貧乏神がパロあらすじ
伊作の異常なほどの不幸エナジーをなんとかしようと貧乏神の留三郎が命じられてやってきた.
普通は福の神の仕事だがあまりの不幸エナジーに福の神だと近づけなかったためまだ幼いながらも貧乏神としてやる気に満ち溢れていた留三郎が行くことになる.
要石でなんとか周りには影響を受けさせない様にしているが,本人は不運に遭いやすい状態のままなのでそれを助けて過ごしているうちに学園の子たちからは巻き込まれ不運と言われ始めて不服である.
守一郎が実は福の神で多少マシになったタイミングで留三郎の手伝いに来た.
用語の簡単な説明↓
貧乏神:人に不幸を与えるが、「本当の幸せ」を見つけさせる役割を併せ持つ(wikipedia参照) 、この話では事情により近づけない福の神に変わり不幸エナジーを回収しにきている
福の神:人に幸福を与える
不幸エナジー:不幸をもたらすエネルギー、人間の一生のうちの量は大体均一であるが稀に少なかったり多過ぎたりするものがいる
幸福エナジー:不幸エナジーの逆のもの、同様の性質を持つ(貧乏神が!本編ではこの幸福エナジーを持ち過ぎてる少女とそれを回収しにきた貧乏神とのドタバタコメディが展開されてるよ!めちゃくちゃ面白いので是非読んで!)
要石:不幸エナジーや幸福エナジーが移動しないように留めるもの、周囲への影響を抑えることができる
本編↓
その子どもは生まれつき不運で、いつも大変な目に遭っていた。
それは止まるところを知らず周りをも巻き込むものだから、初めこそ親切だった周囲も段々と厄介払いをする様に追い出されることもままあった。
あるときお世話になったお寺で、そこまで不運ならば何か酷い目に会うことには諦めをつけその状況から脱却する術を身につけた方が良いだろうと人のいい住職から言われ、ちょうどそのタイミングで忍術学園なる子どもに忍者になる術を教える学舎の存在を知ったその子どもはそこで自らが不運から助かる能力を身につけようと決意したのである。
この話が出たのはもうひと月ほど前で忍術学園の入学式には十分に間に合う季節だったのだが…、当のその子ども善法寺伊作は未だ忍術学園に辿り着いていなかった。大体の所在まではなんとか掴んだが、道案内をしてくれると言った親切な人は重度の方向音痴でたどり着くことはなく、そこに通りすがった優しい人は元の場所まで連れて行ってくれたものの陸酔いなるもので体調を崩してしまい、一人で向かおうとすれば何故か何もなさそうな森で落とし穴に落ちたのである。ああ、今日も不運だと伊作が嘆いているとガサガサという草を無理やり分け入る様な音が聞こえてきた。その粗雑さから盗賊だろうかとなけなしの持ち物を売り払い作った入学金を奪われまいとぎゅっと抱きかかえ、息を潜める。しかし上から突然降ってきた小石が頭にあたりつい痛い、と声を漏らしてしまった。しまった、と思うがもう遅く足音はこちらへと近付いてくる結局自分は不運で一生を終えるのかと嘆いていると想像しているよりも小さな影がひょこりと伊作の視界に入った。
「お前大丈夫か?何か音がしたから気になってきてみたけど、まさか人が落ちてるなんて驚いた!」
そう言って引き上げてくれるのか伸ばしてくれる手を不思議なものを見る様に見つめていると、早くと急かす様にずいっと近づけてくる。
遠慮がちにその手を掴むと思ったよりもしっかりとした力で引っ張られ穴から出た時につんのめりこけてしまう。
「悪い、強く引きすぎたな。怪我してないか?」
顔についた土などを払ってくれながらついた手などを確認してくる。あまりの面倒見の良さに呆けていたが頭でも打ったかと心配そうに伊作を見てくるので慌てて首を振り無事なことを示す。そうして立ち上がると手を繋いできたのでどうしてと聞けばこう答えた。
「お前も忍術学園に行くんだろ?一緒に行こう!一人より二人の方がまた穴に落ちても助けを呼べるしな!」
その眩しい笑顔に惹かれ伊作も共に学園へと歩き出した。
「て言うのが、僕と留三郎の出会いだね」
「へー、そうなんですか。入学前からのお知り合いだったんですね」
そう感心しながら乱太郎が手元のお茶を啜る。放課後の保健室では長閑なティータイムが行われていた。あいにく本日は雨なため外で遊んだり自主練習したり喧嘩したりする人間は少ないため平和なひとときを過ごしていると、ふと乱太郎が自分たち3人組の出会いの話をしてくれて伊作たちのものはどうだったのかと尋ねてきたのだ。
