ふしぎなのかかん7「バン、あなたこれがなんだか知っているのね。テレビ? っていうの?」
魔法の箱の名前を知ったエレインは、興味津々とがっかりが混ざったような複雑な表情をかわいらしいお顔に浮かべた。
「すごく珍しいものだと思ったのだけれど」
「人間で知らねぇ奴は多分いないぜ」
「そうなのね……」
自慢げに披露してくれたのに自分が思うほど珍しい物ではないらしいと知り、エレインはちょっぴりしょんぼりしている。自分が悪いわけではないのにちょっぴり心が痛んだバンは「しかし森には普通ないぜ!」と勢い込んで教えてやった。「それにこたつも雑誌も本棚も。人間から巻き上げたのか?」
「人聞きの悪い。彼らが勝手に置いていったのよ」
「不法投棄かよ、ヒデェ事しやがる♪」
「《生命の泉》を狙う人間意外にも、悪い心の人間は来るわ。ゴミを森に勝手に捨てていったりね」
「……以後気をつける♪」
今までの行いにおいて心当たりがないわけではないバンが素直に謝ると、森の聖女は「うふふ」と初めてかわいらしい笑顔を見せてくれた。
「変な人間ね。バンって!」