざったような複雑な表情をかわいらしいお顔に浮かべた。
    「すごく珍しいものだと思ったのだけれど」
    「人間で知らねぇ奴は多分いないぜ」
    「そうなのね……」
     自慢げに披露してくれたのに自分が思うほど珍しい物ではないらしいと知り、エレインはちょっぴりしょんぼりしている。自分が悪いわけではないのにちょっぴり心が痛んだバンは「しかし森には普通ないぜ!」と勢い込んで教えてやった。「それにこたつも雑誌も本棚も。人間から巻き上げたのか?」
    「人聞きの悪い。彼らが勝手に置いていったのよ」
    「不法投棄かよ、ヒデェ事しやがる♪」
    「《生命の泉》を狙う人間意外にも、悪い心の人間は来るわ。ゴミを森に勝手に捨てていったりね」
    「……以後気をつける♪」
     今までの行いにおいて心当たりがないわけではないバンが素直に謝ると、森の聖女は「うふふ」と初めてかわいらしい笑顔を見せてくれた。
    「変な人間ね。バンって!」
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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