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    @7_kankankan_100

    気の赴くままに書き物。今はエク霊、芹霊。(以前の分はヒプマイどひふです)
    正しい書き方はよく分かっていません。パッションだけです。
    書きかけ多数。

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    @7_kankankan_100

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    20〜21歳くらいのどひふ。大学生独歩が安アパートに一人暮らし。
    えっちの後にコインランドリーに行く二人です。

    #どひふ
    servant

    コインランドリーまでは歩いて五分。
    深夜十一時に独歩と一二三は洗濯物を抱えてそこに向かっていた。
    独歩は一二三に留守番しているように言ったのだが、一緒にいたいとずいぶん可愛いことを言われて仕方なく連れてきた。さっきまでセックスをしていた一二三は柔らかく甘い雰囲気が抜けきらず、本当はそんな彼を外に連れ出したくなかっのだけれど。
    そんな直後だったら部屋でピロートークでもしていればいいのに、なぜわざわざコインランドリーに行く必要があるのか。それは、潮を吹いた一二三の体液でぐっしょり濡れたカバーを洗濯しに行くためだった。独歩はシーツをかけた布団にさらにパッドタイプの敷布団カバーをかけているので、少し厚手のカバーが濡れるだけで済んだのは助かった。布団まで濡れてしまったら今日は寝る場所がなくなってしまう。
    「ひふみ」
    「んー?」
    「……漏らしたな」
    荷物を持つ独歩の片腕にぴったりと寄り添う一二三の返事はやっぱりまだ声音が甘い。
    「も、漏らしてない!出たの!……いや、俺っちマジでヤバいから待ってって言ったじゃん?なのに独歩がしつこいから」
    なにも揶揄ったわけではない。独歩はただ単純に潮吹きするほど感じてくれたのが嬉しかった。一二三もそれは勘付いているが、恥ずかしいのだ。お漏らしをしたみたいで。
    もう何回か経験しているこれついて、恥ずかしいから止めてくれとちゃんと言っているのに、一二三が限界の訴えをすると独歩は絶対に聞いてくれない。これはちょっとした報復でもあるのだそうだ。外でアクシデントを起こしては独歩を振り回す一二三への甘やかな報復。
    だけど、振り回してくる一二三を許せるのも、お漏らしのようで恥ずかしがる姿を求める独歩を許せてしまうのも、結局二人とも本気で嫌ではないからだ。
    だから小学生からずっと今でも、こうして寄り添っていた。

    コインランドリーは零時には閉まる。洗濯と乾燥をするのにはギリギリの時間で間に合ってよかった。
    中に入ると乾燥機が一台だけ稼働していたが待ち人の姿はなく、きっと後から取りに来るのだろう。ここは乾燥機もひと昔前のもので、床はコンクリート、照明はどこか薄暗さを感じる年季の入ったコインランドリーのせいか利用者が少ない。独歩が来る時にはいつもシンとしているのに、久しぶりに自分が使う以外の乾燥機が動いているのを見た。

    持ってきた、一二三の体液でしっとりとしたたったひとつの洗濯物を洗乾一体型の洗濯機に放り込んだ。さっきまで一二三が快感に喘いで身をくねらせていた淫靡なそれは、あっという間に洗剤に揉まれてなんてことのないごく普通の寝具に戻っていく。一二三の存在も洗われてしまったみたいで、この後家に戻ったら早くこの上でゴロゴロしようと思った。そうして一二三の匂いが付いた布団で眠れば、次に一二三と会う日まで寂しさを紛らわせることができた。

    独歩と一二三はパイプ椅子に腰をかけて何を喋るでもなく待った。激しい運動をして二人ともだいぶ眠いのだ。洗濯機の音は一定のリズムを刻んで眠気を誘ってくる。時間もそうだし、特に一二三は気怠るさも相まってうつらうつらし始めた。
    寝てていいぞ、と独歩が言うと、一二三は独歩の肩の寝心地のいいところを探してもぞもぞとしてまるで子猫だ。ようやくしっくりする位置を見つけたのか動きが止まるところっと寝てしまった。
    独歩は脱力している一二三の手を取ってスンと匂いを嗅いだ。部屋を出てくる直前、色々と濡れた体を洗うために一緒に風呂に入ったのだが、ドラッグストアで安売りされていたボディソープの香りも一二三から漂うと愛おしく感じた。

