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    himeka_hp

    @himeka_hp

    ヒュンポプ中心に書いてます。
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    himeka_hp

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    診断メーカーからのお題【…何処に行くつもりだ?俺の傍から離れるなと言っただろ】からできたお話です。
    ヒュンさんがメンタル弱いし、嫉妬してます。
    メンタルはポップの方が強いね。

    #ヒュンポプ
    hyunpop

    【死がふたりを分かつまで】ヒュンポプ 帰宅するのが遅くなってしまったポップ。
     実は、ヒュンケルには内緒で、記念日のプレゼントを用意をしていて遅くなってしまった。
     ヒュンケルにはそれは内緒にしている事だからと、勝手しすぎたせいか、心配をかけてしまっている。
     今日で、プレゼントは完成したから、遅くはなってしまったが、気分はよく帰宅する事にした。

    「ただいま~」
     部屋の扉を開ければ、目の前にはヒュンケル。
     何故か雰囲気が冷たいというか怒っている。もしかして、遅くなってしまった事に怒っているのだろうかと、ポップは焦る。
    「ご、ごめんな?遅くなっちまって」
    「ああ」
    「ちょっと仕事が溜まっててよ」
    「……」
     とにかく謝るしかないと、ポップはヒュンケルに向かい、眉を下げ謝る。いつもなら、ヒュンケルも仕事ならと許してくれるのだが、何故か今日は様子がおかしい。
    「仕事、か?」
    「ん?」
    「本当に仕事だったのかと、聞いているんだ」
     真剣な目で、怒りを込めたその瞳に、びくりと震えてしまう。まさか、ヒュンケルにバレていたのだろうか。プレゼントの存在を。でも、バレていたのなら、怒ったりはしないと、ポップは思う。逆に、すまない、と謝りそうだ。そこまでヒュンケルは狭量ではない。なら、なぜ?
     ポップは冷静に考えるが、答えは一向に出てこない。何がヒュンケルをそこまで怒らせているのか、全く検討もつかないのだ。
    「今日……、執務室で、何をしていた?」
    「何って、仕事だけど…」
    「本当に?」
    「仕事以外何するってんだよ?」
     がたん、と扉に肩を押し付けられて、いきなりの事にポップは目を閉じる。開いた瞳の先には、やはり、怒りを秘めた瞳のヒュンケルしか映らない。
     腑に落ちないヒュンケルからの問に、ポップ自身もプレゼントを作っていたから、仕事だけでは無い後ろめたさもある。だけれど、そこまでヒュンケルは何故怒っているのか。
    「と、とりあえず話しようぜ?ヒュンケル…」
    「話、か……」
    「そうそ、ちゃんと話をしたら……」
    「別れ話か」
    「……っ!?」
     話を促そうとしたら、いきなりのヒュンケルの言葉に、ポップは信じられないと目を見開いてヒュンケルを見つめる。ヒュンケルは、傷ついたような表情で、ポップを見つめている。
    「ちょ、ちょっと待ってくれよ、なんで別れ話に…」
    「お前が……」
    「俺がなんだよ……」
    「執務室に女を連れ込んでいると」
    「はあ!?」
     また更に、爆弾発言を発してきたヒュンケルに、ポップは、驚くと共に、大きな声をあげてしまった。
     いや、でも女を連れ込んでいる?何をどうしたらそんな噂が立つのだろうか。全く分からないポップは、驚くばかりで、言葉が出ない。
    「お前が話すまで、オレの傍から離すつもりは無い」
    「何言って……」
     肩を扉に押し付けられているし、身動きも取れず、その上、何故か謎の噂話に別れ話まで出てしまっては、ポップには本当に訳が分からなすぎて、パニックになりそうだった。
    「なんでだよ!おめぇが居るのに女なんか……っ」
    「なら、何故いつも帰りが遅い?」
    「そ、れは……」
    「答えられないなら、それは肯定と同じだろう」
    「ちがっ…」
     とにかく、この拘束から逃れようとじたばたともがくと、一瞬腕が緩み、ヒュンケルの腕から逃れ、距離をとった。
     
