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    hikagenko

    @hikagenko

    HN:
    ひかげ

    サークル名:
    Hello,world!

    ジャンル:
    ド!、ズモなど

    イベント参加予定:
    25/05/04 超5次ドリ2025

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    hikagenko

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    ・ド!
    ・風間くんが勇者、黒石くんが魔王(盛大なネタバレ)…というお互いの立場を知らずに出会ってうんぬんかんぬんする話、のメモの冒頭
    ・続き(メモレベル)は投稿するかもしれないし、しないかもしれないし…
    ・雰囲気で読んでください

    #ド!
    do!

    ゆうしゃとまおう森の中を歩く風間。
    音がする方へ歩く。子供が何かを抱えている。
    指が紐のようなものを弾くたび、音がする。

    「なあ、何やってるんだ?」

    声をかけると子供はゆっくり顔を上げた。じっと顔を見て、それからまた指を動かした。

    「キレイな音だな」

    目の前でしゃがむ。音がする。

    「振動して鳴るのか?すごいな」

    子供が眉をひそめている。

    「風間圭吾だ」

    子供はギターを立てかけて、その辺の枝を拾って地面に文字を書いた。

    『ユウト』
    「ユウトか。なぁユウト、これはなんだ?」
    『ギター』
    「ギター…綺麗だな」

    子供はまた何かを書こうとして、ぽいと枝を捨てた。もしかしたら話せないのかもしれない。
    子供はギターを布の中にいれた。
    残念だ、もう終わりなのか。帰るところなのかもしれない。

    「あ、ユウト、またそれ聞かせてほしい」

    ユウトに袖を引かれる。ついてこい、だろうか。
    圭吾は引かれるままについていく。
    街だ。

    「どこに行くんだ?」

    あぁ、この質問じゃ答えられないか、と思ってどうしようと考える。
    ユウトが指を指した。
    広場だ。
    ユウトが布からギターを出す。
    音がなる。街の人がポツポツと立ち止まる。
    ユウトの指が音を紡ぎ出す。きれいだ。
    街の人がどんどん立ち止まる。子供がクルクル回っている。
    音に合わせて体を動かしているのか。
    そういえば自分はこんなに近くにいていいのだろうか。離れようかとユウトを見ると、顎をクイッとされる。クルクル回っている子供をさしているようだ。
    俺も回ればいいのか?と思って、少し離れてクルクルと回る。
    街の人がわぁ…と声を上げた。キレイ、とも聞こえる。
    服の装飾が揺れているからか。
    もっと装飾がきれいに揺れるように大きく動く。
    拍手が起こる。
    ユウトの音に合わせて、少し広場を回る。
    ふいにユウトがこちらを見る。もう終わるところだろうか。
    剣を鞘に入れたまま振りかぶる。
    静止したタイミングで、音が止まる。よかった、合っていた。合わせてくれただけかもしれないが。
    大きな拍手が起こり、ユウトのギターを入れていた入れものに小銭が投げこまれる。
    なるほど、ユウトのお金を稼ぐ手段だったのか。
    確かにユウトの音は楽しさが伝わってくる、素敵なものだった。
    ユウトの隣に座る。

    「すごいな、ユウト」

    人が途切れ、ユウトが小銭を二等分にし始めた。それから半分を指差し、次に風間を指差す。

    「え? 俺の取り分…ってこと? あ、だから連れてきたのか。いや、いいよ。その代わりさ、俺行く当てがないから…助けてくれないか?」

    ユウトは面倒そうな顔をした。が、小銭を集めてから頷いた。

    「ありがとう」

    この日勇者と魔王が出会ったことを、まだ誰も気付いていない。


    *****

    【設定】

    黒石勇人:
    魔王。見た目は人間換算で10歳くらい。
    現在は声が出ないが、元々は話せていたし歌えていた。

    風間圭吾:
    勇者。生まれた時から勇者として祭り上げられ、魔王を倒すことだけを期待され戦うことしか教えられなかった。
    世話係を命じられた及川は、それを嘆き色々と面倒を見ている。
    風間と及川で国を出て魔王退治に向かったが、風間があるトラップにかかって及川とはぐれた。直後に風間は黒石に出会う。
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    MENU▶︎web再録加筆修正+書き下ろし約40頁 (夭折した速水ヒ□の幽霊が、神浜コージの息子13歳のもとに現れる話)
    ▶︎B6/66頁/600円 予定
    ▶︎再録は 下記3つ
    酔うたびいつもするはなし(pixiv)/鱈のヴァプール(ポイピク)/せめてこの4分間は(ポイピク)
    【禁プリ17】コウヒロ新刊サンプル「鱈のヴァプール」書き下ろし掌編「ヤングアダルト」部分サンプルです。(夭折した速水ヒロの幽霊が、神浜コージの息子13歳のもとに現れる話)
    ※推敲中のため文章は変更になる可能性があります

     トイレのドアを開けると、速水ヒロがまっぷたつになっていた。45階のマンションの廊下には、何物にも遮られなかった九月の日差しが、リビングを通してまっすぐに降り注いでいる。その廊下に立った青年の後ろ姿の上半身と下半身が、ちょうどヘソのあたりで、50cmほど横にずれていたのだ。不思議と血は出ていないし、断面も見えない。雑誌のグラビアから「速水ヒロ」の全身を切り抜いて、ウェストのあたりで2つに切り、少し横にずらしてスクラップブックに貼りつけたら、ちょうどこんな感じになるだろう。下半身は奥を向いたまま、上半身だけがぐるりと回転してこちらを振り返り、さわやかに微笑む。
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