冬、二人(other side) 一月も末、バスケットの大会も大学の試験期間も終え、ようやく落ち着いた日々が送れるようになっていた。この時期に暇になるのはおおよそ就活の年ではない大学生くらいのもので、春学期が始まる4月までの長い休みに対しそわそわとした気持ちを隠し切れないでいる。
そして今日、深津は浮かれていた。それもそのはずで、出来るチームメイト達の協力を得て、高校最後のインターハイから狙っていた後輩と休みを過ごせることになったのだ。どうして浮かれないでいられよう。
そんな心がほかほかした一日も日が沈み、終わりを迎えようとしている。
「今日一日、付き合ってもらってすんません。最近忙しそうだったのに」
申し訳なさそうに眉を下げる宮城に心が痛む。付き合うも何も、今日この日に買い出しを設定させて宮城に買い出しの役を押し付けたのは他の誰でもない深津だ。
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