「まあでもその後も猪に追いかけられたり,通る予定の橋が落ちていたりと大変だったけどね…」
苦笑いしながらもいい思い出だよと言っている伊作に対し、何故か一緒に保健室でお茶をしている留三郎はすべて伊作の不運のせいだったけどなと一人内心呟く。
六年は組食満留三郎用具委員会委員長であるこの少年は実は貧乏神である。といっても伊作が不運な原因を作っているのではなくむしろその人並み以上の不運をどうにかするために神界より使わせられた使者の様なものである。
人は皆生まれながらにして幸福エナジーと不幸エナジーを等しく持っているのだが、稀にその比率がおかしな状態で生まれてくるものがいる。伊作はその中でも以上な量の不幸エナジーを持っていて、本来なら福をもたらす福の神たちの管轄であったはずなのに、その神たちですら近づくことが難しいとなり、留三郎たち貧乏神にお鉢が回ってきたのだ。貧乏神ゆえに幸福にすることはできないが、不運が発動しても抑えることはできるので年の近かった留三郎は伊作が忍術学園に入る年に人間界にやってきて伊作をそばで支えているのである。
「それは大変でしたね…。でもその後6年間ずっと同室なのってなんだか運命的ですね」
「ははは、そうだね。留三郎とは実習の班もいつも一緒だよね」
和やかに話しているが実際は周りに不運が行かない様に留三郎がこっそり仕組んで同室になる様にしたり同じ班になる様にしているのだ。
まあ正しくは途中までは工作していたが高学年になるにつれ、先生方に面倒なことはひとまとめにと言わんばかりに一緒にされて始めたのだ、そんなことにも気づかずのほほんとしている伊作に呆れながらも安心する。
別に留三郎のことはバレてはいけないというルールはないのだがどこか頑固なところのある伊作にバレてしまえば、面倒見られたくて一緒にいるわけではないと悲しまれそうなので今に至るまで知られることなく過ごしている。
「そうだ留三郎、その時にもらったお守りの紐また切れちゃって…」
そう言って懐から取り出したのは小さな石を組紐で括ってあり、紐は切れているがおそらく首から下げられる様になっているものだ。それは要石といって幸福エナジーや不幸エナジーが周りに影響を及ぼさない様に遮断するためのものである。会って一番に伊作にお守りと偽って渡したものだ。
「またか…貸してみろ。…うん、この程度ならすぐ直せそうだな。ちょっと待ってろ。」
「のんびりお茶しているばあいじゃない!生物委員会から動物が逃げ出したって!」
思い切り障子を開けてきり丸が入ってくる。
「それは…いつも通りじゃないかい?」
「それも…、そうですね」
設定↓
食満留三郎
貧乏神としての名前は雛芥子.
立派な貧乏神になることに憧れて意欲的に過ごしている.この仕事は内容聞く前に立候補した.こんなに長期だとは思っていなかった.
なんやかんや助けているうちに伊作のことが気になり始めている.
伊作
生まれながらにして人一倍どころか何十倍ほどの不幸エナジーをもっている子.色んな福の神があの手この手を尽くそうとしたが近付いただけで,福の神ではなくなるほどのエナジーの持ち主だったので,元より不幸エナジーに耐性のある貧乏神が請け負うことになった.
本人はちょっと不運だなくらいにしか思っていない.幼い頃は周りにも影響を及ぼしていたので両親はいなくて慈善的な寺を転々としていた.忍術学園に入ってから不運がマシになってきているので頑張って忍者になろうとしている(留三郎のおかげ)
浜守一郎
福の神としての名前は花車.
留三郎がまだ神界にいたころ遊んでもらっていた.先輩が早く仕事を終えて帰って来れる様に手助けにきた.
最初こそすぐに終わらせようとしていたが学園にいるうちに愛着が湧いてきている.
オリキャラ
唐菖蒲
留三郎の使い魔.テディベアなのにクマがある.喋らないけどうるさい.留三郎とよく喧嘩になる.どことなく文次郎と似ており留三郎が文次郎に喧嘩を売る理由の一つ.勝手に鍛錬にいくしそれを留三郎が探さないので最近まで行方不明だった.
生物委員会が拾ってきて小屋で飼っている.
何故か一平になついている.
学園ではくまもん(発音注意)と呼ばれ始めているが不服である.(クマの形をした文次郎の略)
続きに書きたい展開↓
文次郎と唐菖蒲が戦っている、そこに訪れた留三郎を見た瞬間に留三郎に殴りかかる唐菖蒲。
慣れているためすぐに対処して縛り上げる。