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    水月 千尋

    @arukurein

    短すぎるものは恥ずかしいのでフォロワ限。
    R18はリス限。
    一部、支部に置いてあるものとかぶってる。

    マイタグを細かく付けたので
    少しは作品を探しやすいといいなぁ……
    と、思っている。


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    水月 千尋

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    エロトラップダンジョン
    https://shindanmaker.com/a/570937
    ……の診断結果に従って書いていく予定。
    類司(恋人/類と経験済)の司くんが進んでいきます。

    この導入部は診断関係ない全年齢です。
    以上をご了承の上、ご覧下さい。

    #類司
    RuiKasa
    ##エロトラ
    ##類司

    【トラップ&トラップ】(1)


     ──このセカイの果てはどこなんだろうね。
     始まりは類の、そんな些細な疑問からだった。
     言われてみれば確かめてみたことがない。ただここは、どうやらオレが思っている以上には広いらしい。来ていると話には聞いていたものの長く姿を見たことがなかったリンも、オレ達がまだ行ったことがない場所辺りで楽しくやっていたようなので、間違いないだろう。
     しかし。

    「いくら広いからといって、これは何なんだ……」

     とある休日。セカイの舞台があるテントからはかなり歩いた地点でオレと類は足を止めた。二人で見上げた先には、アトラクションなのだろうこじんまりした建物があった。だが問題は──その建物のてっぺんに掲げられた大きな看板だ。

    「《Eトラップダンジョン》……冒険物のアトラクションなのかな?」
    「それにしては外観が地味すぎじゃないか?」

     看板こそド派手なネオンになっているが、他には何も飾りはなく、ただの灰色の箱とでも言った方がしっくりくる建物だ。町の片隅ならともかく、このセカイにある賑やかでキラキラしたアトラクション達の中へ混じっている様には違和感しかない。
     類は腕組みをして何やら思案する素振りを見せたが、すぐに腕を解いて建物を指さした。

    「考えていても仕方ないね。少し入ってみようか──」
    「まてまてまてまて! こんな怪しげな所にホイホイ入っていこうとするな!」

     進んでいこうとする類の腕を慌てて引っぱる。が、意味が分からないと言わんばかりに見開かれた淡いシトリンの瞳がオレを映した。

    「怪しげというけれど、ここは君の想いから出来たセカイだろう?」
    「そうだが……そもそもここは、そのオレが理解できんものがわんさとあるんだぞ!? もし何か危険がある場所だったらどうする!」

     わんさとあるというか、ほとんどがそうなわけだが。類はくすくすと肩を揺らした。

    「心配性だなぁ」
    「当たり前だっ! 類にもしもの事が……あったら、と、思ったら……嫌に決まっているだろう……っ」

     言ってる内に恥ずかしくなってきて、どんどん声が尻すぼみになってしまう。目も合わせられない。すると、優しい手つきで頬をするりと撫でられた。

    「わかったよ。君がそこまで言うなら諦めよう。……恋人に、悲しい顔はさせたくないしね」
    「類──」

     安堵してぱっと顔をあげて。オレはすぐに後悔し、自分の浅はかさを嘆いた。
     なぜなら──そこにあったのは類のアレな表情だったからだ。しかもなんというか、恋人という贔屓目のフィルターをかけてもかなりぶっ飛んでいる系の。……嫌な予感しかしない。

    「お、おい、類……?」

     恐る恐る声をかけると、類はやたらと芝居がかった動きで天を仰いだ。


    「愛しい君から言われてしまったら僕には抗う術がない……でも君が僕の為に『代わりに中へ入ってくれる』と言うなら、止めやしないよ。ああ、止めやしないとも!」

    「おまっ……まさか最初からそのつもりで……っ!」


     オレの言葉に、腕を伸ばして空を見上げたポーズのままぴたりと動きを止める、類。きょろりと眼球だけを動かしてこちらを見やり──目が合うとにんまり笑んだ。

    「さぁどうするんだい、未来の大スターの司くん?」

     はめられた。完全に罠だった。もしかしたら、ここにこんな建物がある事も知っていたんじゃないだろうかと、邪推すらしてしまう。
     だが、例え罠だったとしても──そんな風に言われてしまったら、オレが選ぶべき選択肢はひとつだった。
     腰に手をあてて、大きく胸を張る。


    「ふっ……み、未来の大スター! この天馬司は、こんなアトラクションひとつに臆しはせん! 待っていろ類、すぐに踏破してきてやるからな!」


     さすが司くん、という空々しいせりふと拍手を聞きながら。オレは内心、ひどく頭を抱えたのだった……。
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    水月 千尋

    DOODLE参謀🎈×将校🌟。(モブ参前提)
    単話調にタイトルついてますが、実質4話目。

    まだ完結してませんが、以降の話は作成中。


    ========


    【前話】
    →https://poipiku.com/599411/10134333.html
    【すれちがいの午後】
     暖かな陽気。穏やかな風に、やわらかい日射し──。前日の肌寒さが嘘のように、今日は朝から春めいた良い天気だった。屋敷前の木々へ羽を休めに来たらしい小鳥のさえずりも、心なしか賑やかだ。
     そんな変化は窓の外だけにとどまらない。普段は日当たりが良いとはいえないこの執務室にも陽光が射し込んできていた。ささやかな恩恵程度ではあるが、窓際に飾った一輪挿しの花瓶越しの光が今座っている机の所まで届くのは初めて見る。もう少し暖かくなってきたらこの部屋のまた違う一面を見られるのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみだ。
     一方で、机の端に積んだ要望書の量は昨日や一昨日と何ら変化はなかった。放置しているのではない。処理出来た分と同じくらいの枚数が翌朝に届く為、一向に減っていかないのだ。作業自体は一枚一枚に目を通して可否のサインをしていくだけではあるものの、その可否を決めるのに手間取る案件も当然混在していて気も抜けない。
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    俺の語彙力で伝わるとは思えないので補足をさせていただくと、
    「王様つかは不治の病に侵され危篤状態。呼吸マスクを付けなんとかつないでいる状態での、恋人の類と最後の逢瀬であった。
    もう満足に呼吸器が働かない体で呼吸マスクを外すということは死を意味する。そんな中でつかはるいに終わらせてもらうことを選ぶ」
    みたいな話
    「本当に、よろしいのですか?」
     いつになく深刻な声色で重々しくオレに尋ねる類。類の両手に収められたオレの手が強く包み込まれる。
    「もちろん、だ……。おまえ、に、なら」
    「ふふっ、恋人冥利に尽きます……」
     耳元で響く声は笑っている。霞み揺れる視界では、類の顔を詳細に捉えることができないが、長い間聞き続けてきた声だ。類の心の機微に気づけないオレではない。
    「僕がこんなことしたとばれたら、冬弥くんたちに怒られてしまうかもしれませんね」
     口調はいつも通りなのに、心なしか指が震えているような感触がする。酷なお願いであることは重々承知していた。でもやはり、このままいつ目覚めるかわからない状態で眠り続けるより、ほかの誰でもない、類の手で眠りたかった。
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