Recent Search

    mayura_BL

    @mayura_BL

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 26

    mayura_BL

    MOURNING月刊日報のいわてさんがあまりにも可愛かったのでつい。
    某友人が「いわて(宇品)さんの前では広島弁になる山陽さんが見たいですなう」(原文ママ)とメールしてきたので、返す刀(返信)で書いた話。携帯で書いたので短いです。
    メールには「常にハートフルボッコな山陽さんに宇品さんという名の愛の手を!」とも書いてあったけど気にせずボコボコにした。むしろ兄がボロボロになった。
    形而上を泳ぐ魚形而上を泳ぐ魚


    「じゃけんよう!東海道も九州も、俺がおらんかったらなんにも、なあんにも!でけんのじゃ!」
    「そうじゃのう」

     ツイてない。
     ツイてない?
     東北本線に儲け話をもらったので、東北と話を詰めた訳だが、そのあとの飲み会が高級居酒屋だからって、ひょいひょいついて来るのではなかった。

    「ここ2、3日、そうめんしか食っとらんかったからじゃ」

     おれは酔い潰れかけているJR高速鉄道の上官(ではないが。個人的には)を横目に、自分自身に言い訳した。
     ここ数日、家計を切り詰めるためにそうめんしか食っておらず、だから東北本線の儲け話に引っ掛かったうえ、JRの上官共しかいない飲み会に間違って参加してしまった。
     東北本線が笑顔で勧めてきた理由も考えなかったおれが阿呆じゃった。
    1446

    mayura_BL

    PAST海常の日常。
    痛いのが嫌いな笠松先輩と愉快な森山と冷静な小堀先輩と目覚めちゃった黄瀬くん。
    痛いのが嫌いな笠松先輩いいな!と思って。
    試合始まると全然気にしないんだけど(ファウルとか、接触とか)それ以外で痛い思いをすると、一気に幼くなる笠松先輩が見たい。
    海常いいわあ…という話です。
    Pain「げ」

    うわ、入った、と笠松は柄にもないそれに、げ、と短く言った。
    ちなみに入ったのは、シュートなんかじゃない。

    Pain

    「入った」
    「何が?」

     いち早く反応したのは、たまたま横でシュート練習をしていた森山だった。ちなみに入ったのはシュートではないので、「何が」と聞いておいた。外したじゃん、と暗に言ったも同じだったから、笠松にぎろりと睨まれたのは言うまでもない。

    「何が入ったんだ?」

     ドリブルの練習をしていたらしい小堀が、ゴール下まで来ていて、聞こえていたらしく訊ねたら、笠松は、無言で右手を高く上げた。

    「あ、うん、分かった、分かった」
    「痛い」
    「うん」

     小堀が「分かった」と言ったら、笠松は眉を下げて、手を上げたまま、痛い、痛いと三回か四回言った。だいぶ痛いらしい。眉を下げてしまうと、元々の幼い顔が引き立ってしまって、海常の主将らしい力強さはなくなった。
    2584

    mayura_BL

    PAST嘘を吐くと閻魔さまに舌を抜かれてしまうんですよ。
    (反省文以上)
    はい。長曾我部緑ルート後の石田と長曾我部についてでした。
    あそこで長曾我部に生かされたところで、その後の毛利含めて西軍の全ての責を負わなければならないのはどう足掻いても石田だよなあ、と思った末の小話でした。でも家康は敢えては三成を処断したくないし、このルートはその「敢えて」の理由付けとして長曾我部がいる、と主張するでしょうがしかし。
    大将首 俺の預かりとなった石田は、思っていたよりも(というか、家康に聞いていたよりも)ずっと真っ当に俺の城で過ごしていた。船に上げておくのは流石に非礼に当たると思ったし、そもそも船はもうほとんど必要なかった。

    「馳走になった」
    「おう」

     石田は確りと箸を置き、手を合わせると、上座の俺に一瞥をくれて一言言った。俺が扇子の音を一つ立てると、女中が全て食べ尽くされた膳を下げる。それに礼を取る素振りを見せないあたりが、コイツのひどく手慣れたところで、同時に周囲に無駄な気を遣わせないことだった。
     上に立つ者としての心得をほとんど間違いなく備えており、同時に上に立つ者に仕える者としての心得も備えている、有能というよりは、奇妙な男だった。
    3841

    mayura_BL

    PAST猛者と無敵の日記念おめでとうございます&ありがとうございます!記念に初めて書いた斎藤さんと沖田さんの話を再録します。過去から現在のカルデアへ、みたいな話で、邪馬台国の時に居ても立ってもいられず書きました。長いのでお時間のある時ご覧いただければ幸いです。
    猫の話猫の話

    「安心してよ」

     僕は自分で言っておきながら自分のこの言葉のあまりの軽薄さを思った。

    「斎藤さんが安心なんて言うとおちおち寝てられませんね」

     だから当たり前のように沖田ちゃんは笑ってそう言い返してきた。そりゃあそうだ。だけれど、彼女にはもう、昔のように適当言わないでください!なんて言って飛び掛かってくる身体的余裕も、精神的余裕もなかった。代わりにこほんと小さな咳をして、笑った。

    「でも、お任せするしかないですね、これじゃあ」

     枕元の愛刀をゆっくり振り返って沖田ちゃんは言った。

    「猫がね、斬れないんです」
    「は?」
    「黒猫。来るんですよ、庭に。でも斬れない」
    「危ないよ、そんなことしてちゃあ」

     そっと彼女が刀に掛けた手の上から、自分の武骨な手を重ねて止めようとする。止めようとしたのか、ただ彼女の手に触れたかったのか、分からない。
    2552