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    @7_kankankan_100

    気の赴くままに書き物。今はエク霊、芹霊。(以前の分はヒプマイどひふです)
    正しい書き方はよく分かっていません。パッションだけです。
    書きかけ多数。

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    @7_kankankan_100

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    それなりにエッチな写真を送り合うどひふ
    (書きかけです)この後独歩のターンです。

    #どひふ
    servant

    独歩は体調によってセックスのアプローチが大きく変わる。疲れているとがっついてくるし、それほどでもなければそれなりに、元気であれば前戯が長い。まるで空腹具合によって食事量が変わる様だ、と一二三は思っている。独歩の思考回路は複雑だが、行動は分かりやすい節があった。
    しかし、普通は疲れていたら体力を使うセックスはおざなりにならないだろうか。店に来てくれる子猫ちゃんの中にも「彼氏が仕事で疲れてて全然相手にしてくれない」という愚痴がこぼれることもあるのだし。
    とはいえ人間は千差万別、独歩には独歩の性質があるのだろう。

    それを踏まえると、昨夜の独歩はやはり元気だったという事だ。前戯が長かったのだ。たっぷり一時間はあっただろうか、実際に計っていないから詳しくは分からないが、一二三にはそれくらい長く感じた。
    そういえばここ最近、ハゲ課長の話も取引先の話もほとんど聞いていなかった。独歩の身の回りだって常に嵐なわけじゃない。残業は相変わらずだが、ちょうど凪いでいる時期のようだった。

    一二三は胸元のむず痒さを感じて、コトコトと煮物を煮込んでいる鍋の前でそこに手をあてた。胸元、特に突出したそこだ。乳首がどうにもムズムズして、あてがった手の指が掠めた瞬間にビクッと肩が跳ね、昨夜の事が思い出された。

    * *

    他愛ない話も交わしながら独歩に全身を唇で辿られる。足先、指先、お臍の周り、頰に額。ひっくり返されて、肩、背中、背筋、腰周りはやけにじっくりだった。ちゅっちゅ、と後が残らないくらいの吸い上げはくすぐったくもあり、だけど可愛がられている事を教え込まれるには充分な存在感だった。
    そして最後まで触れられなかった場所がある。
    あちこち触れられている間、なかなか触ってくれないので早く触ってくれと主張するかのように芯をもってツンと膨らんでしまった乳首だ。独歩がようやくそこにたどり着くと、ぷっくりと顔を出している一二三の乳首を見てふっと笑った。

    「はは、早く触ってほしいみたいだ」
    「……っ!そう、なんだってば……今日の独歩何……? やけに丁寧じゃん」
    「え!? いつも雑だったか……?」
    「んや……そーいうわけじゃないけどぉ……」

    独歩はいつだって雑だったことなんてない。きちんと一二三を気持ち良くするし、むしろ一二三が気持ち良さそうにしていないと気持ちが上がらないようだ。一二三が体調不良を隠して中々感度が上がってこない時なんかはすぐに勘付いて手を止めてくれる。決して自分だけ挿れて出して終わり、だなんてした事はない。お疲れの時のがっつくようなセックスだって、始めから性感帯に触れてくるだけだ。

    ただ、丁寧なのは悪くないが、未だはっきりとした性感帯はまだどこにも触れられていない一二三は少々じれったくなってきている。
    もしかして、と一二三は思った。

    ── もしかして、独歩今日元気いっぱいな日?

