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    @7_kankankan_100

    気の赴くままに書き物。今はエク霊、芹霊。(以前の分はヒプマイどひふです)
    正しい書き方はよく分かっていません。パッションだけです。
    書きかけ多数。

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    @7_kankankan_100

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    🥂のためにある場所を貸し切りにした👔の話の途中まで。
    あまりに淡々と場面が進んでるので不安になって一旦放流してみる……それで不安が消えることもあるので。

    「一二三、次の休みに予定はあるか?」
    三日ぶりに顔を合わせた独歩は別段前置きもなくそう聞いてきた。二人の予定はキッチンにあるカレンダーに書き込まれいるので、一二三の休みは明後日だと分かっている。独歩が仕事を早く終わらせて(終わらせられるのか怪しいところだが)呑みにでも誘ってくれるのだろうか、と思ったが独歩の口から出た言葉は意外なものだった。
    「別にないけど。家でゆっくりしよっかなーって」
    「良かった。じゃあちょっと早いけど朝の六時くらいに出掛ける準備ができるようにしておいてほしいんだが」
    「六時⁉︎なんでまたそんな早くに。独歩ちん仕事は?」
    「ある。けど間に合うようにできるから」
    「なに、出掛けるってどこ行くの」
    「それは着いてからのお楽しみだ」
    独歩がニッと笑うので、一二三は一気に胸に期待が広がった。独歩が何か企んでいる。それもきっと楽しい事だ。一二三は独歩の周りをうろちょろしてどこに行くのか聞き出そうとするが一貫として秘密だ、と返ってくる。独歩が何かを計画する時、毎回この流れになるのでもはや様式美である。

    一体どこに行くんだろう。独歩は休みは滅多に取れないけれど、時間調整をして勤務中にほんの少し隙間時間を作ることができる。社外に出る業務のある営業ならではだが、時間外の呼び出しが多い車内随一の激務でもあるのでこれぐらいは許されてもいい。お天道様だって見逃してくれるのだ。
    先日はブランチを一緒に食べたし、それの前はさすがにまずいんじゃないかと笑い合ったがラブホテルでちょっとだけイチャついた。バレないように、人が寄らないような、未だに営業をしているのかと思うような昔ながらのホテルだ。もちろん独歩のスーツ姿が目立たないように一二三が変装道具のパーカーを持ってきて。勤務中にけしからん!なんてお小言はノーサンキューだ。その時はすでに二十二時で、すでに時間外労働だったし独歩はその後すぐに会社に戻らなければいけなかったのだから。
    それも二ヶ月ぶりの情事だったので燃え上がった。昼間、取り引き先にぺこぺこ頭を下げていた独歩が雄の顔をして主導権を握り一二三に騎乗位を促したり、うつ伏せの一二三の尻も上げずに後ろから突いたり。そして、もしもこの後仕事だと言われたら無理なほど一二三はとろとろに溶けたというのに、独歩は元通りのぺしょっとした顔に戻って会社へと帰って行ったのだ。文字通り一二三はすっかり喰われてしまった。

    あん時の寝バックはやばかったな……。独歩、覆い被さってきて重くって圧力でゴリゴリに中感じたし。

    その時からいくらか時間が経っているのに時々思い出してしまうほどの夜だった。しかし、今はそれは置いといて、明後日に独歩がどこに連れてってくれるのかが楽しみだ。一二三は仕事中も子猫ちゃんたちに機嫌がいいのね、と言われる上機嫌ぶりだった。

    二日後、一二三は約束通り早くに起きると。独歩に今日は朝ご飯の準備はいいと言われた。昨夜に明日のお弁当は必要ないと言われていたのでそれの準備もなくどうにも手持ち無沙汰だ。仕方がないので、髪をいつもより時間をかけてセットした。
    独歩はというとスーツを着込んで仕事に行く準備はバッチリのようだ。
    「分かった!朝早くからやってるとこに朝食食べに行くんだろ」
    「違うな。朝食も食べに行くけど本件は別で、多分考えても分からないと思うぞ」
    そんな事を言われたら悔しくなって意地でも当てたくなってしまうが、まあ黙ってついて来い、と家を出るだけなのに手を取られてしまう。エスコートというほど丁寧ではないが、そこまでするなら黙って連れられてやろうと一二三は大人しく独歩に手を引かれて後ををついて行った。
    電車で移動をするのかと思えば、自宅マンションから少し歩いた駅裏にあるコインパーキングに独歩の会社の社用車が停められていた。
    「何これ。昨日乗って帰ってきたの?」
    「ああ。今朝の用事が終わったら会社に出勤しないで直で取り引き先に出向く予定にしてあるんだ」
    「そーゆーことね。でもでも今は私用だろ。使っていいん?」
    「う……やましい事はしないし、ガソリンも自分で足すし、まあいいかと。いや、でもそうだよな……これ職権乱用になるよな……っ」
    「だー!うそうそ、これくらいどーって事ねーって!てか、独歩の会社の方が労働法を著しく逸脱してるだろ。プラマイゼロだって。なんかあったら俺っちが証言すっからさ」
    独歩が考え込みそうになったのをなんとか寸でのところで止めることができた。せっかく楽しい事が待っているというのに水を差してしまうところだった。
    一二三は気を取り直して、独歩より先に助手席に乗り込むと期待のをふんだんに込めた目を向けて笑う。それを見れば独歩ももう何かを気にすることなく車に乗り込んだ。

