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    いもこ(猫好き)

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    バレンタインネタ
    同棲している食と声(左右不定)
    『チョコレートの思い出』を経たふたりとして書いてますが、『チョコレート〜』は別に読まずとも大丈夫です。

    #美茶謎
    teaEnigma

    思い出の真相「探偵団のみんなで、放課後ミチルくんの作ったチョコを食べましたね」
     探偵団として活動していたのはもう、『懐かしい』と思えるほど前のことだ。今でもメンバーとの交流は続いているのでつい最近のことの様に思いがちだが、冷静に何年前のことか考えてみると驚いてしまう。
    「ケーキが多かったような気が……いま目の前にあるような、いわゆる普通のチョコは、出さなかったですよね」
     テーブルに並んだコーヒーと、まる、さんかく、しかく──様々な形と色をしたチョコレート。
     その中に紛れた可愛らしいハートのチョコを、ひょいと摘んで眺めていると、隣りに座っていた満に手首を掴まれた。驚いて長広は満を見たが、彼と目が合うことはなかった。満は長広の手首を掴んだまま、その指先のチョコレートを見ていたからだ。満の行動に首を傾げていると、長広の指を満が口に含んだ。
    「あっ……こら」
     ぺろり、と指を舐めて、長広の力が緩んだところでチョコレートを奪って離れる。
    「ん、うまい。さすが俺だな」
     自画自賛している歳下のパートナーを軽く睨んで、もう一度ハートのチョコを探して口に運ぶ。舐められた指をわざと自分でも舐めてみせると、今夜覚悟しとけよな、と満がもたれかかってくる。そちらこそ、と応えて、キスをした。溶けたチョコレートの、甘酸っぱい味がする。


    「普段の茶菓子はどう食べようと自由だし、ぶっちゃけそんなに毎回気を回せなかったけどさ。あの日はリーダーの呼び出しで全員出席するって分かってたからな。ケーキだとナガヒロが手袋外す必要ないだろ。せっかく全員揃ってるんだし、煩わしいことなくみんなせーので食べられた方がいいかなと思って」
     唇が離れて余韻に浸る間も無く、満が告げた真相は想像もしていなかった内容で、長広は一瞬固まったのち、ブワッと顔が熱くなるのを感じた。
    「でも自宅ならお前も手袋してないし、
    つまんで食べる……『いわゆる普通のチョコ』でも良いかなと思ってさ」
     何かしら満なりのこだわりがあるのだろう、とは思っていたが、まさか自分に気を遣っていたとは。
    「……きみ、本当いい男ですね……」
     感心して呟くと、
    「お前もな」
     と、長広がプレゼントした一輪のバラをチョンと触りながら、照れた様子で満が笑った。






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