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    hbnho210

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    ルクアロ版ワンドロワンライさまより「お題:カメラ、おやつ」お借りしました!
    第三者の視点から語られる在りし日のヒロルクの話。オリジナルモブたちが出てきます。

    #ルクアロ
    rquaro.
    #ヒロルク
    heroin

    お題:「カメラ」「おやつ」7/2「とても古い写真だね」
     手にした一枚の、角は所々削れてまるくなり、元はあざやかな色彩であふれていたであろう表面は色あせてうっすらと埃をかぶったようにぼんやりとしている、それは永い々時間を幾重にも折り重ねてしまってある箱の中から掘りだしてきたような古い写真だった。
    「子供、男の子かな、兄弟? でもあまり似ていないね、……なんだかとっても楽しそう、隠し撮り? ふふふ、冗談だよ」
     カメラマンがその国を訪れたのはもう二十年以上も前だと、懐かしそうに手にした写真を見つめて微笑うと、よく陽に焼けた顔の目じりに深い皺が刻まれた。
    「ハスマリー公国? ああ、知ってるよ、美しい国だ。でも、二十年前……その頃はまだ紛争が絶えなくて、……そう、あの国で撮影した写真なの」
     写真のなかには二人の少年。頬と頬がふれあうくらい顔をよせて、赤い髪の少年の肩に手をのせた金髪の少年がその耳元で何かを囁いている。赤い髪の少年は微笑って、相手の少年の瞳のなかをのぞき込むように見つめていた。
     それはまるで、フェアリーテイル。童話に描かれた一枚の絵のような古い写真。聖なる清らかさに満ち々た二人だけの世界で戯れる天使たち。やわらかな木漏れ陽と、優しい西風、歌うように咲く花たちと、幸福をはこんでくる小鳥たち。この天使たちのいる国が酷い紛争の真っ只中にあるとは到底思えないような、幸福な時間をそのまま四角く切取ったような一枚の写真。でも、彼らの住む国は日夜争いに明け暮れて、街は焼かれ、白昼の青空を横切って爆撃機が飛び、夜になると灯りの失えた暗闇のなかで人々は息をひそめて死の恐怖に怯えて眠る。
    「……この子たちは、この後どうなったのだろう」
     あの頃のハスマリーで子供が生きてゆくことは難しい。あの国で人の命は鳥の羽根よりも軽く、そして紙屑のように簡単に捨てられていった。誰もが自分一人の命を抱えて今日を、一分先を生きてゆくだけで精一杯だった。取材でハスマリーを訪れたカメラマンが帰国した後、この写真を撮影した研究所は爆撃され、この街も燃えて多くの命が奪われたと現地から報告を受けた。もうその時には外国からの渡航はすべて禁止となり、その後、ハスマリー公国を訪れる事は不可能となった。
    「……この写真、古いけれどとってもきれいに、大切にしまってあった。……忘れられないの、この二人の少年のことを」
     ハスマリーの熱い風に吹かれながら、戦争の恐怖も未来への不安もまるで感じさせないくらい少年たちは輝いていた。笑いながら、二人は手と手をかたくつないで果てない大地を駆けてゆく、どこまでも。この少年たちは未来そのものだった。やがてこの国の長い々争いに終止符が打たれたとき、この国を蘇らせることが出来るのはこの少年たちだと、そう確信してシャッターを押した。カメラのレンズ越しに見た二人の少年たちの星のようにきらめく瞳と、そのとき胸に抱いたその想いはまだ忘れていない、今もまだ、あの少年たちの魂はあの国に生きている。そう、信じている。
    「……そう、そうだね、想いは失えない、此処に、在る。胸に抱いた希望も、受継がれてゆく未来も誰にも奪うことはできない。この少年たちが生きていた証は、今も此処に在る」
     一枚の、古い写真。名も知らぬふたりの少年は遠い記憶のなかでいつまでもふたり頬をよせて微笑っている。遥か夜空で永久の輝きを放ちつづける星座のように。
    「え? 二人の名前を聞き忘れたの? それじゃあ探せないじゃない。……今はハスマリーもだいぶよくなったみたいだよ。ハスマリーの国民が、ハスマリーを愛する人々が立ち上がったんだ。学校なんかも次々とできてるって話。すごいよねえ。……だから、いつかハスマリーへ行こうよ。この二人に会いに、ね」


     
     風すらも熱いハスマリーの午后は樹木の下にいても額に汗がにじむくらい暑く、けれど流れる汗もいとわずに身体をぴったりとよせ合い、乾いた小さな唇はやわらかな耳朶にふれそうなほど近づいて、その耳にそっと囁く。
    「ねえ、今日のおやつ何だと思う?」
    「ヒーローは何がいい?」
    「チョコレート! でも甘いものなら何でもいいかなあ」
    「ヒーローはチョコレート大好きだよね」
    「ルークは?」
    「ぼくも好きだよ。……また、ヒーローと半分こして食べたいな」
    「うん! おれの半分をルークが食べて、ルークの半分をおれが食べるんだ。ルークと半分こにして食べると、ひゃくばいも、せんばいも、うーんとおいしい!」
    「……ぼくも、ヒーローと半分こが好き。これからもずっと、ずっと何でもヒーローと半分こがいい!」
    「うん、おれとルークはこれからもずっと半分こだ。大人になっても、約束だよ、ルーク!」
     
     
     
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題:「バカップル」「たばこ」お借りしました!闇バもでてくる。ルクアロだけどBOND諸君がみんなで仲良く?しています。
    お題:「バカップル」「たばこ」7/16「キスしたときにたばこの味がすると、オトナのキスだな、て感じがするってむかし同級生の女の子が言っていたんだけど」
    「……女とそういう話するのか、意外だな」
    「ハイスクールのときだよ。隣の席の子が付き合いはじめたばかりの年上の彼氏の話をはじめると止まらなくて……それでさ、アーロンはどんな味がした」
    「何」
    「僕とキスをしたとき」
     午后の気怠さのなか、どうでもいい話をしながら、なんとなく唇がふれあって、舌先でつつくように唇を舐めたり、歯で唇をかるく喰んだり、唇と唇をすり合わせて、まるで小鳥が花の蜜を吸うように戯れていた二人は、だんだんとじれったくなってどちらからともなくそのまま深く口吻けをした。そうして白昼堂々、リビングのソファで長い々キスをして、ようやく唇を離したが、離れがたいとばかりに追いかける唇と、舌をのばしてその唇をむかえようとする唇は、いつ果てるともわからぬ情動のまま口吻けをくりかえした。このままではキスだけではすまなくなると思った二人はようやく唇を解いて呼吸を整えた。身体の疼きがおさまってきたそのとき、ルークが意味不明な問答を仕掛けてきた。アーロンは、まだ冷めやらぬ肉体の熱を無理矢理に抑込みながら寝起きでも元気に庭を走りまわる犬のような顔をしたルークの顔をまじまじと見た。
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