    目的地までは車で数十分ほどで、新宿の西側にスポーツ施設が一挙にまとまった区域があり、独歩はそこを目指していた。朝早いこともあって街並みはまだ静かだ。一二三も窓の外をのんびりと眺められている。窓枠に肘を置きリラックスした様子だったので独歩も気分が良くなって何か曲でも聞きたくなった。
    「一二三、何か歌ってくれないか」
    「いーけど、何かって何〜。リクエストでもしてよ」
    そう言われても本当になんでもよかったので独歩は返答に詰まってしまった。いっそ童謡でもよかったのだがさすがにそれは違う気がする。その時視界の右端にショッキングピンクの街頭広告が目を掠めて独歩はふっと思い出した。最近めっきり聞き直していないが学生時代に一二三とよく聴いたあれにしよう、と。
    「そうだな、ニッキーのあの曲覚えてるか」
    「うわっ、懐いの出てきた。ラップんとこ歌えるか練習したな〜」
    リズムの早い英語のラップがノリが良くて聞いていて楽しい曲だ。
    「サビの部分なら覚えてるからいいよ」
    言うなり一二三はすぅっと息を吸って歌い始めた。一二三の声質にも合っているそれは、十六符のリズムが車の窓を流れる街並みの速さにぴったりだった。リズムと何かがかち合った時ほど気分が高揚する事はない。独歩は楽しくなって、無意識にハンドルを持つ指がリズムを取っていた。
    「この曲って体が勝手に動くよな。今から行くとこ、こんな楽しくなって大丈夫?大人しくしといた方がいい?」
    「お前が大人しくできるのかよ」
    「嫌味じゃん。まあ事実だけど……」
    「ははは。今から行くとこは平気だよ。楽しくなっててくれたほうがいい」
    運転しているので一二三の方を向けないが、それでも彼が唇を尖らせているのは見なくても分かった。普段は分かりやすい表情をするのだ、一二三は。

    目的地の駐車場に入っていく際、看板が見えなくて一二三はなんの建物かは分からなかった。
    先に朝食を食べよう、と施設の隣にある早朝からやっているカフェに入った。窓際に座るとカフェからはその施設の入り口辺りが見える。そこでようやく一二三はなんの施設なのかが分かった。
    「え!まさかスケートリンクに行くのかよ」
    店内なので声は抑え気味に、だけど隠せない興奮を滲ませて。
    「正解」
    「んん?でもこんな時間から営業してんの?」
    「ここの一般営業は午後からなんだ。午前はレンタルリンクになってて、朝一番からの一時間を貸し切りにしたから何も気にせず好きなだけ滑れるぞ」
    なんで、どうして?一二三は聞きたいことがたくさんあって、程なくして運ばれてきたモーニングセットのクロワッサンを丁寧に千切り、口に放り込みながら聞いた。
    「貸し切りって俺っちたちだけってこと?」
    「そうだけど」
    「なんでそんな急にセレブリティーなことを」
    「貸し切りは一般人でもするだろ。一二三にはいつも家の中のこと任せっきりだからお礼みたいなものかな」
    その一言は、一二三には引っかかるものがあった。
    家事に感謝してもらえるのはありがたいが、だからと言ってどうしてわざわざ貸し切りにしてまでスケートを選んだのか。それにお礼にしてはちょっと値がはる。独歩の言った通り、セレブでなくとも一般人でも貸し切りをしたりするが、それは記念日などではないだろうか。感謝を伝える贈り物はもう少しささやかであっていい。もしかたらお礼と言ったのは建前かもしれない。真意が他にある気がしたが、これから楽しむという前に根掘り葉掘り聞くのは野暮だと思ったので一二三は質問はそこまでにしておいた。
    コーヒーも残りわずかという頃、お皿はすっかり空になっているはずだが独歩は二つあったクロワッサンのうちまだひとつだけを残していた。
    「一二三、クロワッサンいるか……?」
    「なんで?苦手だったっけ?」
    「味は美味いけど、ボロボロになるから苦手なんだよ。あとひとつやるよ」
    確かにお皿の上にはカケラがたくさんだ。噛り付いたのだろう、口の端にもカケラをくっ付けた独歩はお皿を一二三のトレーへと渡した。
    「わはっ、どっぽちんはハンバーガーやシュークリーム食べるのも苦手だもんね」
    「さ、魚は上手く食べれるぞ!」
    「うんうん、魚はお手本にしていいくらい上手な食べ方だよな。いーい?クロワッサンはこう食べれば割とスマートにいけるよ」
    一二三はまだ綺麗なままのクロワッサンを掴み、千切る指に少し力を込める。すると表面が押さえられてカケラは少し落ちるだけで済むのだ。
    「ほら、あーん」
    一二三は食べやすいようにきちんとパンの端をつまんで独歩の口元へと寄せた。家でならまだしも外でこういう事をされると独歩は人目が気になってしまうが、席はテーブルごとに仕切られていたので店員が通り過ぎた瞬間を狙って一二三が差し出すそれにかぶりついた。パンは食べやすいようにつままれていたにも関わらず、一口の大きい独歩によって一二三は指先まで食べられてしまったのだった。

