エレインには案外口煩い所もある。彼女の責任感によるものだろうが、昨日なぞは「もう、飲んでばっかり！ 私がお願いしたことやった？ちゃんと種植えてね？」なんて念押しされた。バーカ、すぐにやったさ。お前の言う事なら何だって最優先で聞いてやる。それにしても飲み過ぎだって？ カカッ、そいつは見逃してくれ♫
　今日は一緒に水浴びをした。最初彼女はもじもじしてばかりだったが、水をかけてやったらもう、と唇尖らせつつもはにかんで、やっと白いドレスを脱いだ。
　エレインと過ごす毎日はとても楽しい。

　寝ているときだけ彼女と会える。夢の中で俺はいつもあの森の中、あの七日間をループする。だから俺は寝たい。夢を見ていたい。大好きなエールを飲んで、アイツと会えるなんて最高だ。

　今日は最悪の日だ。エレインが殺られちまった。小さな身体に大きな穴。俺のせいだ。俺がいたせいで彼女は死んだ。一人だったらきっと、あの水を自分で飲んで助かったんだ。

　なぁ俺、俺を殺せ。何度でも。何回でも俺は死ぬ。死んだ次の瞬間には生き返る。生きて、とアイツは言った。だから俺は生きる。そして罰を受ける。永遠に繰り返される死と蘇生。アイツを守れなかった俺にはどんな罰でも足りないのだ。

　俺はあの日から、あの七日間を繰り返し生きている。最高の七日間、最低の七日目。
　八日目が、あの日の先が欲しい。その為にはエレイン、お前がいなくちゃなんねぇ。お前はあの日の先を生きてくれ。
　でもそこに俺は不要だ。俺は俺を殺してでも、ある筈だったあの日の先を見せてやる。
　いつか、必ず。