    時間のかかるねっちりとした前戯は体力が保たないので調子が良くないとできない、と以前そんなことを独歩の口から聞いた気がする。
    確かに、達して息を整えている間に寝落ちしてしまった時の独歩は口に出すのも憚られるほどの連勤を終えた日だった。子孫を残さずして死ねるかと言わんばかりの必死さは今思い出すとちょっと笑える。

    一二三が笑いを浮かべそうになっていると、いつのまにか独歩は吸い上げる愛撫でみぞおちから胸に向かって来ていた。ジムで鍛えた薄く盛り上がった一二三の胸の頂点にだんだんと近づくにつれて、心臓も高鳴りも増していく。

    「んっ……! んう……ん」

    焦らされたうえに高まっていた期待のせいで、ようやく独歩にそこを吸われると一二三の脳内は一気に甘く痺れた。反射で背中が浮いて、必然的に独歩に胸を押し付ける形になった。

    明確な刺激があった事でようやく一二三の声が上がって、独歩もいよいよ興奮が増してきた。押し付けられた一二三の胸にむしゃぶりついて色素の薄い乳輪ごと血液を集めるよう吸い上げる。そうするとじぃんと痺れて堪らないのだそうだ。

    独歩の強い吸い付きは少しの皮膚の引きつりを感じて、それがまた刺激となった。我慢できずに、一二三の足先はカシカシとシーツを引っ掻く。
    まだここを触り始めた頃は刺激とはほど遠いくすぐったさだったのに、今やすっかり作り変えられて、もう乳首への愛撫がないと物足りないくらいだった。

    ちゅぱっちゅぱ、と吸う合間の息継ぎで漏れる水音は、棒付きのキャンディーを舐めるのと変わらないはずなのにベッドの上でだと驚くほど卑猥だった。

    「ん、ふふ、エッチな音。あっ……ん」
    「ひもひいか、ひうみ」
    「きもちいよ。どっぽはおいしそうだね」
    「ふはっ、味なんてしないんだけどな。でも美味く感じる」

    独歩は一旦口を話すと見下ろしてきた、その表情は何か言いたげだが、なかなか言葉が出ないようだった。心当たりが何もない一二三は独歩が何を言い出すのか予想もできずに、四つ呼吸をしてからようやく喋り出すことになる彼を待った。

    「あのさ」
    「うん」
    「乳首だけでイかせてみたいんだが……」

    ダメか? という所まで言い切らずに、独歩は眉尻を下げて小首を傾げた。完全にお願いの仕草だった。
    一二三は乳首だけでなんかイけないと思うけど、即座に返答が浮かんでいたのに、それよりも先に独歩のお願いを目にしてしまって言葉がグッと喉で詰まった。

    叶えてやりたい、とそう思ってしまう。一二三は独歩の喜ぶ顔にうんと弱かった。小さい頃から警戒心も強く弱気な独歩の表情はいつも冴えなくて、でもその分笑顔見ると心から喜んでいるのだろうと分かるのだ。二人の時は色々な表情を見せるけれど、それでも喜んだ顔は特別だった。
    しかも、普通に触られて気持ちいいのだからイきそうなほどの触られ方とは一体どんなものだろうかと好奇心が疼く。

    一二三は考えるように視線を彷徨わせた後、いいよ、と言った。

    結局、一二三は乳首だけではイかなかったが性器が反り返るほど感じてしまった。
    独歩は知らない間に勉強していたのだろう。一二三が知らない触り方ばかりしてきたのだ。
    乳輪の周りを指で引っ張って広げて、突起には触れずに周辺だけを舌先でちろちろと舐められたり、全ての指の背をリズミカルに滑らせたり。いつもの吸ったり摘んだりよりもじれったいのに、だからこそ次の刺激をもっともっと欲しがってしまう。セックスは時間をかけて触れ合うことでリラックスして性感が高まるがまさにそれだった。

    挿入の合間にもしっかり弄ってくるので、もう何度かやってみたら本当に射精するんじゃないか、とすら感じて、まだ独歩によって作り変えら部分があるのかと嬉しく思った。

    * * *

    あんなに弄られてまだ過敏になったままなのだ。一二三は服の上から触ったそこからじんわりと熱が広がっていくのを感じた。
    出勤前の数時間、夕食の作り置きをしている途中だというのに、一二三は我慢できずに服の裾から手を忍ばせて昨夜独歩に可愛がられた乳首にそっと触れた。散々触られたのに擦れた痛みなどが残っていないのは独歩がきちんとローションを使ってくれたからだ。そのぬるつきもあって余計に気持ちよかったのかもしれない。
    一二三はオナニーをする時に乳首を弄ることはないので、自分でやるのは勝手が分からない。独歩の手付きを思い出しながらツン、ツン、と触れてみるとすぐに胸が反れて突き出す形になった。

