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    suppeezuzu

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    suppeezuzu

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    某ドラマがとても素敵な終わり方をしたので、いつか本にしようと眠らせていたネタを載せます。
    (ドラマとネタ被りしちゃったーー!ウワーー!と思ってましたが、来年本にしたいと思ってたので多分出します🫠)

    当たり前に届くと思っていた音楽が相手に届かない日が来てしまったらどうしたらいい?

    #レオいず
    leoMap

    おまえに贈るsign『おれもセナも一旦、ちゃんと自分だけの人生を経験して一人前になるべきだ』
    ——その後、どうしたっておれたちはまた巡り合う。
     
    卒業シーズンというものを街の至る所で感じ始めると、いつもあの頃の自分の言葉を思い出す。
    あの頃のおれ達は不安定で、なんのバランスも取れない場所で抱き合おうとして空中分解を起こしかけてた。
    友達にしてはあまりに近すぎて、恋人にしては少し距離を感じる。当時のおれとあいつはそんな摩訶不思議で曖昧な関係だった。だからこそ、あの時……そう、返礼祭が自分の代になったあの時におれはそう思った。あいつだって口にはしないけどおんなじ事を考えていたはずだ。だから。……だからあいつは、おれより先に自分だけの人生を経験する選択をした。
    本当はおれだって尊重したいと思った。おれにだってその時間と経験値は必要だと本気で思ってたし。
    それでも結局おれの方が堪えられなくなってまた二人一緒の人生を歩み始めてしまったのは、卒業して一か月も経たないうちのことだった。
    ……いろんなことがあったよ。転がり込んで、追い出されて拗ねて日本に帰ってきたと思ったらペットとして連れ戻されて。
    それから今までの比じゃないくらいに一緒の時間を過ごして、念願叶ってやっとの思いで結ばれたんだ。やっとだ。
    でも。それも長くは続かなかった。
    あんなに好きだったのに。
     
    『——やっぱり、俺達は一緒にいない方がいい』
    『ばいばい、れおくん』
     
    なあセナ知ってる?
    ペットは飼ったら責任もって最期まで面倒みないといけないんだぞ。
    ……まあおれ、もうペットじゃなくて、……恋人だったんだけどな。
     
     
    そうして、どうして恋人関係が解消されたのか分からないままフィレンツェの家を追い出されて、「モデルの仕事に集中したいからKnightsの仕事は一旦休止したい」なんて事務所通じて知らされて行方を消して。
    信じられるか? もうそれから三年。三年も経っちゃったんだよ。
    誰もセナの居場所を知らない。
    携帯に連絡しても出ないし、メールも未読のまま。
    モデル活動に集中したいとか言って、あいつのモデルとしての経歴はそれから一切出てこなかった。
    三年も経つとさ、そろそろおれたちも諦めがついて、Knightsの瀬名泉はいないもんだとして活動を進めたりもし始めた。
    おれはなんでってずっと考えてた。
    捨てられた犬も、こういうこと考えたりするのかな。想像しただけで泣きそうになるから、おれもきっとご主人様が恋しいんだ。
    ……おれはペットじゃなくて恋人だったんだぞ。ふざけんなよ。
     
    そんなことをもだもだ考え続けて考え続けて、おれはセナに見つけてほしくてセナへの想いを込めた曲を世にバンバン流した。
    「おれはここにいるぞ!」「なあ、セナはどこにいるの?」
    シグナルみたいに、そんな曲をたくさんたくさん書いては発表してを繰り返した。
    どこにいてもおれの存在を感じて嫌になっちゃうくらい、いろんな形をおれの居場所を、想いを発信し続けた。
    これなら、いつか「いい加減にして!」って、あの綺麗な顔をとてつもなく恐ろしい表情に変えておれのところに乗り込んでくるに違いない。
    そう思ってた。
     
    ——でもさあ。それも全部無駄だったんだなあ。
    おれの名曲達は、ちっともこれっぽちもセナに届くことはなかったんだ。
     
     
    ヨーロッパの片隅を歩いていた時、たまたまあの銀色を見かけた。
    見かけた瞬間、「幻覚?」って思うよりも先に足が動いてて。
    走って走って、その銀色が消えた角を曲がって細い道を抜けた先。
    海の見える小高い丘の上でおれは、やっと捕まえた。
    おかしいよな。……おかしいんだよ。その前におかしいって気づくべきだったんだ。
    おれがどんなに大きな声で名前を呼んでも、あいつは気づきもしないし、逃げもせずにただ前だけを向いて歩き続けてたんだから。
    そんなにおれのことが嫌いかよ。そんな気持ちも溢れそうになったところで相変わらず細くて綺麗な手を捕まえると、やっと銀色はびくりと体を強張らせて振り向いたんだ。
     
