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    mona5770

    Twitterに投げたネタをちょっとまとめたメモ置き場
    燭へしと治角名が混じっています。ご注意ください。

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    mona5770

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    (治角名)ナース服でファンサをしている角名の写真を見た治のはなし

    (治角名)えっちなナースはお嫌いですか?「あいつ何しとんねん」
     近所とバレー関係者には有名店であるおにぎり宮の店主である宮治はスマホを手に声を荒げた。客商売で覚えた笑顔がすっかり身につき、穏やかなひとだと思っている客が目にすれば震えあがるかもしれない地を這うような低音と、高校時代はおなじみだった真顔。
     画面に映っているのはバレーボールチームEJPの公式インスタグラムに投稿された一枚の写真だった。にこやかな笑顔を浮かべて手を振っているのはMBの角名倫太郎。
     ファンサービスとしてホーム会場での試合後に客の送り出しだとか、フライヤーの配布を選手がすることはままある。モンスタージェネレーションと言われる侑や木兎といった世代が入ってからバレーボールの人気は高まっているとはいえ、ちょっとした興味で会場に足を運んでくれたひとをファンにするために、また二度三度と会場に足を運んでもらうために努力が必要なのは重々承知している。
     駅前でフライヤーを配布している姿も何度か見かけたことはある。「よかったら見に来てね」なんて普段見せない笑顔を見せられると面白くないのは正直なところ。
     もちろんそれが商売用のものだとはわかっていても、そんな奴に笑いかけるなや!だとか、連れ帰って閉じ込めてしまいたいというのが本当のところではあるけれど、角名が一番大事にしていることだと承知しているから、本人にも言わず目を瞑っている。
    「お前笑うようになったね」
     店を始めてしばらくしてぼそっと角名の口から漏れた言葉に、あまり面白くないという空気が混じっていたからお互いさまなのだろう。
     だからファンサについて文句は言わないし、あれから角名も治の店での様子に何か文句を言ったことはない。
     だから問題はそこじゃない。
     身に着けている衣装だ。
     いつもならばジャージ姿なのに――ユニのままうろちょろしてるのを会場で見かけた日はさすがにやめてくれと頼み込んだ。この形のよい脚を衆目の前でさらすのはやめてくれと言ったら「ばかなの?試合中ずっと出してるんだけど?」と言われたのだけれど――治の手のなかにはる画面に映っているのはどう見てもナース姿だった。
     真っ白で身体のラインがわかりそうなペラペラの生地、もちろんスカート、それもミニスカートにニーハイソックスでガーターベルトって!おまえ!それなんやねん!!!

