こてんっカガリはベッドに座っていた。ドキドキと心臓の音が鳴る。
これから、恋人と会うのだから当然だ。久しぶりの逢瀬に気持ちが昂っていた。
「キラ・・・まだかな・・・」
呟いて待つが。時間が過ぎてもキラは現れない。プラントからオーブに来るのだからそれなりに時間はかかる。だが、予定していた時間より大分遅れていた。
何かあったのではないかと思っていたら、通信機が鳴った。
カガリが出ると、アスランからだった。
「キラが仕事が長引いて乗る予定だった船に乗りそびれたそうだ・・・」
「そうか・・・事故じゃなくて良かった」
「君は先に休んだ方がいい。いつ着くか判らないぞ」
「ああ・・・判ってる」
通信が切れたあと、カガリはそれでもうろうろとベッドの周りを歩き回った。
判ってる、仕事があるのだから早くに寝るべきだ。
だが、心が待ちきれなくて。はち切れそうで。
待ってるしか出来ないのがもどかしくて。
何処かで聞いたように、心に羽根が生えたら飛んで行くんだろうな、と思った。
身体も身分も全部脱いで、繋がれるのに、すぐに。
深夜の3時を過ぎた頃に、漸く扉が開いた。
ベッドに座っていたカガリの元へ行くと、こてんっと肩に頭を乗せてそのまま押し倒した。
「ゴメンね・・・カガリ・・・」
「キラ・・・!!会いたかった!!!」
だるそうな身体で、キラはカガリと口づけを交わすとそのまま抱きしめて固まってしまった。
カガリはキラの頭に手を回すと、よしよしと撫でる。
「お前はよくやってるよ・・・私の心が飛んでいけてたらな・・・」
「・・・あれ?僕も同じこと考えてたな・・・。心だけでも君の所に行けたらって・・・」
「そうなのか?」
「・・・うん。でも今こうやって身体を触れ合わせてると、身体があって良かったな、って思う。・・・気持ちいい」
キラの言葉にカガリが真っ赤になって「スケベ!」と言った。キラはくすくす笑ってカガリの肌に唇を落とした。
「・・・疲れたけど、カガリが癒してくれる・・・」
「・・・私も、会いたかった・・・だから、キラで・・・満たして欲しい」
甘える身体が繋がり合って、心も一緒に飛んで行く気がした。
いつだって待ってるから。心と身体を待ってるから。君とだけ。
「・・・寝てないだろ?」
「・・・大丈夫だ。これくらい」
「ゴメンね・・・無理させちゃった・・・」
朝食の席で、カガリとキラの甘い空気とどこかでだるさを残した空気を察知したアスランが突っ込んだが聞く気はなさそうだった。
「キラは寝てていいぞ。今日は休みだろ?明日早いけど・・・」
「うーん・・・じゃ、そうさせてもらおうかな?それで今晩は・・もっと甘くなろうね♪」
「・・・キラのスケベ!!」
「カガリの方が欲しがるじゃない・・・」
「ううううう・・・・」
「・・・俺の存在を無視するな!!!」
バンっとテーブルを叩いてアスランが立ち上がるとキラとカガリは目を丸くしてそれから顔を見合わせた。二人が食べてる途中のハムエッグが皿から浮いた。