Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    wvnx9

    @wvnx9

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    wvnx9

    ☆quiet follow

    4月4日、降志の日にちなんだ小話です。
    志保さんは警察関係のどこかの研究所で働いてると思われます。(適当)

    #降志
    would-be

    「今日、何の日か知ってる?」


    いきなり投げかけられた問いに宮野志保は大きな瞳を瞬かせた。
    「……地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー?」
    「一言一句違わずに即答できる聡明な君が好きだよ」
    ハリウッドスター顔負けの美貌を持つ男に、にっこりと微笑まれ『好きだよ』と言われても志保の鉄仮面は崩れない。
    「それはどうも。正解なの?」
    「僕が求める答えではない。よってデータは渡せないな」
    「それは困るわ。そのデータがないと今日中に仕事が終わらないわよ。……4月4日よね、何だったかしら。あ、トランスジェンダーの日?交通反戦デーも今日だったかしら?」
    「どちらも不正解。降参?」
    にやりと笑う降谷零に志保は特大のため息をお見舞いした。
    「……で?正解は?」
    「君と僕の日」
    「……は?」
    「零の0と志保の4、04月04日だから僕と君の日だろ?」
    「…………」
    くだらないわね、という言葉を飲み込んだ志保は「なるほどね…」と呟いた。
    「だから去年の4月4日に入籍しようって言い出したのね?」
    「そういうこと」
    降谷が差し出したUSBを受け取ると志保はにやりと笑い返す。
    「じゃあ今日中に揃って家に帰って、記念すべき初めての結婚記念日を祝いましょうか」
    「ああ。19時に研究室に迎えに行くよ、奥様。」
    返事の代わりにUSBをヒラヒラと振って志保は部屋を出て行った。降谷も報告書を仕上げるべくパソコンに向き直る。
    口元を緩めてボソリと呟く。


    「素直に結婚記念日だと答えない君が、好きだよ」

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💕💞☺😍😍😍👏❤☺💒💍😍💖👏😍😍😍💘💘💖💖😍😭👏💞❤💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    黒護にゃちょこ

    MAIKINGかきかけの降志小説から抜粋解毒薬が無事必要在るべきところに渡った後は、私は恐らく然るべき処分を受けるだろう。そうなる前に、母からのテープを最初から最後まで聞かなければと思い、部屋で一人、ベッドに横たわりながらカセットのスイッチを付けた。

    古ぼけた音が途切れ途切れに響き渡る。このテープは、そろそろ限界なのだ。眼を瞑りながら母の音にひたすら集中すると、この世とあの世が繋がる感覚に陥る。途切れる度に現実に押し戻されるので、まるで「こちら側にくるにはまだ早いわよ」と言われているようだ。音の海に流されていると、ふと「れいくん」という単語に意識が覚醒させられた。

    「れいくん」

    その名を自分でも呼んでみる。誰だろう。巻き戻して再度テープの擦る音を聴くと、どうやら母に懐く近所の子どもらしかった。

    「将来は貴女や、日本を護る正義のヒーローになるって言ってたから…もしかしたら、もしかするとかもしれないわね」

    もし、叶っていたら、その「れいくん」とやらは、警察官にでもなっているのかしら。…いえ、きっと、そんな昔の約束なんて…白鳥警部じゃあるまいし。それに、今更だわ。

    「もう決着は着いちゃったわよ…れいくん」

    あまりにも 676

    dc_eureka

    MOURNING灰原さんの日オンリー「口づけ」のワンライお題で書かせて頂いたけれど、
    コレジャナイ感がすごすぎて没にして、加筆修正して、持て余していたものを今更、供養致します。
    降谷さんのふの字も出てきませんが、降谷さん目線の降志です。
    n は、ここでは実験参加者数のことです。  Ω\ζ°)チーン
    n=2のささやかな実験計画 この歳になると、いや、何より職業上、他人のキスシーンを見ても、そうそう動揺することはない。実際、張り込み中に、濃厚な口付けを交わす対象者であったり、路地裏でキスどころでない行為をやらかしている対象者であったりを、幾らでも見てきた。最初こそどぎまぎしたりもしたけれど、最近では最早、日常茶飯事。どうということもない。――はず、だった。

     偶然目にしたカップルのキス。首に腕を回して、彼らは随分と夢中になっていた。思わずドキリとしてしまい、そんな自分に、驚いた。そうか、付き合い始めの彼女が隣にいる状況では、さすがの自分でも、気恥ずかしさを感じるのか。新しい自分を発見して、一人、心のうちで感心する。

     隣を歩くのは、赤毛頭の天才科学者。職場での彼女の評判は、クール、博識、毒舌、ヤバい…。畏敬を込めた、そんな言葉。案外かわいかったり、動物好きで優しかったりする一面もあるのだが、それは、自分が〔灰原哀〕だった頃を知っているからこそ思えること。確かに、科学者・宮野志保は、はっきり言って、時々怖い。
    3750