今月はエレインの誕生日だよね、とディアンヌにテンション高めに言われたバンはそんなのお前に言われるまでもねぇ、という言葉を飲み込み「そうだな、ケーキでも作ってやっか♫」と答えた。
「ケーキもいいけどぉ、何あげるか決めた?」
「アァン?」
「ボクはねぇ、エリザベスと一緒に……あっダメだ、バンに言ったらエレインに筒抜けだよね」
「オイコラ……ってそうじゃなくて何の話だ?」
このおしゃべり好きな未来の義姉に突っ込んでいてはきりがない。話を進めるためにバンは主語のない会話の内容を問い質す。
そんなバンにディアンヌはキョトンとすみれ色の瞳を見開いて「何って、誕生日プレゼントだってば」と答えた。
「……な……」
バンは目の前のディアンヌよりも更に目を剥いてその聞き慣れない単語に硬直した。
―― 誕生日って、いつもよか派手に宴会する日の事じゃねぇのか?!