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    kamaitati88

    @kamaitati88

    彼方小(かなた ちい
    官ナギオンリー

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    kamaitati88

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    幼少期官ナギ②

    前回の続き
    今回はほぼ官くんのみのパートです

    #官ナギ

    猪突猛進夏休みが終わって2学期に入った

    夏休みの楽しい時間を思い出して思わず笑ってしまう
    クラスメイトに何笑ってんだよ〜と揶揄われる事もあったけど気にしなかった
    自分だけの秘密が嬉しくて幸せだった
    夏休み中も仕事をしていた父には沢山自慢しちゃったけど、キスしあったことは言ってない秘密だ




    もうすぐ秋になろうとしていた
    学校から帰ってきて母から出されたおやつを食べる
    母がワイドショーのニュースを見ていたのでなんとなく眺めていた
    『ーー●●県●●市の▲▲×××くんが●日から行方が分からなくなっています。目撃情報などの情報提供をーーーー』


    ・・・え?
    テレビ画面に映し出されている顔は間違いなく×××くんだった
    お母さんが必死に俺に何か話しかけているけどなぜか聞こえづらくてわからない
    俺はその日熱を出した

    夢の中で×××くんが泣いていた
    助けなきゃ 俺が
    でも、どうやって?俺は子供で 無力で 何もできない
    大人になってからじゃ遅かった?


    世間はどんどん×××くんの事を忘れていく
    すぐにニュースからは消えた
    また、夏になるとお婆ちゃんの家に行く
    もしかしたらどこかにいるかも、遊んだ記憶を頼りに毎日探し歩いた
    でもいるわけなかった
    わかってた お婆ちゃんはそんな俺を見ても何も言わなかった
    ありがたかった 否定されたらきっと心が折れていた。




    中学にあがって柔道部に入った
    毎日毎日練習練習
    はやく強くなって大人になって警察官になって彼を探して見つけ出したかった俺は必死で勉強も部活も頑張った
    「カンタロウ、毎日真面目に頑張ってるわね。低学年の時は落ち着きがなくて騒がしかったけど。でも今は、、落ち着きすぎてちょっとお母さん心配になっちゃうな。」
    母さんが心配してる事はわかってた、何も言わずに応援してくれてる親には感謝してる



    「ケイくん!好きです!付き合ってください!」
    高校生になって何度か女の子に告白されるようになった
    けど全部断った
    そんなことにかまけてる暇なんてない
    俺は早く警察になるんだ まだ間に合うと信じてる
    ×××くん、絶対見つけるから何処かで生きてて。



    高校卒業後、警察学校に入った
    大学に行った方がその後の優遇が高卒よりも良いが、早く警察になりたい俺は構わなかった
    毎日訓練、勉強、中高とは比べ物にならないくらいキツい、でも苦じゃなかった
    休日は貰った給料を使って日帰りで各地を巡って×××くんの情報を探しまわった
    でも情報は無に等しかった
    捜査も打ち切られ、親は×××くんは亡くなったと言ってるらしい
    いなくなって良かった、というような事を親しい人に話したと聞いた
    はらわたが煮えくりかえる
    親に接触する事も考えたが、警校生とはいえ俺はもう立場上警察官だ。法に触れる為できなかった
    ただ、親の言った言葉を考えると殺めた訳では無く本当に行方不明だとわかって少し、希望がみえた気がした




    警校を卒業した俺は新横浜のとある交番勤務についた
    「はぇ〜、吸血鬼、でありますか」
    この町はポンチな吸血鬼が多数出現する特殊な場所だった
    毎日おかしなめに会うが交番勤務にも慣れてきていたときだった

    「ハァ、ハァ、ハァ」
    ドン!ドン!ドン!カチン、カチッ、カチン!
    「ハァッ、うっ、うわあああああああ」

    俺は辻斬りに襲われた


    辻斬りに襲われた俺はいくつか記憶が抜け落ちていた
    襲われた時にハッキリと辻斬りの顔を見たはずだが、黒いモヤがかかった様に思い出せない
    さらに×××の事も何故か思い出そうとすると頭が痛い
    母は、あんなに×××の情報を探し回っていた俺が写真を見ても前のように反応を示さないなんて、と絶句していた
    考えようとするとボーっと無気力のような感覚になる
    以前のような気持ちを忘れてしまった


