ねこ「目金君って猫みたいだよね」
「……何ですか急に」
「ツンツンとした素っ気ない態度を見せたかと思えば急に側に来て寄り添ってくる。その自由気ままな在り方は目金君そっくりだなあって。__思っていたんだよ。少し前までは」
「はあ」
「けれど雷門の皆んなといる時の君は素っ気ないどころか構って欲しがりの子猫みたいでさ」
「こね…っ!?」
「いやあ、びっくりしたよ。何で僕といる時とはこんなにも違うんだろうって」
「何なんですかその薄寒い例えは!というかそもそも何で漫画君が雷門での僕の振る舞いを知っているのですか」
「栗松君に頼んだのさ」
「はあ!?」
「雷門での目金君の様子を撮って来てくれたらお小遣いを上げるよーって言ったらさ、彼快く引き受けてくれたよ。『目金さんを撮るだけでお金が貰えるんでやんすか?!』って」
「……因みに額は」
「千円」
「たった千円で僕のプライバシーが売り捌かれたのですか……」
「で、何で?」
「はい?」
「何で僕の前ではあんな風に振る舞ってくれないの?」
「何でって……別に深いわけはありませんけど」
「ええー。僕もあんな風に気安く振る舞われたいなー」
「大体、それを言い出したら漫画君だって秋葉明戸サッカー部の皆さんといる時と僕と二人でいる時では振る舞いに差があるじゃないですか。お互い様ですよ」
「え?もしかして目金君嫉妬してる……?」
「何をどうしたらそうなるのですか!兎に角っ、恋人と友人とでは振る舞いに差は出るのは当然の事。それが理由です!」
「ふーん……」
「……そもそも、漫画君は僕に構いに来てくれるじゃないですか」
「うん?」
「何もしなくても漫画君が来てくれるのですから、こういう振る舞いにもなりますよ」
「…………あの、目金君」
「何ですか」
「普段のそっけない態度は目金君なりの甘えの表れってことで間違いないかな?」
「……好きに解釈して下さい」
「目金君!!!!!」
「はいはい」