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    Masima2022

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    Masima2022

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    リクエストで頂いた「初ちゅーするくあざちゃん」です❣️たまにはこんなお約束もいいのでは…!?
    リクエストありがとうございました…!

    #九莇
    jiuBiao
    #くあざなう

    「わあっ!」
    「…っ!」
    角を曲がって出合い頭に正面衝突、そのまま尻餅をついた二人がそれから恋に落ちる。そんな使い古された少女漫画のような事を今まさに引き起こしてしまった九門と莇だったが、既に二人は恋仲である。故に恋に落ちる展開はとうに済ませてある筈なのに、お互い口元を手のひらで覆わせて真っ赤になって固まっていた。
    ぶつかった瞬間、何か柔らかいものが触れて、それから固いものが当たって、今はジンジンと響く痛みのみが残る唇がこれは現実だと教えてくれている。上唇、もっと言えば前歯の辺りが鈍く痺れているような気もする。
    「………」
    「………」
    お互いが同じような体勢で固まっているのを目の当たりにして、まさかとの思いが二人の顔を更に火照らせていく。
    「い、今のって……」
    「ちっ…違う!これは事故だ!だから違う!」
    赤い顔で吠える莇に間違いないと九門は手のひらの中で唇を引き結んだ。あの柔らかさを思い返そうとするが、じんわり滲む痺れにそれもままならない。
    「莇、こっち来て」
    細っこい手首を掴むと九門は近くにある自室へと踵を返した。三角は既に外出している。あの部屋なら誰にも邪魔はされない。
    「お、おい…!」
    「あんなのが初めてのちゅーなんてオレはやだ」
    今度は事故だなんて言わせない。
    ばたん、と大きな音を立てて203号室の扉が閉まった。
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    Masima2022

    DONEリクエストで頂いた「初めてふたりで一緒に寝るはなし」です❣️(少し長くなってしまいました…)
    リクエストありがとうございました…!
    その日は前々から計画していたお泊り会だった。片割れが留守となる106号室にて決行、勿論左京の承諾もちゃんと得ている。備え付けのロフトベッドではなく、テーブルも全部端へと寄せて作った広々としたスペースが本日の会場だ。
    並べて敷いた布団に二つの枕をぽんぽんと置くとそれだけで日常とは少し違う雰囲気になって心が弾んでしまう。だけど、そこに寝転がって学校やバイト先での出来事を話しているとあっという間に時間は過ぎ去ってしまい、莇のスマホのアラームがシンデレラタイムを引き連れてきてしまった。
    「えー…もうおしまい?」
    「時間だしな」
    「…明日は学校も休みだよ?」
    「それはそれ、これはこれ」
    布団から抜け出した莇が壁にある室内を照らす灯りの源をオフへと切り替えた。暗くなった室内に踵を返して枕元に置いてきたスマホの明かりを頼りに布団へと戻ると、あからさまにしょんぼりとなっている九門がそれでも大人しく自分の布団へと潜り込む所だった。可愛いかよ、と思わず出てきそうな声を飲み込むと同時に莇は拳を胸元に強く押し付けた。そうしないとその健気な姿に胸の奥はぎゅっと鷲掴まれたまま破裂してしまいそうなのだ。もう少し強めに嫌だとアピールでもしてくれたら、なんて脳裏に浮かんで顔が熱くなるのを感じた莇は自分の布団に潜り込む事すら忘れて立ち尽くしていた。
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    並べて敷いた布団に二つの枕をぽんぽんと置くとそれだけで日常とは少し違う雰囲気になって心が弾んでしまう。だけど、そこに寝転がって学校やバイト先での出来事を話しているとあっという間に時間は過ぎ去ってしまい、莇のスマホのアラームがシンデレラタイムを引き連れてきてしまった。
    「えー…もうおしまい?」
    「時間だしな」
    「…明日は学校も休みだよ?」
    「それはそれ、これはこれ」
    布団から抜け出した莇が壁にある室内を照らす灯りの源をオフへと切り替えた。暗くなった室内に踵を返して枕元に置いてきたスマホの明かりを頼りに布団へと戻ると、あからさまにしょんぼりとなっている九門がそれでも大人しく自分の布団へと潜り込む所だった。可愛いかよ、と思わず出てきそうな声を飲み込むと同時に莇は拳を胸元に強く押し付けた。そうしないとその健気な姿に胸の奥はぎゅっと鷲掴まれたまま破裂してしまいそうなのだ。もう少し強めに嫌だとアピールでもしてくれたら、なんて脳裏に浮かんで顔が熱くなるのを感じた莇は自分の布団に潜り込む事すら忘れて立ち尽くしていた。
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