    「…何処に行くつもりだ?オレの傍から離れるなと言ったはずだ」
    「何処にも行かねぇよ!話聞けっての!」
    「話等……っ」
     顔をゆがめ、ポップを見つめてくるヒュンケルに、ポップは、どれだけヒュンケルを不安にさせてしまったのかを知る。ポップは、仕方がない、とヒュンケルに歩み寄り、そっと抱きしめた。
     途端にびくりと震えるヒュンケルにポップは、「ごめんな」と囁いた。
    「ポップ……、オレが嫌いになったか」
    「はあ?んなわけねぇだろうが」
    「なら、何故?」
    「あー…、もう、仕方ねぇなあ」
     先程の勢いはどこへやら、ヒュンケルは、小さな声で、ポップの事を呼ぶ。
     その、小さな子供のようなヒュンケルに、ポップは愛おしさが募り、ぎゅ、と更に抱きしめた。
     そして、ポップからヒュンケルに口付ける。
    「っ……」
    「おれは、おめぇ以外に好きな人なんていねぇよ」
    「ポップ…」
    「本当はもっとかっこよく渡したかったんだけどな、ほらよ」
     ポップがヒュンケルに見せたのは、ビロードで出来た小箱。何なのか分からない、というヒュンケルに、手渡し、開けるように促すと、開けて見えたのは煌めく輝きが二つ。
    「これは……」
    「指輪だよ、ペアリング」
    「ゆ、びわ」
    「おれとお前の…、二人だけの指輪だよ」
     ポップはそのひとつを手に取ると、ヒュンケルの左手を掴み、薬指にそれを嵌めた。サイズはぴったりで、ヒュンケルの白い手によく映える。
    「もしかして、今までこれを…?」
    「そ。ずっと帰りが遅かったのはこれを作ってたんだよ」
    「そうだったのか…」
    「それが、まさかこんな噂があったなんてな…、ごめんな、苦しめただろ」
    「そんな、ことは……」
     小さく呟くヒュンケルは否定をするが、ポップにはそれが強がりだと言うことはお見通しである。
     普段は強い精神を持っていて、アバンの使徒の長兄として導く存在だとしても。いざ、恋人となれば、ヒュンケルは途端に臆病になる。自分の事を認められない、自己否定の固まり。だから、そんなヒュンケルに
    ポップは、ちゃんとした形になる愛の証を渡したかったのだ。
    「っ……」
    「なんだよ、泣くほど嬉しかったのか?」
     はらりと涙をあふれさせたヒュンケルに、ポップは茶化すように、慰める。そのポップの優しさが、ヒュンケルにとってはどんなに救いであるか、ポップ自身には分からないだろう。
     だから、ヒュンケルはポップの事を、自分の全てをかけて、幸せにしようと、自分に誓いを立てたのだ。
     それが、こんなふうに、ポップの事を疑ってしまい、自分が不甲斐なく感じてしまった。
    けれど、もう二度と、ポップの愛を疑うことなど無い。二人だけの証を、手にしたから。
    「おれにも付けてくれるか?」
    「ああ、もちろんだ…… 」
     そっと指輪を手にして、ポップの指にはめれば、きらりと二つの指輪がほんのりと輝いた。
     それを不思議そうに見ていたヒュンケルにポップは、

    「生涯かけてのこれはお前との愛の証だから」

     と得意げに笑って、ヒュンケルの指輪に口付けを落とした。

     後に聞いた話だと、これは精霊の力を借りた指輪であり、生涯の伴侶にしか付けれない指輪だという事らしかった。

     ずっとずっと

     死がふたりを分かつまで

     共にあり続けよう

     

     
     
       
     

     


     
     
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