    ガタガタと立て付けの悪い音を立ててドアが開く音がして、独歩は目を覚ます。どうやら一二三と一緒にうたた寝してしまったようだ。
    独歩たちが来た時に回っていた乾燥機の中身の持ち主のようで、乾燥機はいつの間にかその仕事を終えていた。あとは独歩たちの洗濯物が回っているだけだ。
    洗濯物を取りに来た男は独歩たちを一瞥する事もなく真っ直ぐ自分の洗濯物を取り出していた。狭い空間に知らない人間と同席する居心地の悪さに、独歩は一層一二三にくっつき男が出て行くまでの時間をじっと耐える。
    しかし、男は備え付けのテーブルの上で洗濯物を畳み始めた。そんな事家に帰ってしてくれ!と独歩が心の中で叫んだとほとんど同時だった。寝ている一二三が「んあ…」と艶めいた声を出した。
    瞬間独歩は血の気が引いた。寝言をこぼした一二三が見ている夢はきっと、いや絶対にさっきのセックスだ。夢の中で喘いでいる。他人がいるっていうのになんて声を出しているんだ。
    「ん、ん、あ、どっぽ…まって、い…くぅ……」
    早く起こさなければと焦っていたら一二三は起きているんじゃないかと思うくらい上手に喘いでもじもじしている。洗濯機の稼働音では誤魔化せないほどのそれに、独歩は洗濯物を畳んでいる男が気になって振り向くと……ばっちりと目が合った。
    「すすすすいません!ひ、ひふみ!起きろ!」
    すやすや眠っている一二三の肩を揺さぶると、はっと起きた一二三は辺りをきょろきょろ見回して自分の置かれている状況を把握していた。そうだ、独歩とエッチした後、コインランドリーに来てたんだった、と独歩の焦りとは裏腹に一二三無邪気にわはっと笑って、
    「えっちな夢見てた」
    「…………知ってる」
    「え!なんで?どっぽちんエスパー?」
    どこからどう説明していいか分からなくなった独歩が頭を抱えていると、独歩たちの洗濯物も終わったようで急にシンと静まり返った。
    ガタガタ。もう一度ドアの開く音がして、あと少し早く出て行ってくれていたら良かったのに、このタイミングで洗濯物を畳み終えた男が出て行こうとした。
    「金髪のおにーちゃん」
    すると一二三を呼ぶものだから、独歩は反射的な警戒心で一二三の肩にかけていた手に力がこもった。俺の一二三に軽々しく話しかけないで下さい。
    「んえ、俺っち?」
    「そうそう。君、寝言でエッチな声出てたよ。かわいいね」
    独歩は今度こそ警戒心剥き出しで一二三を引き寄せ胸に抱えた。ドッドッ、と独歩の心臓の音が激しく鳴っているのが一二三の耳に流れ込んでくる。
    男はそんな独歩の様子を愉快そうに微笑んで出て行った。
    程なくして、あと五分でドアが自動施錠されるアナウンスが流れたので独歩は急いでシーツカバーを取り出し、一二三の手を引っ張ってコインランドリーを後にした。
    住宅の並ぶ静かな道に、独歩を呼ぶ一二三の声が聞こえるが注意する気も起きずに一二三の手を握ったままずんずん前に進む。
    ああ、やっぱり連れてくるんじゃなかった。これも全部、一二三に甘い俺のせい俺のせい俺のせい……
    独歩はアパートに戻り、玄関のドアを閉めると一二三を睨んで宣言した。
    「今度抱く時は歩けなくなるくらい抱くからな」
    独歩はどうしてだか怒っているようだ。その理由を独歩のセリフから、きっとえっちし足りたかったんだなと思った一二三は期待を込めて元気よく返事をした。
    次回、その言葉通りの事を実行されて、一人で留守番する事になるのも知らないで。
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