    「くそーー悔しいであります!」
    俺は何者かに襲われたりしても打ち負かす自信があった。だってあんなに必死に鍛えたのだから

    俺は×××へ向けていた熱意を今度は辻斬りに向けるようになった
    これ以上、辻斬りに襲われる人を増やしてはいけない
    俺が警察を目指したのは、沢山の困っている人を助けたかったから
    辻斬りに困っている人、これから困る人を救いたい二度と被害を増やしたくない
    でも、吸血鬼の事なら吸血鬼対策課に入らなければいけない
    俺は退院したあと警察官をやめた
    退治人になって全国をまわって吸血鬼を退治し、吸血鬼の事を学んだ

    「……今度こそお前を捕まえるぞ…辻斬りナギリ。」
    これ以上辻斬り被害を増やしたくない。辻斬りさせたくない。

    数年退治人として経験を積んだ俺は吸血鬼対策課に入った
    「本官はケイ・カンタロウ!新横浜暑の吸血鬼対策課にこのたび配属された者です!」
    退治人として経験を積んだ俺は以前よりも行動的になり、なぜか声量もあがった気がする
    同級生にはお前変わったな!と言われ、親には昔に戻ったみたいと言われた
    年下のサギョウ先輩にはハリケーンが増えたと言われた

    辻斬り調査をしているうちに協力者ができた
    辻田さんだ!今日も調査に出ようと出掛けるとすぐ辻田さんを見つけた
    「辻田さん!!本日も一緒に辻斬り調査に行くでありまあああ!!!!!」
    「うるさいっ!!!!行かん!!」
    辻田さんは退治人修行をしながら辻斬りを追っている凄い方だ
    冷たい言葉で突き放すような事を言うが、いつも調査に付き合ってくれる優しい人だ
    修行の一環なのか、生活困窮者なのか、廃ビルに住んでいる
    以前、「本官ちで一緒に暮らしましょう!!」と咄嗟に提案してしまったが今でも気持ちは変わっていない
    今住んでいるのは独身寮なので一緒に住むなら家を探さないといけないが、辻田さんからの許可は出そうにないので探す必要はない
    けど、たまに物件情報をみる趣味が増えてしまった


    「辻田さん!今日は苺大福を持ってきました!!どうぞ!!!!」
    「うるさい!!くるな!!いらん!!」
    「まぁまぁそう言わず!」
    「グイグイ押し付けるな!!!グォアッ!!・・・」
    口に押し込んだ苺大福を無言で辻田さんが頬張っていた
    心なしか周りにお花が飛んでいるように見える
    「かわいいなあ」
    「丸のほうが絶対良い」
    口に出てた、けど苺大福と勘違いされたらしい 良かった
    マルさん、よく彼から聞くお名前。彼女なんでしょうか
    大切にされているようでなぜか羨ましく感じた


    「辻田さん!!!!本日も辻斬り調査をご一緒しませんか!!!!」
    あれ?いない留守だったようだ
    ・・・コロコロッ
    足元に丸電球が転がってきたので撫でてあげた
    辻田さんが大事にしていた丸電球はツクモ吸血鬼化していた
    念の為VRCに連れて行った方が良いと提案したが退治人なので大丈夫と言われてしまった
    特に悪さはしていないようなので見て見ぬふりをしている

    ・・・コロコロコロ
    「ヌーヌー」
    丸電球くんが小さい箱の前で止まる
    箱を持ち上げて開けてみるとビー玉やおはじき、BB弾なんかが入ってた
    綺麗な色の中に薄茶色の古びたような何かの種のような物を見つけた
    うっすらと縞模様が見える、ひまわりの種か?
    頭が一瞬ズキッと痛みがしたが、あまり気にせず箱を元に戻した
    「辻田さん帰ってこないですね、仕方ない、今日は戻りますね」
    「ヌー」


    「カンタロウ、僕を忘れないで、見つけて」
    誰かがそう言った



    夢か
    あれは誰だったんだろう
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