星に願いを「なぁ、セナは流れ星にお願いごとしたことってある?」
梅雨が終わり、もくもくとした雲が出始めた頃、流星群が来るからと星を見に行こうと言い出したのはレオのほうだった。それっていつなの? と聞いてみると、わからない。と返ってくる。誘うからにはちゃんとした情報を提示してから誘えっての! と眉間に皺を寄せながら無言で手元の端末で調べると、それは八月のようだった。学院は夏休みに入っていたので、わざわざ待ち合わせをして外出をしようということだ。しかも、深夜に。泉は親の許可なく夜に出掛けられないので、行けなかったらごめんね。と前置きだけすると、しょんぼりと目の前のオレンジは頭を垂れて笑っていた。
ああ、もう。罪悪感の残る顔をしないでよねぇ。
6232