予想外な寮生活 ②「……で、修理完了は未定と」
新しい連絡表を見ながら、スティーブはため息をついた。
バッキーの部屋に移ってから、すでに1週間が過ぎようとしている。
その夜。ベッドで横になっていたスティーブに、バッキーが何気なく言った。
「なあスティーブ、もうこのままでよくね?」
「えっ?」
「いや、正直、ひとりよりふたりの方が楽しいし。別に不便もないだろ? お前の荷物も、こっちの部屋に完全に馴染んでるしな」
スティーブは思わず顔を赤らめた。
嬉しさと、突然の提案に胸がバクバクする。
「それとも……ゆっくりマスかけないのが心配か??」
バッキーがふざけたようにニヤリと笑う。
「な、なに言ってんだよ……ッ!!」
スティーブは顔を真っ赤にして跳ね起きた。
「ハハハッ!!冗談だよ、ムキになるなってスティーヴィ」
笑いながら軽く背中を叩いてくるバッキーに、スティーブは視線を逸らした。
「……人の気も知らないクセに……」
その呟きは、バッキーの耳には届かず、
ただ、スティーブの心にだけ、確かに響いた。