ストーカー麿と男性恐怖症水の話「やだ、やだ、やめてっ!」
「だーめ、逃がしてあげない。ずっと君の事見てたんだ」
近づいてくる相手。逃げようと思えば逃げられるのに僕の体は恐怖で動かなくて。誰かと思った瞬間僕は目を覚ました。辺りを見渡せば見慣れた自室。
「夢…」
僕の名前は水心子正秀。高校に進学するまでは
親元で暮らしていたが進学をきっかけに地元を「離れた。理由は先程まで僕を苦しめていた夢。あれは現実に起きた事だ。僕は中学生の時レイプされた。犯人はまだ掴まっていない。両親は一人息子がレイプされたと言う事実を受け入れることが出来ず被害届を出さなかった。あれ以来僕は大人の男がダメになった。見る分話す分には問題ないけど触れられるのはどうしてもダメで。いまだのその傷は僕の心を苦しめている。
それを忘れるため僕は地元から離れた。場所さえ離れれば忘れられると思ったから。学校生活は特になんの問題もない。みんなと楽しくやれている。そんな時だった。みんなの目が変わったのは。クラスメイトのひとりを問いつめたところ差出人不明のメールアドレスから過去の僕のあの映像から送られてきたのは。親に心配はかけられない。その日学校での僕の居場所はなくなった。
「おはよう、水心子」
「源先生、おはようございます。」
「顔色悪いけど平気?」
保健室の源先生は家族以外で唯一僕が触れられる人だ。優しくて暖かくて一緒にいると安心できる人。聞けば先生も地元を離れてここに越してきたらしい。親しくなるのに時間はかからなかった。
「はい、カモミールティー。それにしてもくま酷いね。大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「そう、なら良かった。」
渡されたカモミールティーを飲んで他愛のない話をしていたら急激な眠気に襲われた。そしてそのまま僕は意識を失った。失う寸前先生の声が聞こえた気がした。
『忘れちゃったなら思い出させてあげないとね。君が僕のものだってこと。』
「やだ、やだ、やめてっ!」
「だーめ、逃がしてあげない。ずっと君の事見てたんだ」
近づいてくる相手。逃げようと思えば逃げられるのに僕の体は恐怖で動かなくて。誰かと思った瞬間僕は目を覚ました。辺りを見渡せば見慣れた自室。
「夢…」
僕の名前は水心子正秀。高校に進学するまでは
親元で暮らしていたが進学をきっかけに地元を「離れた。理由は先程まで僕を苦しめていた夢。あれは現実に起きた事だ。僕は中学生の時レイプされた。犯人はまだ掴まっていない。両親は一人息子がレイプされたと言う事実を受け入れることが出来ず被害届を出さなかった。あれ以来僕は大人の男がダメになった。見る分話す分には問題ないけど触れられるのはどうしてもダメで。いまだのその傷は僕の心を苦しめている。
それを忘れるため僕は地元から離れた。場所さえ離れれば忘れられると思ったから。学校生活は特になんの問題もない。みんなと楽しくやれている。そんな時だった。みんなの目が変わったのは。クラスメイトのひとりを問いつめたところ差出人不明のメールアドレスから過去の僕のあの映像から送られてきたのは。親に心配はかけられない。その日学校での僕の居場所はなくなった。
「おはよう、水心子」
「源先生、おはようございます。」
「顔色悪いけど平気?」
保健室の源先生は家族以外で唯一僕が触れられる人だ。優しくて暖かくて一緒にいると安心できる人。聞けば先生も地元を離れてここに越してきたらしい。親しくなるのに時間はかからなかった。
「はい、カモミールティー。それにしてもくま酷いね。大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「そう、なら良かった。」
渡されたカモミールティーを飲んで他愛のない話をしていたら急激な眠気に襲われた。そしてそのまま僕は意識を失った。失う寸前先生の声が聞こえた気がした。
『忘れちゃったなら思い出させてあげないとね。君が僕のものだってこと。』
「勃たないねぇ、あの時は勃ったのに」
今僕は先生に組み敷かれている。あの日から僕は先生に監禁されている。動けないように拘束されて。そして時々体を重ねるようになった。幼い時のように無理矢理抱かれるかと思ったらまるで恋人にするように触ってくる。最初は怖かった。でもそれは最初のみで慣れていくにつれて恐怖はなくなったけど僕のそれは反応を示さなくて。理由は多分緊張と僅かな恐怖。
ここに住むようになってからひとつ変わったことがある。それは先生のことを下の名前で呼ぶようになったこと。好き同士は互いの名前で呼ぶんだよなんて言われて僕はそれを了承した。こんなことをされてなお僕は先生のことを嫌いになれなくて。ただでも怖さはあって。それなのに先生の目が僕を見る目変わらないあの時のままで。
それからしばらくしてだった。先生の押し入れから細長い箱を見つけたのは。先生が帰ってくるまで後少し。恐る恐る開けたその箱に入っていたものはボロボロの刀で。なんでこんなものをとその刀に触れたときだった。僕の中に何かが入り込んできたのは。
『清麿、ごめん、約束守れなくて。もし僕達付喪神が生まれ変わることが出来たらその時はきっと』