欲望二十四時 何故この人と二人きり、こんな所に居るのか。
カムイには全く理解出来ていなかった。いや、理解出来ないというよりもしたくない、何なら頭が現在置かれている状況を全力で拒否していると言っても、過言ではなかった。
しかもこの地獄は、あと二十時間以上は続く予定だ。
(見落としたのか)
隼人に読んでおけと与えられた分厚い資料には、全て目を通した。内容も理解出来ていたはずだ。それに加えて、念押しのように一週間前に行われた伊賀利からの事前ミーティングでは、訓練の一環とのことだったが。
(何故こんなことを行う必要がある)
あの研究所において、無意味な訓練を行うことは絶対にないはずだが、その意図が掴めない。わかっているのは自分が試されている……特に忍耐方面において、ということだけだった。
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