    「う……なにこれ、めっちゃ気持ちい……」

    スリスリ指の腹を滑らせてみるとあっという間に熱が体中に広がって腰まで疼いてきた。軽く摘んでみると今度は力が抜けて上半身を調理台の上に伏せてしまった。煮物はまだ出来る気配はなく、醤油のいい香りをさせて煮込まれている。こんな所でいけない、と頭の隅で思いつつも、もう股間も腫れてきて動く気力がなかった。
    だんだんと服に挟まれて手の動きが制限されているのが煩わしくなって、一二三は服をたくし上げエプロンを横にずらして胸元を露わにした。ちらっと見てみると、たっぷり弄られたせいか心なしか色付きが濃ゆい気がする。
    半日たったこの状態の乳首を独歩は知らないだろうなと思った一二三はしばし考えた後、スマホを手にして撮っていた。服をたくし上げ、エプロンの裾から覗いた乳首を。
    光源がよかったのか思った以上に綺麗に撮れていた。これを見たら独歩はきっと驚くに違いないと悪戯心が働きメールに添付して送信した。「美味しそうに撮れた」というメッセージと共に。

    ↓↓↓↓↓↓↓ここから上の続き

    乳首を触るのは気持ちよかったが、このまま続けたらお尻の方も弄りたくなってしまうかもしれないので止めた。仕事前にそれはまずい。一二三は仕事になれば舞台に上がった俳優のように私生活を感じさせない態度を取る自信があるが、時々恐ろしく勘のいい子猫ちゃんがいる。

    一年に数回、独歩が一二三の出勤を見送れる日があるのだが、仕事前だというのにお互いについ盛ってしまった事がある。すると「一二三、なんだか今日はいつもと雰囲気違うね」とズバリ当てられたのだ。それを言った子猫ちゃん自身も何がどう違うかは説明できないようだったが。

    シャワーを浴び、身だしなみを整えて化粧をしている間も妙に胸元がそわそわする。仕事に集中しなければならないのにどうしたものかと考える一二三の脳裏にはアレが浮かんでいたが、客観的に見て恥ずかしすぎる。しかし他にいい方法も思いつかないので、一二三は仕方なく……仕方なく、乳首が擦れないように絆創膏を貼ってみた。するとほぼ気にならなくなったのでホッと胸を撫で下ろした。
    こんな事をする羽目になるのなら、独歩にはもう今まで通りの触り方にしてもらえばいいだけなのだが、一二三はそうは思わなかった。

    一二三の乳首を愛撫している間、独歩には何か刺激や快感があるわけではない。それなのに、一生懸命気持ち良くしてくれようとしているし、心も体もとろとろに溶かされていくことに堪らなく満たされた。この世の不安なんて何も感じないくらいに。
    だから恥ずかしいいことは恥ずかしいのだが、これくらいはなんて事はないのだった。


    * * *

    他の部署はどんどん帰宅の途に着く定時過ぎ、独歩はまだ取引先から帰社もしていなかった。ほとんど静かになった会社戻れば、片付いていない書類やら目通ししておかなければならない資料が厚みをもって独歩出迎える。
    何も残業は独歩だけではない。社内でも随一の残業の多さを誇る営業部は、定時など知らないかのようにデスクに向かっている同僚たちが未だに忙しなく働いていた。

