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    芦緖(あしお)

    @futa2ai

    20↑shipper。 ふたあい(二藍)はイーベン小説中心に活動中。M:I(イーベン)、 TGM(ハンボブ、ルスマヴェ)、忍たま(こへ長)の話題多め。字書きですが、絵を描くのも好き。
    通販(基本イベント開催前後のみ公開)→https://2taai.booth.pm/

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    芦緖(あしお)

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    だいぶ前にTwitterでした死神ボブの話。
    ボブはマーヴの魂回収を任されたエリート死神。ハンボブになる予定、だけど続くかも未定な感じ。

    #TGM
    #ボブ
    bob
    #ハンボブ
    humbob

    誰も知らない、君を知らない ピート・“マーヴェリック”ミッチェルという人間は光り輝いていた。輝いているといってもその光は人間に見えるわけではない。死神たちにだけ見える、いわば生命力のようなものだ。
     よくあんな輝いている人間が死神のリストに載っているものだと、ボブはポップコーンを頬張りながら考えていた。
     現に彼は何度も死神の手を逃れここまで生き抜いている。不死身、という言葉がぴったりの人間だが、自分の評価のためにも魂を回収しなければならない。出世には興味がないが、降格して仕事が辛くなるのは望むところではなかった。
     マーヴェリックを眺めながらまたポップコーンを口に運ぶ。現世の食べ物は美味しい。天界では腹が空かないのでこうして食事を楽しむのは仕事の時だけの特権だ。死神という仕事の唯一の楽しみかもしれない。
     今回の仕事先は海軍の基地で与えられた仮の姿は大尉でWSOという初めてのものだった。操作の知識も技能も与えられてはいるが何かに乗って空を飛ぶというのはなかなかに新鮮だ。ボブという名前は以前も使ったような気もするが、よく覚えていない。
    「いつからいた?」
    「さっきからずっといたよ」
    「ステルスパイロットかよ」
    「いや、僕はWSOだ」
    「……ユーモアはないな」
     知らない間に同僚になる人間たちが周りに集まっていて、ボブはとっさに言葉を返す。それだけのことなのに、ライトブラウンの髪をした生意気そうな男……ジェイク・セレシンに呆れられた。こういうタイプが仕事先にいる時はろくな事がない。あまり関わらないでおこうとボブは警戒を強めた。
     残りのメンバーとは会話が進んで名前を答えたらコールサインをと言われて、そんな設定もらっていないと心のなかで舌打ちする。
    「あー……ボブ」
    「ボブ、フロイド? 私の後ろに座るの、まさかあんた?」
    「そう、みたいだね」
     こういう時は無駄にひねらず、無難に答えるのが一番だ。案の定ボブの答えと神が改ざんした記憶がうまく結びついて事なきを得た。
     フェニックスは良さそうな人間だ。しばらく組むというのだからストレスは少ない方がいい。まずは親しくなる第一歩だと、ボブは差し出されたキューを手に取った。
     
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    芦緖(あしお)

    DONE前回書いたハングマンとボブの話(マヴェ達帰還直後の話)の続き。
    今回はハン側の視点で。ハンボブの民ですが、まだまだそこに至るまでの道が長い。
    ※ポイピクの話をもとに書いた「それは雫のように」はオンイベなどで頒布してます!
    それは雫のように ほっとした瞬間、ハングマンの視界がぐらついた。周囲の音が聞こえなくなって、代わりに自分の鼓動だけが耳に大きく響いて、今いるこの場が現実なのか分からなくなった。
     本当に自分は二人を救えたのか? もう手遅れで、何もできず自分も撃墜されて死ぬ間際に都合のいい夢を見ているんじゃないか? そんな疑問がハングマンの思考を支配する。
     そのうち歓喜に湧くデッキにいるのが耐えられなくなり、悟られないように人混みを抜けた。一人になると少し冷静になって、現実と悪夢の区別がつくようになってくる。それでも身体の震えが止まらなかった。
     ハングマンにとってこんなことは初めてだった。危険な任務はこれまでもあったしパイロットとして命の危機に瀕したこともあった。きっと今までのハングマンであればこんな状態にはならなかっただろう。しかしマーヴェリックに教えられる中で知ってしまった。パイロットとしての生き様だけでなく、チームが、仲間がどういうものなのか。そしてそれを失う恐怖も。
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