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    リョウ

    エペとゴスワイ。暁Kの沼にドボン。
    @andandryo

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    リョウ

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    リハビリSSっていうか、SSSくらいの短い暁K。
    受肉Kのハッピー世界線だけど、おセンチな暁くんです。

    #暁K
    ##GWT

    Blanc 目が覚めるとベッドには自分一人しかいなかった。隣にいるはずの恋人の姿が見えず焦ってしまう。
     何の前触れもなく僕の前から消えてしまう。そんな雰囲気をKKはまとっているから、ぼくは彼の姿が見えなくなると焦りを覚えてしまうのだ。
     僕は慌ててベッドを抜け出した。
     下着だけで寝ていた体に急いでTシャツを纏って、小走りに寝室を出た。
     玄関に一度目を向け、彼の靴がそこにあることを確認して僅か安堵する。けれど、KKの姿を見るまで完全には安心できない。僕はリビングへと向かう。
     リビングに入ると、カーテンが揺れていた。
     ベランダに続く掃き出し窓が開いているらしく、風が白いレースのカーテンを優しく揺らしている。今日はよく晴れているみたいで、差し込む日差しがカーテンを輝かせていた。
     その奥に、KKの姿を見つけた。ベランダで煙草を燻らせているらしい。

     白。真っ白だ。

     風が揺らすカーテンも
     KKが吸う煙草の煙も
     彼が纏うシャツも
     室に差し込む太陽の眩し過ぎる光も
     
     白。

     その白の中にKKが拐われてしまいそうで——。
     僕は後ろからKKを抱きしめた。強く、強く。
    「どうしたんだよ」
     KKの声は落ち着いていた。急に抱きついたのに特に驚いている様子はなくて。リビングに入ってきた僕の気配に、彼は気づいていたのかも知れない。
     KKの肩口に顔を埋める。
     洗い立てのシャツの香りの奥にKKの匂いを見つける。それと煙草の香り。
    「暁人? あきとくーん」
     僕が黙りこくっているからか、KKがふざけた調子で僕の名前を呼ぶ。けれど僕は相変わらず黙ったままで、彼の存在を確かめるように抱きしめる腕に力をこめた。
     そんな僕の様子に呆れたのか、それとも諦めたのか。KKは嘆息すると僕の手に自身の手を重ねた。直に触れる体温に僕は思わず涙をこぼしそうになる。
     KKの声が、体温が、鼓動が、匂いが、彼がそこに存在しているのだと僕に教えてくれる。それがどうしようもなく愛おしくて、同時に切なくて、僕は彼から離れることができない。 
     麻里を連れ攫われた時でさえ口にしなかった言葉を、思わず言ってしまいそうになる。

     ——ああ、神様。この人を連れて行かないで。
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    リョウ

    MOURNINGED後みんな生きてる世界線なのに幸せにならなそうな暁→→→→→Kくらいの暁Kです。
    病み気味な闇思考暁人くんの思考がうるさい話。需要はないだろうけど思いついてしまったから書きました。供養!
    繋がらない想い 繋がれた糸「僕はKKのことが好きです。付き合ってくれませんか」
     アジトの一室。夜もすっかり更けて室内には僕とKKだけしかいない。
     なんの捻りもない愛の告白を口にすれば、KKの目が見開かれた。けれどそれはほんの一瞬で、彼は目を細める。
     ついにきたか、とでも思ったのかな?
     そんな風に邪推してしまうのは、僕がKKに気があるということをあからさまに態度に出してきたから。

     あの事件の後——まるで何事もなかったかのように僕らは渋谷に戻っていた。みんな生きたまま。こういうのを奇跡と言うのだろう。そして、生身のKKを目にした僕は決意したんだ。絶対に彼を離しはしないと。
     適合者になった僕はKKのアジトに出入りするようになった。事件以降、頻度は落ちたとはいえ怪異は起きる。今まではKKが一人で解決していたみたいだけれど、無理をしていたのは明白だ。だから僕は手伝いを申し出た。KKは態々面倒事に首を突っ込むなって反対していたけれど、凛子さんが僕の援護をしてくれた。一人でやれることには限度がある、でも二人ならって。なにより、あの夜の実績が大きい。その話を出されたらKKもNOとは言えなくなったみたいで、試用期間の条件付きで仲間に加えてくれた。
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