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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    ワンドロ
    お題「手が触れ合う」
    ⏳1時間半位

    寂しさを紛らわせるためにしてみたことが、逆効果だった話。

    #キバダン
    #kbdn

    次は香りも恋しがってもらおう ココガラの鳴き声が聞こえてくる穏やかな朝。きっと外は晴れているのであろう。朝日が遮光カーテンの隙間から突き抜けているのを見て、「今日の出勤はリザードンに乗って行こう」なんて考えながら、ダンデはいつも通りの時刻にきっかりと目を覚まし、身支度を整えながらハイチェストの中を見る。が、お目当てのものが見つからず首を傾げた。
    「あれ、今日着ける予定のネクタイピンが無い。キバナ、君知らな…。」
     そう言いながらベッドの方へ振り返って、しまったという顔をした。
    「ロロ…キバナは出張ロトよ?ダンデ、頭のアップデートまだしてなかったロト?」
     ふよふよとまだ眠そうに充電器から浮き上がったロトムが不思議そうにダンデへと尋ねる。
    「いや、分かってはいるつもりだったんだぜ。」
    「うっかりさんロト。」
    「ははっ!確かにな。さて、ロトム!目が覚めたなら今日の予定を読み上げてくれるか。」
    「任せるロー!秘書さんからもう届いてるロ!」
     ダンデは気持ちを切り替える為に掌で両頬を軽く叩き、意気揚々と読み上げられる予定を頭に入れながら朝食の支度に取り掛かった。



    『あははっ!お前そんなことしてたのかよ!』
    「通話、切っても良いか。」
    『待て待て!おい、頼むから終了ボタン押そうとするなって。』
     深夜といっても過言ではない時刻。互いに出張や急なトラブルの為に顔を合わせられない日が続いた時に、キバナから「せめて画面越しでも会いたい」と言われて始めたビデオ通話だったが、それからすっかり習慣化してしまい、くだらない話でも良いから次の日の予定に響かないよう30分だけ。疲れている時はお休みの挨拶だけ。そんなルールでゆるゆると続いている。そして今、その通話の始まりに今朝の顛末を、うっかりロトムに口止めしてなかったせいで、彼が意気揚々とキバナへと報告し始めてバレてしまった。キバナは何が面白いのか画面の向こうで腹を抱えて笑っている。
    「そんなに俺のうっかりが面白いのか。」
     ちょっとだけ不貞腐れた気分になり、つい声が低くなる。
    『いやいや、笑った理由はさ。今日、オレさま全く同じ事したんだよな。』
    「え。」
    『ダンデ、今日何時に帰ってくる?なんて聞いちまったのよ。可笑しいだろ。」
    ちょっとだけ頬を染めながらそう告白するキバナを見て、ダンデは何故だか胸の中がじんわりと暖かくなる気がした。
    『なあ。手、出して。』
    「手?」
    『うん。画面触ってくれよ。』
     キバナの意図がいまいち読み取れないまま言われた通りに指先でキバナの映る画面にそうっと触れる。その後どうすればいいか分からず、指先の隙間から見えるキバナへ話しかけようとしたが、彼が自分と同じようにその大きな掌から伸びる、しなやかな指先を画面に触れさせている事に気づいて言葉になるはずだった空気を喉奥へ飲み込んだ。
    『うーん。やっぱり感触は分からないよなー。』
    「まあ、そうだろうな。」
    『いや、ほらさオレさまがこの出張出て3日目だろ。そろそろお前の体温が恋しくてさ。でもこれ駄目だな。』
    「当たり前だぜ。」
    『そうは言ってもさ!ちょびっとだけでも触れてる気分になれないかなって思ったんだよ!』
    心底悔しそうな声を出しながらも画面から指先は動かない。何となくダンデもそのまま画面越しに指先を合わせながら話を続ける。確かに見えているはずの見慣れた指先。なのに無機質な板一枚に挟まれて、ダンデも何だかもどかしい気分になる。
    「君がそんなことをするから、俺まで君の体温が恋しくなってしまったじゃないか。」
    『あー!もう今すぐそっちにに帰りてぇー!』
    「まあ、明日には帰ってこられるんだし。せいぜい寄り道せずに良い子で帰ってくるんだな。」
    『万年迷子のオマエに言われるとなんかすげぇ腑に落ちねぇな。』
    「あははっ!違いない。」
    『全然笑うところじゃねぇからな…明日、なるべく早くそっち行くから。オマエも良い子で待ってろよな。』
     そう言ったが最後、画面からするりと指先が消えたかと思ったら海とも空とも言えない色が画面いっぱいに広がり、軽いリップ音と共に通話が終了した。
     途端に先程まで賑やかだったリビングが寒々しく感じる。どうやら設定していた30分が過ぎたらしい。話しに夢中になり過ぎないようロトムにお願いしておいたタイマー機能だったが、今日はその唐突な終わりと共に訪れる静寂がいつもより堪える。何となく自分の指先を眺めてみるが、当然キバナの温もりも、少しだけカサついた唇の感触も分からなかった。
    「明日が来るのが楽しみを通り越して、待ちきれないな。」
     画面越しに口付けをされた指先に、祈るように唇を寄せる。
     朝、起きた時に熱を感じない広いベッドも、やけに横に長く感じるソファも、片割れだけしかテーブルに乗らないペアのマグカップも、何もかもがダンデの寂しさを募らせてしまう。早く彼の体温に触れたい。そう思いながらダンデはリビングの明かりを消した。  
     明日はうんと早起きをしよう。そしてきっと全速力で帰ってくる彼のためにちょっとだけ豪華な夕飯を。あと、書斎のデスクに仕舞い込んでいたハンドクリームも丁寧につけてみよう。そんなことを思いながらダンデは欠伸を一つ溢しながら寝室へと続く廊下を歩き始めた。
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    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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