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    bell39399

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    bell39399

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    早くも全く考えていない方向に話が飛び出したぞ!

    それにしても一度全消えして、またほぼ同じ内容書くのしんどかったですw

    #エレイン誕2022
    elaineBirthday2022
    #バンエレ

    「ベリーパイがとってもおいしく焼けたの。兄さん食べに来てね!」

     たった一人の可愛い妹が心にそう語りかけてきたので、キングは大喜びで彼女の住まいを訪ねていった。
     なるほどそれは、甘くてとってもいい香りのする、見るからに美味しそうなこんがりパイだ。しかもたっぷりのクリームが添えられている!

    「どうした、食えよ♪」
     ……ただ妹の姿はそこになく、キングを出迎えたのは見飽きた悪人面の大男だけだったのだが。

    「あン? エレインならお出かけだっつーの♪ てかディアンヌも一緒だろ」
    「だよね! ああもうオイラのバカー!……あれ、じゃあ何故呼ばれたんだ?」
    「俺が頼んだ」
     思いもかけないその言葉に、キングは思わず椅子ごと後ずさる。
    「何それ。まさかエレインには聞かせられないような話でも?」
    「……まぁな」
     何時になく深刻な友の様子にキングもつられて固唾をのむ。まさかエレインの体調に何かあったとでもいうのだろうか。
    「妖精って誕生日に何かやんのか?」
    「へ?! あ、ああ、生まれた日は宴を開くけど、あとは数十年、百年の節目とか気分次第かな。って何、それだけ?」
     だがバンは答えない。どこでもない所を睨みつけ、じっと何かを考えている。
    「……誕生日、の……プレゼント?」
    「勝手に人の心読むんじゃねぇ、ゴウセルか♪」
    「ごめんよ、だってさ……。え、待って。誕生日? え、エレインの? えっ、今月?」
     キングもそう呟いたきり、テーブルの下の方の何もない空間を睨んだまま固まってしまった。
    「オイキング……テメェ、まさか」
    「どどどどうしようバン。何百年も放っておいたから、今年は目一杯お祝いしようと思ってたのに〜!」
    「ああクソ! テメェなんぞ頼ろうとした俺が馬鹿だったよこのクソ兄貴!」
     二人は額がくっつきそうになる距離で、ぐぬぬと睨み合っていたが、やがてどちらからともなく離れると、お互い黙ってむしゃむしゃパイを食べた。
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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