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    iori_uziyama

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    iori_uziyama

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    🖋 👟 🦊であぶないブラックマーケットにいくはなし。

    アイクが死ぬほどスランプになってとちくるってミスタになんかインスピレーションの源泉かけ流しみたいなとこない?って聞いてめちゃくちゃ治安の悪いブラックマーケットに連れて行く話。with呪術の材料集めに来たシュウ(慣れてる)(eyyyy)
     
    「や、ここ大抵の物が金さえ積みゃ何でも買えるし何でもできるんだけどそりゃその分治安が終わってんだよね。ア、これ知り合いのホームレス」

    「知り合いのホームレス?!」

    「ヨ、ほら10$。今日の天気予報は?」

    「ジャズ屋、あと夢遊病患者も」

    「おーおー、ジャジー来てんのね、気をつけるわ」

    スルスルと裏通りを歩いていくミスタに必死でついていくアイク。

    「ジャズ屋は、こんな治安終わってるとこなのにジャズが好きでイケてるジャズを流しながら歩いてるやつなんだ。ジャズが聞こえるからすぐわかる。」

    「あとアイク、今から話していい単語はfackだけね。今日のお前はfack。だいたい口癖で呼ばれるからお前はお綺麗な顔したお上品なファック野郎で通すよ。」

    アイクは目を白黒させる。

    「因みにシュウはeyyで通してる。みんな話せないと思ってるレベルでeyyとボディランゲージでどうにかしてる」

    隣のシュウが「eyy~~!」と一鳴きした。

    呪術返しをするのが趣味の自殺願望者とか(シュウに来た呪いを人形に収めて渡す)(まあ産業廃棄物処理業者みたいなもん)

    呪術で体を腐らせる(ひっでぇ痛みがあるけど死なない)のが趣味の被虐趣味野郎とか

    呪術の材料の人骨だったり血だったり皮だったりがなんでか大量に揃ってる婆とか。

    シュウの買い物が終わったら天気予報のジャズ屋のところに行ってアイクを預ける。ジャズ屋はジャズを邪魔されるのか一番嫌いだからブラックマーケットの中では一番安全地帯。その代わり騒いだりジャズに文句つけると一瞬で頭をふっ飛ばされる。情操教育に悪い託児所みたいなもん。

    ちょん、と奥まった席に座らされて、アイクは無垢な子供みたいにキョトンとした。まさかおいていくわけないよなといった意味合いである。フツーにおいていかれた。ちんまりしたテーブルと木製のキシキシ鳴る丸いイス、持ってきたノーパソを後生大事に抱えて「ふぁっく……」とだけ呟いた。

    さてはて名探偵と呪術師は更にブラックマーケットの奥へと歩を進める。慣れきった足取りでワルツを踊るみたいにスリーテンポでタン・タン・タン、知り合いのホームレスに会うたびブラックマーケットの天気予報を聞いて、ミスタにとっての安全な匂いと逆方向に進む。(ミスタは安全な匂いと言い張るが大抵の場合トラブルにかち合うので)
    さて、最終目的地。夢遊病患者である。

    「よ、いい夢見てるかよ」

    「Mr.来てたのか、久しぶりじゃないか、十分もたったねぇ、きたねぇな、くずみてぇな、ああ、しねばいいのに、あえて嬉しいよ、星空みたいにきれいだ」

    「おーおー、元気そうで何よりだわ、んでお前の商品出してくれる」

    「おまえはいつもそう、こんかいはあらっぽいね、丁寧な交渉だ、めずらしい、どうしたんだ、ぼうや、おじょうちゃん、しんでるのか、そうか、」

    ミスタは要領を得ない話を慣れたように続けていく。夢遊病患者で通ってるコイツは薬物依存者である。ブラックマーケットにいる薬物依存者はたいていドラッグか、夢遊病患者とよばれる。し、薬物依存者は薬物の売人と繋がってる。薬物の売人は裏と繋がってる。そういう情報網である。真偽なんてもんはどうでも良くって生きた情報が手に入るのはブラックマーケットくらいなので。


    三十分くらい禅問答のような会話をラリーしてミスタは頷く。ショーガールへのチップみたいに胸元に30£ぶち込んで踵を返した。

    たちの悪い託児所に預けられたふぁっく君(アイク・イーヴランド××歳)はといえば、最初はおっかなびっくりびくびく待っていたしキョロキョロ見渡しては聞こえる奇声やら罵声やらジャジーの撃つショットガンの音やらに精神をすり減らしていたが、まあ流石の文豪適応力がカメレオン並だった。ジャズ屋がジャズさえ邪魔しなければかなりの安全地帯だとわかるやいなやノーパソを開いて見たもの聞いたものを全てダカダカ打ち込み始めた。きっと次の話は裏社会モノであろう。
    ふぁっく君は一回集中するときりがない、きりがつくまでほかごとは全てシャットアウトする癖があるためミスタとシュウがどっからかタンカを持ってきて二人でよいせよいせと連れ帰った。ふぁっく君はまるで女の子がファッション雑誌を読んでるときみたいな体制でダカダカ打ち込み続けていた。

    んで、気づいたら玄関先にタンカのまんま放置されてて、新刊は書き上がったってわけ。
    めでたしめでたし。

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