    凝りのくるデスクワークを前に、大きなため息をついた独歩が体をほぐそうと両肘を開いたその時だった。デスクの椅子の背に掛けてあるスーツのジャケットから、メッセージを受け取った通知音がかすかに聞こえたのだ。デスクの隅に置いておく社用のガラケーとは違う私用のスマホの方だ。
    独歩のスマホには家族と寂雷と一二三の連絡先くらいしか入っていないので、その内の誰だろうかと考えながらメッセージアプリを開くと、一二三からだった。晩ご飯の連絡だろうか。いつもいつもありがたい事だ。くたくたになって仕事を終えた帰宅途中は、約八割の思考が帰って早く寝たいということだ。後の二割は、せめて風呂に入るか、ちょっと何か食べるか、ということ。その少ない思考能力で何を食べようか考えるのはなかなか難しい。ゼリー飲料か固形栄養食を手に取るのが関の山だ。
    しかし、一二三のおかげで家に帰れば食事が準備されていて、何を考えるでもなく食べられるのだから一二三様様だった。今度何かお礼をしなければ。

    メッセージの内容は『美味しそうに撮れた』と、やはり晩ご飯のことのようだった。珍しく画像付きだったが、その画像はなぜだかワンクッションを挟んでいて、タップした後に画像が表示される仕様になっていた。
    独歩は一瞬、何も考えずに画像をタップしそうになったが、あの直球な一二三がわざわざこんな回りくどい事をするだろうかと、画面のかざした指を直前で止めた。何か裏がありそうだと察知して、独歩はせっかく座ったデスクから一旦離れた。
    営業部を出ると、日中だったら他の部署の人も行き交う廊下はシンと静かだった。人目の無い場所を探さずとも入り口ドア辺りで良さそうだ。念のため、独歩はきょろきょろと左右を確認した後に、改めて一二三から送られてきた画像をタップした。
    独歩は息が詰まった。開かれた画像には、一二三がいつも着ているモノクロボーダーのエプロンの隙間から乳首が見えているではないか。あのまま自分のデスクで画像を開いていたら、誰かに見られていたかもしれない危機一髪の状況だった。独歩は危機を免れた事にホッとしてようやく呼吸を再開した。

    ワンクッション置いたとはいえ、一二三は一体なんてものを送ってくるのだろうか。独歩は呆れつつも、昨夜だいぶ盛り上がった事を考えると怒るに怒れなかった。

    人目がないのは分かっていたが、条件反射でスマホを体に押し付けて隠していた画面をそっと離して再びそれに目をやる。
    昨夜散々弄ったからか、一二三の乳首はいつもより色づきが濃い気がした。画像全体の中では小さいパーツなのに一番目立っていた。
    しかし、なんでエプロンなんて着けているのだろうか。画像は胸元のアップだったが、よく見ると背景はキッチンのようだ。キッチンでエプロンを着けているという事は料理中だったのだろうか、とそこまで考えて独歩はハッとした。

    ── ま、まさか、料理中に昨夜を思い出してムラムラした……とか!?

    なんだそのエロいシチュエーションは……、と独歩は頭を抱えた。
    何か返信をしなければと思うものの、いい返しが思いつかなかったので絵文字をひとつだけで返す事しかできなかった。

    * * *

    それから五日が経ち、二人は見事にすれ違い生活を送っていた。準備された食事に添えられたメモと、少しのメッセージのやり取りだけ。
    一二三は意外にもメッセージになるとそううるさくはなかった。直にコミュニケーションを取る方が都合がいいのだろう。なので独歩は返信の負担を感じることはなかった。まあ、一二三は会った時にそれを一気に昇華しようとするので喋り倒されるのだけど。
    しかし、すれ違い生活に戻ると、六日前あの日は色々と好条件が重なったのであんなにじっくりとセックスできる時間を取れたのが嘘のようだ。そのせいで独歩はあの日の夜をたびたび思い出してしまっていた。

