石乙散文 部屋に入ってすぐ、首に腕を回してきて、唇を押し付けられた。ようするにキスをされたのだが、突然すぎて思わず瞬きをした。
「……どうした?」
思わず唇が離れてすぐそういえば、相手は「いえ」と言ってほんのり頬を染めて照れくさそうな顔をした。
「いつも先にされちゃうから、今日は僕からしたいなって思って」
そしてそんなことを言うものだから、胸にぐさりとときめきと言う名の矢が刺さった。
「オマエ…」
それはお誘いとみていいのかと口に出そうとしたら、逆に乙骨の方からこちらの胸に抱きついてきて、唇を寄せてきた。
「お、い……」
「ん……石流さんの筋肉、好きです…触っても気持ちいいし、匂いもアナタのものを強く感じる…」
すんすんと鼻を鳴らし、腰回りをペタペタ触り、終いには鎖骨の辺りをペロリと舐めてきた。
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