    七時を少し過ぎると利用時間はもうすぐだ。カフェからスケート場へ移動して受付を済ませる。貸し切りなので当たり前だが誰もいなくて、一二三はなんの気兼ねもせずに辺りをきょろきょろと見回していた。利用規約や注意事項、ここのリンクで練習をしているアイススポーツの選手たちの写真なんかが飾られていて、生まれて初めてスケート場に来た一二三は興味深く眺めた。
    ロッカー室のすぐ向こうがリンクのようですでにひんやりとした空気を感じる。
    しばらくすると独歩が貸し靴を手にしてやって来た。それから上着とジャージのズボン。
    「その格好じゃ寒いって言われたし、転んだらスーツは濡れるからって。全部レンタルがあった。ヘルメットと肘当てはリンク脇にあるって」
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    recommended works

    @7_kankankan_100

    MAIKINGそれなりにエッチな写真を送り合うどひふ
    (書きかけです)この後独歩のターンです。
    独歩は体調によってセックスのアプローチが大きく変わる。疲れているとがっついてくるし、それほどでもなければそれなりに、元気であれば前戯が長い。まるで空腹具合によって食事量が変わる様だ、と一二三は思っている。独歩の思考回路は複雑だが、行動は分かりやすい節があった。
    しかし、普通は疲れていたら体力を使うセックスはおざなりにならないだろうか。店に来てくれる子猫ちゃんの中にも「彼氏が仕事で疲れてて全然相手にしてくれない」という愚痴がこぼれることもあるのだし。
    とはいえ人間は千差万別、独歩には独歩の性質があるのだろう。

    それを踏まえると、昨夜の独歩はやはり元気だったという事だ。前戯が長かったのだ。たっぷり一時間はあっただろうか、実際に計っていないから詳しくは分からないが、一二三にはそれくらい長く感じた。
    そういえばここ最近、ハゲ課長の話も取引先の話もほとんど聞いていなかった。独歩の身の回りだって常に嵐なわけじゃない。残業は相変わらずだが、ちょうど凪いでいる時期のようだった。

    一二三は胸元のむず痒さを感じて、コトコトと煮物を煮込んでいる鍋の前でそこに手をあてた。胸元、特に突出したそ 9239

    @7_kankankan_100

    MOURNING2月か3月頃に書いてたやつ。
    付き合いたて高校生どひふの夏休みステップアップ話。
    続きはイメージついてるけど手が止まってるので供養します。
    「よっしゃ〜!夏休みだー!」

    終業式を終え、学校の門を一歩越えた一二三は高く突き抜ける夏空に向かって叫んだ。高校二年生、十七歳の夏休みは希望と期待とでぱんぱんに膨らんで弾けてしまいそうだった。独歩と一緒に予定も立てた。四十日じゃ足りないよ、と言う一二三と、四十日で十分だと言う独歩と、意見は相反するもののどちらもな夏休みを楽しみにしている事は間違いない。
    十七歳になった今年はついに音楽フェスにも初参戦する予定で、既に勝ち取ったチケットは無くさないように大切にそれぞれの家の壁に貼られていた。一二三と独歩は一年生の冬に、年末の繁忙期の短期バイトと年賀状の仕分けのバイトを掛け持ちしてこの夏のためにしっかり稼いでいた。チケットを手に入れてもまだ資金はある。それから、プールに海水浴に花火大会に夏祭り、その合間に宿題もやって、それからそれから。
    「独歩、こっち」
    自由の身になってぴょんぴょんと落ち着きなく歩く一二三を、独歩はどこか父親のように見守りながら下校していた。家はもうすぐそこで、勝手知ったる近所の公園の前を通りすぎようとしていたら一二三が木陰にしゃがみ込んで独歩を呼んだ。また蟻の行列 6288