    今日も終電帰宅をきめた独歩は、帰ってくると出迎えてくれるのは一二三が作ってくれた夕飯で、そろそろ一二三本人の顔を見たいな、などと思いながらおかずを温め直していた。キッチンでオレンジ色の光を放つ電子レンジを見守っていると、ふと自分の立っている角度に既視感を感じた。
    確か、五日前に一二三から送られてきたあの画像は電子レンジを背景にしたものではなかっただろうか。
    一二三はここに立ってあんなけしからん……いや結構な写真を撮っていたのだ。電子レンジから温めの終了音がしたというのに、独歩の思考は六日前に飛んでしまって動けないでいた。(一二三の痴態を映し出していた。

    乳首であんなに感じてシーツがくしゃくしゃになるほど悶えて、挿入しながら弄ったら中がきゅうきゅう絞まって。

    独歩は思い出しながら、股間がしっかり反応しているのを感じた。視線を落とすとスーツの布地に性器の形が浮き出ていて、六日前の事でもこんなに反応してしまう夜だったという事だ。
    ( 一二三の乳首開発のために勉強した、乳首への愛撫四十八手もまだ三つしか試せていない。早くまたやってみたいという気持ちが逸る。)

    こんな事普段は絶対にやらないのだが、一二三が先にやってきたので独歩も同じような写真を撮って送ってやろうと閃いた。
    とは言え、どこを撮ったらいいだろうか。一二三みたいに気持ち良かった部分だと自分の場合は……股間、はさすがに変態なので、一二三を煽ることができるようなものを必死に考えた独歩はおもむろにワイシャツの裾をズボンから抜き捲り上げた。
    左手でそれを胸元まで上げて腹部を露わにする。そしてインカメラにしたスマホを右手に構え自分に向ける。初めてかもしれない自撮りに悪戦苦闘した。
    なんとか撮り終えたが、三十路手前の鍛えてもいない体を改めて見ると、こんなので煽ることができるのか心配になる。しかし温め直したおかずも熱々ではなくなってしまうほど時間を使って、勿体無いので送ることに決めた。

    * * *

    独歩にあの写真を送ってから五日目。時間が合わずに顔も合わせない日々が続いて、一二三はそろそろ独歩としゃべりたいな、と思っていた。電話も少しはするが、連絡事項にとどめている。おしゃべりをしだすと止まらなくなってしまう自覚はあった。自分の見聞きした事をたくさん伝えたい。
    それに、あの写真への返事がスタンプ一個だったのが気になっていた。何やってんだ、って呆れられる予想もしていたがそれに反してなかなかの好反応だった。ただ、返信のスタンプがさくらんぼだったのにはひとしきり笑ってしまったが。

    敏感だった乳首もすっかり落ち着いて二日目で絆創膏は必要なくなった。もうしばらくはあんなにじっくりと時間を取ってのセックスはできないだろうけど、次に会えるのはいつだったかと、一二三は仕事終わりにスマホのスケジュールアプリを開いた。
    ここのところ毎日アフターが入っていたが今日は久々に予定がなく、日付が変わって一部の営業が終われば一二三はこのまま帰るだけだった。寄り道しないで帰宅して、もしも独歩がまだ起きていたら会えるかもしれない。しかし、独歩だっていつもいつも終電帰宅ではない。今日はもう眠ってしまっている日なら、また寝顔を眺めてその目元にキスを送るに留めようと考えていた。

    スケジュールを確認し終えると、独歩から画像付きのメッセージがきているのに気がついた。普段、数文字の返信が当たり前の独歩が何を撮って送ってくれたのか、と胸を踊らせてメッセージをタップする。すると一二三は息が詰まった。あまりの事に足元がよろめいて、他にも帰り支度をしていた同僚や後輩たちの視線を集めてしまった。

    「一二三、どうした大丈夫か」
    「いや、なんでもないよ」
    「今日はだいぶ飲んでたんじゃないか?」
    「ああそうだね。子猫ちゃんたちの応援は多かった日だけれど、本当に酔っているわけではないから、心配しないで」

