トラウマになったのはどっち?コイツは覚えているのだろうか、あの肌寒い冬の日のことを。
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糞親父が死んだ。
「人に恨まれて刺されて最期を迎えるなんて可哀そうな奴。」
当時7歳だった俺はそう思った、それ以上もそれ以下もなかった、
どうでもよかったのだ。
母と同様、葬式では涙一つ出やしなかった。
その日を境に母は酒に溺れた。
貯めていた金は減るばかりで、生活が苦しくなるのにそう時間はかからなかった。
M「…っねぇ、Rias。」
生まれて初めて弟の声を聞いた。
少し鼻にかかった癖のある声、俺よりも愛想があるような話し方。
R「どうした?」
これが弟との初めての会話、
俺たちがこの世に生を受けて8年目の暑い夏の日のことだった。
季節が秋から冬へと移り変わろうとした日、母が俺たちのことを初めて蹴った。
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