    「エロすぎやろ!」

     もともと治にとってスマホもSNSもさして必要なものではなかった。
     部活の連絡に必要だからと早くから侑とともに手にしていたけれど、SNSなど見ることはなかったし、メッセージの返信が遅いと歴代の彼女たちには何度も怒られた。
    「興味ないもんしゃあないやん」
    「はあ?うちに興味がないってことなん?」
    「まあそれでもええわ」
     それが原因で「好きじゃないんでしょ」と言われて別れたことは何度もある。
     知らんし。どうでもええやん。
     最近「お前さあ返信、秒なんだけど仕事ちゃんとしなよ?」ってあのスマホ中毒者みたいな恋人に言われたのだから、愛ってすごいと思う。
     毎日そばにいたいし、毎日声を聴きたいのをぐっと我慢しているのだから、連絡が入れば確認したいし、返信もしたい。
     それに角名は営業時間内には絶対に連絡してこなくて、休みの日か夜遅くだから自然と返信は早くなる。寂しいんやもん仕方ないやん。
     だから連絡がない時間帯はこうやって角名やチームのSNSを確認する癖がついた。
     で、仕事が終わって一息ついてみたらこれだ。
    「なんでお前がナースやねん」
     ハロウィンだから仮装なのはわかる。
     でも角名のナース姿はお子様に見せてはいけないような色香が漂っている。
     ええんか昼間にこんな格好してて。
     古森は紺色のワンピースに赤い大きなリボンと竹ぼうきを手にしているところを見ると、あの宅急便の魔女か。可愛い感じのこの服を角名が着たらそれはそれで卑猥な匂いがしそうな気がする。いやそういう目で見てるからとちゃうで。
     鷲尾さんはシスターだろうか。
     黒い足元まで隠れるスカートと、顔もかぶっている頭巾みたいなものでほとんど見えないけれど、大耳さんによく似た真面目でエロイことなんて知らないみたいな彼にはよく似合っている。
     いやこれでええやん。角名の顔も腰も足も見えへんし。
    「懺悔したいの?」なんて言われたらぞくぞくするやん。
     いやそうやのうて。
     よりによって一番エロいのを角名に選んだんは誰やねん!
     それもなんか全身、顔のアップ……やたらと角名の写真が多くないか?
    「保存しとこ」
     おかずになんてせえへんけどなって誰も聞いていないのに、小さな声で言い訳しながら写真を保存したものの、この姿を会場中の人間が見たのだと思うと全員の目を潰してまわりたい気持ちにすらなってくる。
    「あかん。ほんまあかん。こんなんあかんやろ!」
    「ふうん。治はこういうの嫌いなんだ」
    「嫌いとちゃう!でもあかん!」
    「嫌いじゃないなら好き?」
    「めっちゃ好き……え?」
     聞き慣れた声にギギギギと音がしそうなくらいギクシャクと振り向いた治の目に映ったのは、暖簾をしまった入り口で腕組みしてこちらを見ている角名だった。
    うわ、写真保存したんバレてないやろな。
    「すな……」
    「ねえ見たくない?」
    「すな?なんでおるん?」
    「打ち上げ出なくていいっていうから来ちゃった」
     試合が終わったあとスポンサーとの会食があるから、今週は無理かもと言っていた恋人がにこりと笑いながら「だめだった?」なんて首を傾げているのだ。
     だめなわけないし。
     会えないのだと思っていた恋人が「ただいま」っていうのだから、おかえりと抱きしめようと近づいてふと治は黒い長めのコートから伸びる足元に目をやった。
    「おまえまさか」
     コートから伸びる足元にスラックスらしいものは見えず、黒いソックスを履いた足元だけ。
    まさかとは思うけれどと何度か目をやる治に気づいたのか、ふふと笑いながらプチンプチンとコートの釦がはずされ、「見たい?」と治をみつめるオリーブ色の瞳に誘うような色が滲む。
    「見たいです!」
    「あっは。正直でよろしい」
     我慢できずに伸ばした手がばさりとコートを肩から落とす。
     女性用だからか写真で見ているよりもぴったりと身体に張りつくような生地は薄く、肌の色が透けて見える。大きめの襟元からは鎖骨が、両側に並ぶ白い釦の下に桃色の尖りが見えている。下着が見えそうな丈のスカートなのにさらに深めのスリットが入っていて、そこから伸びるガーターベルトで黒い二―ハイソックスが留められている。
     この丈で見えない下着ということは。
     ごくりと飲み込んだ唾の音が静かな店に響く。
    「おまえ……」
    「ごめん……間近で見たらだめだった?」
    「は?」
    「似合ってないよね」
    「何言うてんねん!は?最高ですけど?エロすぎてやばいんやけど?」
    「なんでキレるんだよ」
    「キレるやろ!こんな姿をどれだけの人に見せたん?なあ!っていうかこれで新幹線乗ったんか?まさかコート脱いだりしてないやろな!」
     誰にも触られてないやろな!だとか、もうあかん!来年からは絶対あかん!とかぎゃーギャー言いながらも治は手早く店の電気を消して、呆然とするナース姿の角名の手をひいて二階へ続く階段を駆け上がり、放り投げるように角名をベッドへと押し倒した。
    「えっと……」
    「エッチな看護婦さん、身体の様子がおかしいねん。診察してや」
    「ナースは診察しないんだけど」
    「ええやん。ちょっと触ってみてや。なあおかしいやろ」
     白いナース服からのびる手をとって自分の股間へと押しあてる。
     角名のナース姿を見た時から、なんなら写真で見た時からすでに熱を持っていたそこは触れられるとずくりと形を変えた。
    「腫れてますね。切っちゃいましょうか?」
    「ええの?切ったらもうここに入れたれへんで?」
    つうとスカートの上から触れた感触に、そしてうっすらと透ける下着に治は「ちょ……」と声を失った。
     ペラペラの生地のしたにあるのはどう考えても普段角名が履いているものとは違う素材、レースとかそういう感じの手触りに思わずスカートの裾に手が伸びる。
    「ここからは有料ですが?」
    「いくらでも払ろたるわ」
    「言ったね」
    「俺の持ってるもんは全部お前のもんやし」
    だから早くと目を向けると「なんなのお前」と手で顔を覆った角名の耳が真っ赤になっていた。こんなエッチな衣装をさらりと着て、新幹線に乗ってここまでやってきたくせに治の一言で狼狽えて真っ赤になるとか。
    「かわええなあ」
    エッチで可愛くて最高の恋人や。
    そう言いながら止める手が外れたスカートをそっとめくると、ローズピンクの女性用のショーツ、それも全部レースでできていて中まではっきり見えているものが目に入り思わず「最高にもほどがあるやろ」と治は頭を抱えた。
    ぴっちりとしたそのショーツのなかで苦しそうに形を変えつつある角名のものを指でつうと撫でると、ピクリと跳ねて先がわずかに濡れた。
    「なあこれファンサの時もこれ穿いてたん?」
    「……ううん」
    「ほないつこれ穿いたん?」
    ぶるぶると首を振るばかりの角名の額にちゅっとキスを落とすと、耳元で「俺のために穿いてくれたん?」と囁き、はむと耳を口に含むとビクンと身体を震わせる。
    もう首まで真っ赤に染めた角名は小さく頷いた。
    なんて可愛い。
    「どこで穿きかえたん?」
    言いながら指で前を撫でながら、もう片方の手を後ろに回すとわずかにこちらも濡れた感触があった。
    何なんおまえ。
    このまま叫びながら走り出したいほどの歓喜に包まれる。
    会えるとわかったとたんこの服を着替えずにそのまま新幹線に乗り込み、そして下着を変えて後ろの準備までしてきたのだという。
    会いたくてたまらなかったのだと伝わるようで、愛おしくてたまらなくなる。

    「準備もしてくれたんや。ありがとう」
    「もう!うるさい!しないなら離れろ!」
    じたばたと腕の中で暴れる角名の唇をぺろりと舐めると、涙目になった瞳が早くしろとばかりに睨みつける。
    ちゅっちゅと顔中にキスを落としていると「トリック・オア・トリート?」と定番の言葉が角名の唇からこぼれる。
    この身体全部が甘い甘い菓子のようで、トリートと応えてもいいのだけれどそれはそれで角名がまた誤解をしそうな気がした。
    「もちろん悪戯させてもらうで」
    「悪戯するのこっちなんだけど」
    「もう十分もらったわ」
    ほないただきます。
    そういうと治はもう一度唇を近づけた。
    ハロウィンの夜は長くなりそうだ。
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