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サイボーグでウキの色が違う瞳がサイキックの力の源だという仮説。
ふーふーちゃんがサイボーグの中でも自我を持ったバグ個体で、修理or破壊されそうになって二人で逃避行。「うき、これはゲームなんかじゃないんだ。本当に危険なんだ」って言われても「ふーふーちゃん、何言ってるの。これからはずっと一緒っていったでしょ。それに、俺だってサイキッカーだよ。足手まといにはならない」
たしかにウキはその言葉通り追い詰められかけたときにサイボーグたちをジャミングしたり、走りながら物を倒したりして逃げるサポートをする。
しかしサイボーグはデータを共有しており、段々と苦戦するようになり………ウキがサイキックを使う回数が増えていく。そして対策を取られて、力を意識的に大きく使っていく。そこで、力を使えば使うほど流れ星によって色が変わった目が淡く、炎が灯っているように光っていることに気付いた。
「ウキ、それは……?!」
しかしそれはサイボーグたちにも認知されるきっかけとなった。ウキはとっくの昔に保護対象から外れて処罰対象となっている。サイキックの源がオッドアイだと気づいたサイボーグたちの猛攻が始まり、ウキも必死に抗うが、ふーふーちゃんに当たりかけた攻撃を庇い、瞼を切ってしまう。ヘテロクロミアが血によって隠され、目が開けられない。みるみるうちにサイキックが弱まって、宙を浮いていたものがガタガタと落ちていく。その土煙に隠れて、フーフーちゃんはウキの腕を肩にまわしてズリズリと逃げていた。
「フーフーちゃん、だめだよ、置いていって。すぐには血が止まらないから、サイキックが使えないんだ。このままじゃ足手まといになっちゃう」
「それに、血が止まっても使えるかはわかんないんだ。ふーふーちゃん、俺をおいて逃げてよ、早く。」
「置いていくわけ無いだろ!!!!!!」
急に大声を出したファルガーにウキは目を丸くする。
「俺は、お前がついてくるって言ったとき、不安だったし、心配だった。安全な場所で幸せに暮らしてほしかった」
「だけど。それでも、お前が付いてきてくれて、嬉しかったんだ。お前となら一生逃避行が続いても笑ってられるだろうなって、そのくらい楽しかったんだ」
「俺は、お前がサイキッカーだから連れてきたわけじゃない。守ってもらう為でも。絆されたわけでもない。ただ、うきと一緒にいたかったんだ。」
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ウキのおめめがころんこする話。
一個前のラブラブ逃避行の別ルートで、大きなサイキックを使えば使うほど、ジクジクと右目が痛むようになる。んで、痛みの収まらないうちにまたしても猛攻が始まり、ウキはまたサイキックをつかう。いちにち、ふつかたっても痛みは収まらない。ふーふーちゃんの心配そうな顔に大丈夫だよ、見えるし、ただちょっと痛いだけ。と笑って返した。
その四日後だった。段々と痛みはひどくなって、瞬きにも鈍痛が走るようになっていた。
それでもふーふーちゃんを守るためにウキは力を使う。そして、背後からの攻撃に気づかず、後頭部を殴られてしまう。ふーふーちゃんの悲鳴が聞こえる。右目が真っ暗だった。グラグラする頭を押して、立ち上がろうとする。
ブレた視界でなにか、球体が転がっているのが見えた。
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