「莇ってさ、色んな人のヘアアレンジもやってんじゃん?あれって何か参考にしてんの?」
恒例になっている屋上での昼休み、臣さんお手製の弁当に入っていたエビフライを大きな口でぱくりと頬張る九門から唐突な質問が飛んできた。なんで急に、と尋ねると前々から気になっていた事を今し方思い出したのだと言う。突拍子もないことを口にされるのは慣れたので驚くこともないけど、可笑しくなるのはどうしたって慣れないみたいで俺の口角は自然と緩んでしまう。
「まあ一応参考っていうか、トレンドとかそういったのはチェックしてる」
「トレンド…!なんかかっけー!」
「定番化して根付いてるもんもあるけど、流行り廃りが激しいしな」
「うわぁ…やっぱり莇ってすげー…!」
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