    大丈夫だと言わんばかりに完璧なウインクをしてみせればそれ以上言及はされなかった。アルコールでは酔っていないのだ。愛しの男から送られてきた、たった一枚の写真には酔ってしまったけれど。

    帰宅のためのタクシーが店の前に着いたとボーイに声をかけられたので、店のみんなに挨拶を済ませて乗車をした一二三は再びスマホを取り出した。店ではあれ以上写真を眺める事ができなかったので、ようやくじっくりと眺めると、一二三ドキドキと心臓の音が大きくなっていくのが分かって、堪らない気持ちになった。
    帰ってきたまま撮ったのだろうか、仕事着のシャツを捲り上げて腹部を撮るといういかにも男をアピールする写真に、率直に興奮を覚えたのだ。触れ合いを思い出すと体がすぐさま反応してぞくぞくする。たくさん弄られた乳首も何も触れていないのに、じぃんと痺れるような感覚がして一二三は顔を伏せて堪えた。運転手からは見えないだろうが、人がいるのに胸元に触れたいだなんてはしたなさが過ぎる。

    ── 独歩がこんな事してくれるなんて、きっとあの写真を真似してくれたんだろうな。

    こんなものを見せられてしまっては、会いたいという気持ちがはっきりと顔を出した。この写真は今撮ったものならきっとまだ起きているだろうが、念のために起きているのか短いメッセージを送ってみた。すると間髪入れずに、起きていると返ってくる。
    帰宅の道のりは車で十数分程度だ。そんなことをしているうちに、起きている独歩に返事を送るよりも前に自宅マンション前に到着した。もうこうなったら家の階まで駆け上がって行く方が早い。一二三は仕事終わりには似つかわしくない軽い足取りでタクシーを跳び下りると、独歩の元へと急いだ。

    深夜なので一二三は逸る気持ちを抑えて静かに玄関を開けると、そこに独歩の靴が揃えて置かれているのを目にしただけでキュンとしてしまった。
    疲れて眠る直前かもしれないが、あれは独歩が悪い。きちんと独歩に触ってもらわなければ一二三の疼きは治らない。

    明かりが点いているので、独歩はリビングにいると思ったのだがそこに姿はなかった。電気の付けっ放しで就寝はしないだろうから……と居そうな場所を推測して浴室に移動する。ドアを開けると独歩はちょうどお風呂に入るところだったようで、服を脱いでいる途中だった。

    「うわっ! びっくりした。……おかえり?で合ってるのか?さっきあんなメッセージあったからアフターあるのか返事返したんだぞ」
    「ただいま、独歩くん! すまないね、それより先に家に着いてしまったよ。今日はアフターはなかったんだ。五日ぶりだね、会いたかったよ」

    ジャケットを着ているうえに仕事用のメイクをしている時の一二三は一段とキラキラしている。気心が知れた仲とは言っても独歩はそれなりの圧を感じて、そのうえ自分は半裸なものだからたじろいでしまった。
    しかも、さっきあんな写真を送って、今更ながら恥ずかしくなってくる。一二三に笑われる前に風呂に逃げてしまおうと向こうを向いた瞬間だった。一二三に肩を掴まれて正面から抱きしめられたのだ。

    「独歩くん、どうして逃げるんだい?」
    「わ、笑うなら笑ってくれ……! お前に感化されて調子に乗って……おっさんのあんなひょろひょろな体晒して、ううう」
    「笑う? 何を言ってるのかな? むしろ僕を煽っておいて逃げるだなんて許さないよ」

    独歩と触れ合って一二三の体はいよいよ熱を帯びてきた。独歩らしくないメッセージだと思った通りあんな写真を送って後悔しているようで、これ以上逃げないようにキスをして独歩の口を塞いだ。

    「ひ、ひふ……んむ! んんん!」
    「ダメ、だよ。……ん、ろっぽくんの……ん、ちゅ、せいで、ぼくはもう……ほら、触ってくれないか」



    まだ続く
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