真夜中は別の顔(健全) さっきまでぐっすり眠っていたのに、急に目が覚めた。皆を起こさないようにそおっと布団から出る。立ち上がり、体がまだ眠っているのか少しふらつきながら足を進める。
「わ……っ、とと……」
布団に足を取られ、つんのめりそうになりながら部屋を出た。
部屋に戻ると、隣で寝ていたハナビがアイマスクを外して座っていた。起こしてしまったかとタイジュは焦る。
「ハナビくん」
小声で話しかける。反応がない。眠っているのか?
「……ハナビくん?」
少しボリュームを上げて声をかける。ゆっくりとタイジュの方を向き、目が後から顔を追いかける。タイジュと目が合い、ふ、とハナビは笑った。
「ハナビくん、起こしてしまいましたか? すまねぇです」
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