     
    「ッセナ!!!!!」
    「———ッ!?」
    「やっと……、ッつかまえた……! 言いたいことは山ほどあるけど、おれもおまえから逃げたことあるしこの際今はどうでもいい!」
    「…………」
    「なあおれ、おれさあ、セナにたくさん曲を書いたんだよ。……それは聞こえてた?」
    「……、」
    セナはおれの姿を瞳に捉えて、まるでお化けを見たみたいな顔をしていた。
    口は何度かぱくぱくさせてたけど、言葉も出ないくらいに動揺しているように見えて。
    ……だから何も言ってくれないんだって。そう思ってた。
    そんな自分の認識は甘くて、現実は残酷でむごいことをする。
    真実はいつだって口が語ってくれるとは限らないものなんだよな。
    セナは諦めたような表情で目を伏せると、掴まれていた手からおれの手をそっと外した。
    それから一歩下がっておれを真っすぐに見据えて、右手を顔の前に持ってきて何かの合図をする。
    そのまま頭をぺこりと下げると、セナはポケットからスマホを取り出しておれに画面を見せてきた。
    「『今のは、【ごめん】っていう意味』……?」
    メモアプリに打たれた文字をそのまま声に出してみる。
    なんのことを言ってるのか分からない。
    おれが意味を聞こうと口を開くよりも先に、セナがまた新しい文を打っておれに見せてきた。
    「『手話だよ』……? ……ぇ、なんでセナが、」
    セナの手は止まらない。ぱたぱたと、次から次へと文字が紡がれていく。
    『今の俺にはこうすることでしかお話ができないの』
     
    『れおくんあのね』
     
     
    『俺、耳が聞こえなくなっちゃったの』
     
     
     
     
    セナのためにこの三年間たくさん曲を生み出した。
    それはおれのラブレター、恋文に等しいモノ。
    だっておれはそれでしか自分の想いを伝えられないから。
    音楽は世界共通言語なんだから。
     
    でも、一番届いてほしい相手にそれが届くことはない。
    どんなに作ったって、セナにはもう届かない。
     
    ——じゃあおれは、どうやってセナに愛を伝えればいい?
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    PROGRESS11/23に開催されるレオいずプチオンリー『ライオンキャット6』で発行予定の本の先行サンプルです。お祭りなのでチェクメ関係するとこで書けてるとこぜんぶ載せちゃう。
    【11/23ライキャ新刊先行サンプル】もしものきみと恋をする(仮)【注意】
     ※原作を読んでいることを前提として話が進みます。
     ※しかし、お話の都合上、原作改変を多分に含みます(本で最終的に理由がわかります。ある程度察しのいいかたならここだけでわかると思う)
     ※原作で想定される程度の暴力描写を含みます。
     ※原作で描かれていない部分を妄想にて補完しています。解釈を多々含みます。

     あと、書きっぱなしで見直ししてないので、かなり粗が目立ちます。



    ーーー以下本文ーーー


    プロローグ

     慌ただしく行き交う人波を掻き分けるように、申し訳程度のイルミネーションに彩られた繁華街を突っ切っていく。コートとマフラーで武装している俺を嘲笑うかのように、吹きつける北風は容赦なく全身から体温を奪っていった。どこに設置されているのか知らないが、野外スピーカーは聞き慣れた〝Trickstar〟の歌声をそこかしこにばら撒いていて、まったく落ち着きがない。SSがすぐそこまで迫っていることも、無関係ではないのだろう。リリースされてしばらく、ゆうくんの歌声を聞きたくて飽きるほど再生を繰り返したラブソングはすっかり覚えてしまっていたけれど、今は一刻も早くそれから逃れたかった。
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    DONE正月はしゃぐいずレオ。「やっほ~セナ! 羽根つきしようよ!」
     そんな小学生みたいなセリフと共に、一月二日、レオが羽子板を持って瀬名家へとやってきた。
    「はぁ? なんで俺があんたと正月早々羽根つきなんてしないといけないわけぇ? ……とりあえず寒いから中に入りなよ」
    「セナ、ありがとう! お邪魔しま~す」
     分厚いダウンを着ている癖に、鼻と頬をリンゴのように真っ赤にしたレオが玄関先に現れたら、何の用かはさておき、暖めてあげないと、なんて思ってしまう訳だ。
     勝手に廊下へと歩み出すレオに「コーヒー入れるから中で待ってて」と声をかけると「はーい!」と返事が聞こえて、瀬名の部屋へと入っていく。
     手早くインスタントコーヒーを入れ、自室へと戻ると、レオはちょこんとテーブルの前に座っていた。
    「はい、コーヒー」
    「ありがと~! あ~温まる……セナの入れてくれたコーヒー……霊感が湧きそう……」
     やれやれと、引き出しからさっとノートとペンを取り出し手渡すと、さらさらとレオは音符を紙に踊らせていく。しばらくそれを眺めながら、瀬名が口を開いた。
    「れおくん何しに来たの? 人の家に作曲しに来たわけじゃないんでしょ~?」
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