君に白の祝福を「先生。どうして僕の制服は白いんですか?」
彼にしてみれば当然の疑問だったことだろう。
同級生は皆黒の制服を身に纏っているのだから。
「乙骨憂太は、呪術高専で預かります。」
「いいだろう。だが、努々忘れるな。彼の力が暴走すれば、町一つくらい簡単に消えるということを。」
「分かってますよ。では。」
「五条。」
「まだ何か。」
踵を返そうとしたところで呼び止められ、内心面倒だなと思いながらも振り返る。
「乙骨憂太が要監視であることに変わりない。だから──」
「…………」
どこまでも白く、まるで彼の心を表したかのような無垢な色だ。いや、無知と言ってもいいかもしれない。
呪術など何も知らない子供が、ただ強大な力を持ったが故に危険と判断され、死刑を突きつけられた。
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